傑出した人物の周囲

 

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、人物に縁のある出来事を問う問題がありました。

実在の人物は勿論の事、架空、伝説など傑出した人物には、伝えられるエピソードが多数あります。

クイズに強い人は、こうした人物の周囲を良く研究しているので、正解率が高くなるのでしょう。

例えば、夏目漱石などは、作品だけでなく彼の生い立ちから経歴、住居の所在などクイズ問題になりました。

歴史上の人物でも、武蔵坊弁慶などはその一生がドラマになるくらい、波瀾万丈の生涯を送っています。

従って、彼の生涯を調べるとクイズ問題の題材が多数転がっています。

その題材の一つが、第6回のニューヨークの決勝戦で出題されました。

問・豪傑、武蔵坊弁慶から刀を奪われた被害者は合計何人?

答・999人

解説 平安末期の荒法師、弁慶は当時の武士から刀を1,000本奪う計画を立て、夜毎武士を襲っていました。

そして、五条の大橋で1,000人目のカモと思って、襲ったのが牛若丸と呼ばれていた若き日の義経でした。

従って、義経の前まで、999人が刀を奪われた被害者だったのです。

弁慶の長刀をヒラリとかわした牛若丸は、舞うように橋桁に立っている、お芝居の名場面ですね。

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若武者の牛若丸に初めて負け、義経の家来になるよう懇願します。

以後、弁慶は忠実な家来として、最後まで仕えたとの伝説が残っています。

弁慶の泣き所、弁慶の立ち往生などこの歴史上の荒法師は、調べれば調べるほど味のある僧兵だったのですね。

 

 

 

所変われば品変わる!

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題には、知って得する面白い情報が沢山ありました。

「へー、本当!」と聞いた人が驚くような問題が、時々出題されていたのです。

諺に「所変われば品変わる」との言い伝えがありますね。

では、何がどう変わるのか? これを代表するような問題をご紹介しましょう。

第9回のロンドンで出題された問題です。

問・ロンドン塔名物の鳥といったら、何?

答・カラス

解説 日本では、カラスはへびと並んで忌み嫌われる動物のチャンピオン的な存在です。

処が、所変わってイギリスでは「守り神」的に大切にされている鳥で、ロンドン塔には常にカラスが飼われているのです。

「ロンドン塔カラ...」の画像検索結果

時は1666年、ロンドンで大火災が発生、市街地には死体が多数転がった状態になりました。

そこへワタリカラスが多数やって来て、死体を食べていたのだそうです。

この状態を嘆いた住民が、カラスの駆除をチャールズ2世に申し込んだのです。

王が駆除を命じた処、占い師が登場「カラスが居なくなるとロンドン塔は勿論、英国そのものが消滅する」と予言したのです。

これを信じた王命で、以後ロンドン塔ではカラスを大切に守護神として飼う習慣が根付いたと言います。

現在は5羽のカラスが飼育され、1羽死ぬと直ぐに補足されるようで、羽が切られているので勝手に逃げられないとの事です。

「所変われば品変わる」の代表的なお話。ロンドン塔とカラスに関する雑学の一席でした。