世界共通の諺もありました

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本国内に留まらず世界の事象に関しても出されていました。

中には日本と世界の共通点、とも言える事柄がありますね。人間の生活ですから、同様に考える事もあるでしょう。

例えば食事のマナー。食材も料理も異なるので、当然の事ながらマナーは全く異なります。

でも、肉の焼き方、スープの煮かたなど料理の作り方に関しては共通点も多いようです。

料理を美味しく仕上げる目的で、代々伝えられる中で合理的な調理法が語り継がれた訳でしょう。

生活習慣の中で、日本と世界が同じように考えで「諺」になる事もあります。

その典型的な問題が、第13回のボルチモアの準決勝で出されていました。

これはウルトラ・クイズ史上「最大の準決勝」と語り継がれた白熱戦で、放送された問題数が何と62問もありました。

編集された数が62問ですから、ロケ現場ではこの3倍~4倍のクイズ問題が使われました。

そんな中で出された世界共通の諺とは?

問・「見もせずに語るな」という諺。西洋では「ナポリを見て死ね」。では、日本では何んと言う?

答・日光を見ないうちは結構というな

解説 西洋ではナポリが風景、気候など全ての面で最高の環境と言われていたのでしょう。

従って、この地を見ないで死んでしまったら「人間として損ですよ」との諺ですね。

日本でも江戸時代に「日光東照宮」が完成し、その美術的価値が高く評価されました。

当時の江戸っ子は「洒落言葉が好きで」日光と結構をダブらせてこの諺を作ったのでした。

五百年も経った現代でも、日光は我が国を代表する観光地として人気がありますね。

特に、二〇一七年に四十四年ぶりの大修理を終え、美しく蘇った彫刻の数々が輝いています。

また、日光はパワースポットとして訪れる方も多く、日光を見ずして結構と言うなの諺が、正に的を射ています。

本日の裏話は、世界と日本の共通した「諺」の問題から世界遺産である日光東照宮のお話でした。

日光と言えば「サル軍団」が有名でしたね。また中禅寺湖では野生の猿が観光客の土産物を狙って悪戯放題でした。

でも、これを追い払う事は出来ません。サル者は追わず」の諺がありますからね~。

日本の食文化って何?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、知らなくても日常生活に困る事のない、雑学的な問題も多数ありました。

とは言え、知って解説を聞けば「なるほどねえ」と為になる問題が多かったのです。

これ等の知識は「雑学辞典」などに記されているものではなく、クイズ問題の作家が自分で考えた問題なのです。

クイズ作家が「何故だろう?」と疑問に感じた事象を調べ、答えを導き出しているだけに「初耳」と面白く聞こえる訳です。

第7回のジャスパーで、次の問題が出されましたが、答は解るもののその意味を知っていますか?

問・卵の中にあって、白味に浮かぶ黄味の位置を調節しているひも状のものは何?

答・カラザ

解説 鳥類の卵黄の両側から出ている白色不透明なひも状のものを「カラザ」と呼ぶのは良く知られていますね。

これは卵黄を卵の中心に置くためで、中心に置かなければ正常に発育出来ません。

即ち、鳥類がひなになるには「必要不可欠」なものなのです。

卵かけご飯の時には、カラザは確かにヌルヌルで食べたく無い気持も理解出来ます。

人間にとって、カラザは不必要なものでしょう。でも鳥類の成長には欠かせない働きがあるのでした。

こうした事実も雑学として知っていると、時には話のネタとして役立つ事もあるかも知れませんね。

本日の裏話は、卵かけご飯の時に邪魔者扱いされていたカラザの存在理由のお話でした。

そう言えば、生卵をご飯にかけて食べるのは日本人特有の食べ方のようですね。

外人観光客も、日本で初めて経験「国に帰って流行らせよう」と自慢していた人がいました。

生の魚を食べる寿司、これも世界中に広まりましたが「卵かけご飯」も同じ道を辿るのでしょうか?

