植物に名を遺す偉人

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、歴史上の偉人に関する問題が多数出題されています。

このようなクイズ問題は、偉人の業績を勉強した人達が正解するのですが、中には例外で歴史には無関心でも正解できる問題も含まれていました。

第8回のグアムで、次のような問題がありました。

問・紫式部と清少納言、植物の名前にあるのはどっち?

答・紫式部

解説 二者択一ですから、知識がなくても50%は正解出来る超優しい問題です。

正覚寺の紫式部 - 京・花壺螺暮

ムラサキシキブは日本の山中に群生し、高さ2m~3mで庭木に愛用されています。

紫色の実が鑑賞用として愛され、この名が付きました。

何故、こんな易しい問題があるの? と不思議に思われる方も多いでしょうね。

実は、この時は真夜中、2人1組でグッスリ眠っている挑戦者をたたき起こし1対1の勝負。

「時差ボケ調整、暁の奇襲作戦、敗者たらいまわしクイズ」という落とし穴みたいな形式のクイズだったのです。

敗者は隣の部屋にたらいまわしとなり、クイズは延々と続きました。

寝ぼけマナコで、頭が回転しない中で出題される訳ですから、全問が優しい問題のオンパレードだったのです。

でも、無情な事に25名中たった1名が敗者になるという仕掛けでした。

眠っている所を起こされ、グルグル部屋を回されて、おまけに敗者の汚名を着せられた挑戦者。

現代なら挑戦者の人権侵害、コンプライアンス違反で、このような形式では放送出来なかったでしょうね。

テレビの制作現場も、昔と今では大違い。どちらが面白いかは議論の分かれるところでしょう。

 

水木先生のご冥福を祈る

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズのクイズの数多くの問題に貢献した水木しげるさんの訃報に接しました。

妖怪漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の生みの親で、老若男女多くの日本人に愛された水木しげるさんだけに、ショックを受けた人も多いと思います。

我々の番組でも「ゲゲゲの鬼太郎」に関連する問題は数多く出題されていました。

第16回のグアムでも、次のような問題がありました。

問・お椀を船にして川を下ったのは一寸法師。では、お椀にお湯を入れて、お風呂にしていた水木しげるのマンガのキャラクターは何?

答・目玉おやじ

解説 妖怪漫画の主人公、ゲゲゲの鬼太郎の父親が目玉おやじで、毎回漫画に登場する人気キャラクターでした。

目玉親父の画像

他の回でも「目玉おやじは瞬きをする」など、ゲゲゲの鬼太郎関連の問題は、何問もクイズになっています。

世の中の人気キャラクターだっただけに、クイズ問題になり易かったのですね。

水木さん自身は第2次世界大戦では南洋の島・ラバウルなどで「九死に一生」の体験をするなど、自身の体験から平和への願いを訴えていました。

また、妖怪ブームの元祖としてマンガ界には多大に貢献し,紫綬褒章などの叙勲の他、文化功労者にも選ばれています。

更に縁の深い鳥取県境港市には水木しげるロードが出来るなど、世の中に多くの功績を残しました。

水木しげるさんの訃報には、ウルトラクイズ・ファンに限らず多くの人々がご冥福を祈っている事でしょう。

「お化けは死なない 病気も何にもない」ゲゲゲの鬼太郎の歌詞の通り、水木さんの作品はこれからも人々の心に永遠に残る功績でした。

番組としてはお世話になりました。ご冥福をお祈りいたします。

嫌われ者の正体を暴く

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、普段使っている言葉の語源を求める問題がありました。

例えば友人や会社の仲間から嫌われている人を指す表現に「御荷物」「厄介者」「困り者」「人泣かせ」「持て余し」などがあり、決定打は「お邪魔虫」でしょうね。

では、邪魔とは一体何処から来た言葉なのか? クイズ問題作者の出発点はこの疑問からスタートしました。

これを調べて、創られた問題が第12回の東京ドームの○×問題に出題されています。

問・仏教では、修行の邪魔をする悪魔を「邪魔」という。

答・○

解説 「邪魔」と呼ばれる悪魔がいるのか、いないのかが問題点です。

神様や仏様の名前はいろいろ聞きますが、悪魔の名前は余り知られていないのが一般的な常識です。

神社やお寺へ行っても、悪魔の絵や像が祭られているという話は聞いた事がありません。

問題の作者は「邪魔」という言葉の語源を調べる処から、問題創りを始めました。

すると、仏道の修行の妨げをする正に邪魔者がいて、この悪魔を仏教では邪魔と呼んでいる事が解りました。

このクイズ問題は作者の「発想」なので、挑戦者も意外性に迷い、面白い問題と評価されるのです。

クイズ問題は新聞や雑誌、書籍などの記事を出典とする問題が沢山あります。

でも一方、作者の疑問や発想から創られた問題も多く、後者の方が新鮮で記憶に残る確率が高いように思います。

日頃良く使われる言葉「邪魔」はそんな名前の悪魔の事である、本日の知って得する一言知識でした。