知っているようで知らない日本語

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、日本語に関する正しい知識を問う問題がありました。

世の中には、知っているようで知らない日本語が、結構存在します。

日本語の誤った使い方をすると、年長者に「近頃の若者は」と批判の対象になったりします。

その為、間違いやすい日本語の書籍が有るくらいで、正しい日本語は難しいというのが本音でしょう。

第6回のケンタッキーで、次のような問題がありました。

問・「弱冠十八歳」などと使う「弱冠」実際には何歳の事?

答・二十歳

解説 弱冠には若干と二つの漢字が当てられますね。弱冠の場合は、二十歳男子の事を指します。

中国で周の時代、男子二十歳を『弱』といい、元服して冠を被ったところから男子二十歳の異称でした。

「中国、元服式」の画像検索結果

一方、若干は多少という意味で使われる事が多いですね。「まだ若干空席が残っています」のように。

ところが弱冠の方は、若いという意味に誤解され「弱冠十六歳にしてこの偉業を達成」のように誤った使われ方をしているのが現状です。

しかし、言葉は多くの人が同じように解釈していると、それが正しい使われ方、となる場合も多いようです。

文部科学省では、定期的にこの様な誤り易い言葉を調査、広辞苑などの改訂をしているという話も聞いた事があります。

日本語は難しい上に、語源まで辿らないと正誤が判明しないという事もあり、本当に厄介です。

こうした細かい事を話題にするだけで「重箱の隅をほじくる奴」と嫌われる風潮があります。

従って、クイズ作家は嫌われ者になり易い、正に結論ですね。

 

礼儀、仕来たりの決まり事

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、世の中の常識を問う問題が多く採用されていました。

昔から「近頃の若者は…」と年配者が嘆く話を聞きますが、年代によって考え方が異なるのが、世の中の流れです。

とは言え、世の中の礼儀、仕来たりはそう簡単に変化しません。これを守らない若者を見た年配者が怒る気持ちも理解できます。

先日、テレビで「最近の若者のマナーに関する話題」が有りました。

電車の中で「優先席に座っている若者が年配者に席を譲らない」という話でした。

しかし、譲らないのは大人たちの方だ、との反対意見も多数有り、譲る若者も多いとの話でした。

この問題は、年代に関係なく個人のマナーの考えによるでしょうね。

要は、礼儀、仕来たりなど、日本人としての常識を心得ているか否か?、が問題なのでしょう。

しかし、世の中には「正しいマナー」が判明しないという事例も結構存在します。

我々はその様な「正誤が不明」なマナーを探し、クイズ問題にしていました。

第3回のハワイで出題されていました。

問・列車やバスの席で、上座に当るのは、窓側、通路側、さあどっち?

答・窓側

解説 これは知っているようで、意外と知られていないマナーと言えるでしょう。

例えば上司と出張の場合、自分が景色の良く見える窓側に席を取ったりすると「気の利かない奴!」と睨まれる事請け合いです。

この様に電車やバスにも、席の序列が存在するのです。

「新幹線、座席」の画像検索結果

例えば新幹線のように3列ある場合は、窓席が上座、通路側が次席、中央が末席となります。

これも現代人のマナーの常識なので、知っていた方が他人を不快にしない心得と言えるでしょう。

世の中のハッキリしないマナー、仕来たり等を探し、それをクイズ問題に仕上げて広く知らせる。

これも我が番組の使命と我々は考えていたのです。

 

 

実りの秋になりました

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、生活習慣に関する知識を試す問題が多数含まれていました。

クイズの目的、知識の幅を競うゲームとしては、当然この範疇の問題は重要です。

そんな中でも、秋は「実りの季節」なので、日本人の大好きな食文化に関する問題が多く出題されていました。

第14回の東京ドームの○×問題で、次のような問題が出され、多くの人が右往左往しました。

問・「毒キノコ」に対して「解毒キノコ」もある。

答・×

解説 日本語には「毒を以て毒を制す」という慣用句があります。

この言葉を知っていると、若しかすると「毒を制する」別のキノコが有るかも知れない、という考えが頭に浮かぶ可能性があります。

しかし、残念ながら解毒作用のキノコは世の中に存在しなかったのです。

毎年の事ながら、秋になると毒キノコに当って、被害に遇うというニュースが報じられます。

その度に、テレビでは専門家が登場して、毒キノコの見分け方を解説しますが、でも、こうした事故は減る事はありません。

味覚の秋は、やっぱりキノコ狩り、と待ち望んでいる人が多いのも事実。ベテランと言えども間違えを起こすのが人間です。

ましてや素人が、この様な趣味を持って山の中を歩くのは、危険な行為と言っても過言ではありません。

キノコは古来から人間の食用とされていますが、食用と毒キノコの選別は難しいとされています。

確実なのは、食用として栽培されているものが安全で、自然の中で採取する場合は、危険が常に付き物と理解するべきでしょう。

全国各地には、キノコ愛好の団体が有り、秋になると会員が研究会を兼ねキノコ狩りを楽しんでいるようです。

その様な中で、野生のキノコを選別する目を高め、食用にするようにしたいものです。

食通と自慢する人の中には、河豚や危険なキノコを好んで食べる人が結構いたりします。

河豚の「ピリッと来るところが美味い」などと言って、その毒で昇天した食通の話を聞いた事があります。

食欲の秋、今やグルメ・ブームで数多くの情報が飛び交っていますが、過食にはくれぐれもご用心を!