板前さんが「日本料理はこんなもんじゃねえ~」と怒りそう。フランス料理、中華料理に負けず凄いんだぞ~、の声がねえ……。

 

歴史に残る悪女とは?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、森羅万象の中から創られていたので、世界中の出来事を知っていれば当然有利です。

例えば「世界の偉人」にしても、その人物の功績を多少知っているだけで、関連した複数の出題に答える事が可能でしょう。

クイズ問題は、各チェックポイントで勝ち抜いた人間の戦いなので、決勝戦に近くなるほど難しい問題になります。

従って17回行われた番組は、例外なく決勝戦は難解な問題の連続で、勝負は白熱化していました。

視聴者も問題に参加しながら、むしろ名人戦の観客になった気分を味わっていたのかもしれません。

第11回のニューヨーク決勝戦での問題を振り返って見ましょう。

問・中国の歴史の中でたった一人の女帝とは誰?

答・則天武后(そくてんぶこう)「武則天」も可。

解説 彼女は六九〇年~十五年間君臨した女帝であり、女性ながら百戦錬磨の部下を従えるために冷酷な政治を行いました。

従って現代の中国では、高い評価は受けていないようです。

中国四千年の歴史と言われますが、今を去る事・千四百年も前の人物なので、残された資料も様々で正確な事は解りません。

しかしながら、隣国との戦では数々の戦果を挙げており、評価する学者も多く、歴史物語では群を抜いて取り上げられています。

冷酷無比な女帝と伝えられるだけに、物語の題材は幾らでも創作出来るでしょうし、主人公には適役だったと言えるでしょう。

本日の裏話は、歴史上に残る「悪女」の話として、中国の則天武后を取り上げてみました。

処で歴史に残る悪女は世界各地にいますね。

日本では北条政子、日野富子、淀君などがいます。中国は則天武后、西太后、毛沢東夫人の江青。

西洋ではマリー・アントワネット、クレオパトラ、と何れ劣らぬ大悪女ばかり。

しかも、彼女たちは揃いも揃って美女ばかりでした。歴史的に男は美女に弱いのだったこれが結論のようでした~。

 

逆転の発想とは?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、一般に使われている言葉と、難しい専門用語の両面から出題される事があります。

専門用語は専門家でなければ理解出来ないでしょう。でも、同じ事象を一般に使われている言葉で聞けば解る事もあります。

勿論、その逆もあって正解を聞くと「なーんだ」と挑戦者も視聴者も共に笑えるような問題があります。

我々は、クイズ現場が緊張して挑戦者の表情が険し過ぎる時に、雰囲気を和らげる目的で笑えるクイズ問題を用意していました。

第12回のパシフィカで、そうした問題が出されていました。

問・大脳の「先天的音楽機能不全状態」。簡単に言うと何?

答・音痴

解説 医学用語は何でも難しい表現で、一般には理解し難い言葉です。

歌が下手で、何度練習しても調子っ外れを一般には音痴と呼び、カラオケでは笑い者のキャラクターですね。

これも単なる不器用と、絶対に治らない「先天的音楽機能不全状態」の二つに分ける事が出来るようです。

不器用な人は努力次第で上達も可能です。しかし、大脳に欠陥がある方は、音楽への希望は捨て諦めましょう。

上手な歌で周囲を感動させたい、この気持ちは良く分かります。でも、カラオケ大会の状況を想像してください。

歌を、真面目に聴いてる人はほんの僅か! 大多数は次に自分が唄う曲を探すのに夢中で、他人の歌など興味がないのですよ。

そう考えると、音痴で周囲のみんなが注目して聴いてくれる方が楽しませるとの意味でば、遥かに効果的でしょー?

「ものは考えよう」との言葉があります。感動させるよりは笑わせて楽しませる、これもアピールの方法です。

本日の裏話は、音痴の欠点を長所に見せるため「逆転の発想」のお話でした。「えっ、お前も音痴だろ~?」バレましたかね~。