漢字表記の国名

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には漢字の問題が結構ありました。

漢字は古く中国から伝わった文字ですが、最近は漢字を忘れてしまった人が増えていると言われます。

読む事は出来るのですが、いざ文字を書こうとした場合、つい度忘れして簡単な漢字が書けなくなっているのです。

原因はパソコンの普及で、平仮名で打ち込み、漢字変換する事が日常の生活になっているため、度忘れしてしまっているのでしょう。

小中高校と学校で嫌と言うほど勉強した、国語の漢字を書けないほど忘れてしまう、人間の記憶力とは当にならないので、我ながら腹立たしくなる事があります。

さて、国の名前を漢字一文字で書き表す事があります。

第10回のチチカカ湖で出題されていました。

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問・外国の名前を漢字一文字で表すと、アメリカは「米」イギリスは「英」。ではスペインは何?

答・「西」(にし、せい)

解説 本来はすべての国を漢字で表記できるのですが、一文字で解る場合は略して、そのようにするのが慣例になっていますね。

「仏」はフランス、「独」はドイツ伊」がイタリアといった具合です。

因みに正式にはアメリカは亜米利加。イギリスは英吉利。フランスは仏蘭西。ドイツは独逸なのです。

でも、一文字のほうが書く方も読む方も楽なので慣例になったようですね。

しかし、実生活では外国名は漢字よりもカタカナで表記する方が一般的で、誤字、脱字もなく無難といえるでしょう。

漢字、平仮名、カタカナ、3種類もの文字を使い分ける日本語ってややこしくって難しい、と外国人も悲鳴を上げそうですね。

でも、外人観光客は上手な日本語をしゃべっているので、テレビでインタビューを見るたびに驚いています。

 

知っているようで知らない盲点

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本人なら誰でも知っているような常識の中からも出ていました。

誰でも知っているのでは、知識の競い合いに相応しくない、という意見も出て来るでしょう。

しかし、誰でも知っているはずの常識にも、時々盲点となる箇所があるのです。

我々はその様な常識の隙間を狙って、クイズ問題を創る事もありました。

第10回のモニュメントバレーで、次のような問題が出題されています。

問・童謡「うさぎとかめ」。うさぎとかめが競走したのはどこまで

答・むこうの小山のふもとまで

解説 童謡の中でも、幼児の頃に日本人なら誰でも歌った事のある「うさぎとかめ」。

人間は「自分の力にうぬぼれて、油断をしてはダメですよ」という教訓的な教えですね。

誰でも知っていながら、でも細かい歌詞をしっかりと記憶している人は結構少ないようです。

この問題は、スタッフのクイズ問題会議でも「お山の頂上」と勘違いしていた人間が複数いました。

絵本で「うさぎが山のてっぺんで手を挙げている」イメージが思い浮かぶのでしょうね。

でも、歌詞にはしっかりと、〽むこうの 小山のふもとまで 〽とあります。(石原和三郎・作詞)

この童謡のように、日本人の常識の中にも時々、盲点となる部分が潜んでいます。

我々は「常識の盲点問題」と名付けて、小学生でも参加出来るような易しい問題も作っていたのです。

「そんなの易し過ぎる」と鼻で笑うような人ほど、盲点になっていたのです。

油断大敵、火がボウボウです。

日本的、縁起の良い数字とは?

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、人々の生活習慣に関する問題が多数含まれていました。

生活習慣の中には、世界中で縁起を担ぐという習慣がありますね。

特に、数字に関する縁起担ぎは国によってマチマチで、キリスト教徒の多い欧米では13という数字が忌み嫌われています。

この理由は、イエスを裏切ったユダが「最後の晩餐」で13番目の席に付いていたからという説があります。

また、ユダは13番目の弟子だったという説もあったりしますが、いずれにしてもユダとの関係で13が「忌み数」になったようです。

一方、日本では「十三夜」といって陰暦の9月13日の夜に月を愛でる習慣があります。

枝豆や栗を供える処から、十五夜の「芋名月」に対して「豆名月・栗名月」とも呼ばれています。

また、日本での忌み数は4で「死」に通じるという事から嫌われていますね。

逆に、日本では好かれる数字が昔からありました。それは一・三・五・七・九で目出度い数とされていました。

これは祝儀に使う数で、その中を取ったのが七五三のお祝いなのだそうです。

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これに関する問題が第11回のニュージャージーで出題されています。

問・七五三は子供のお祝いですが、漢字で書いて七五三に「縄」という字を付けたら何になる?

答・しめなわ(七五三縄)

解説 今ではスーパーで簡単に買えますが、昔は農家の各家庭で藁をよって作っていた時代がありました。

新年に門口に魔除けのために張るのが日本人の風習でしたね。

その他、七五三縄は神事に於いて神聖な場所を画するために用います。

数字で縁起を担ぐ。何の根拠も無い行為なので、ドライな若者は「迷信だよ」と鼻で笑いそうですが、逆に若者ほど気にするという話も聞きます。

信仰心など全く無いような若者が、正月の初詣に大挙押し寄せるのも、日本人の不思議な現象です。

また、当たると噂の「宝くじ売り場」に長い行列が出来るのも、縁起担ぎからでしょう。

縁起担ぎと言えば「鰯の頭も信心から」という諺がありましたね。

運を掴むには、何かに頼りたい。この人間の弱さが縁起担ぎと言う習慣を作り上げたのかも知れません。