へそ曲がりは嫌われ者です

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本人の一般常識を基本に創られていました。

一般常識は学校で学習、本やメディアで読んだり、他人の話で伝え聞いたり、知識の吸収は様々な方法で蓄積します。

となると、若者より年齢を重ねた年長者の方が、知識が増えるという事になります。

そこで若者にはやや難解、年長者には有利と思える問題がありましたのでご紹介しましょう。

第5回のアカプルコで出された次の問題です。

問・昔話に登場し、へそ曲がりの人の代名詞に使われる鬼は?

答・天邪鬼(あまのじゃく)

解説 天邪鬼は、みんなの意見に反対するひねくれ者の代名詞で元は小鬼の事なのだそうです。

中国にも同じような鬼が居ますが、日本の場合も昔話や伝説に同じ性格のひねくれた鬼がいて「天邪鬼」と呼ばれていました。

この名前の語源は、古い伝説なのでハッキリ判明しませんが、人間社会でも同じような「へそ曲」がいますね。

逆に、何事にも反対しない人は「八方美人」と呼ばれ、この様な人間も仲間からの信頼は受けないのが人情のようです。

人間社会を平穏無事に渡って行くのは、結構気を使わなければならず精神力を磨かなければなりません。

人の気持ちは「百人百様」、周囲と仲良く生活するのは自分の気持ちに正直になるのが一番でしょう。

それには「良し悪し」の意見を有耶無耶のせず、ハッキリ主張する事が「成功への秘訣」と世渡り上手な人が言っていました。

本日の裏話は、へそ曲がりの鬼のクイズ問題から、世の中を平穏無事に暮らす知恵のお話でした。

平穏無事な平和な世の中? 誰でもが願っています。でも現代は「コロナ騒動」で世界は大混乱です。

若しかすると地球上に「天邪鬼が大量発生」したのでしょうか?となるとこれを退治する薬は? 難題ですが完成も近いかも…。

 

お酒は飲みたいけれど…

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本人の一般常識を基本に創られていました。

一般常識の中にも、上・中・下と三つに難易度を分けると、上・中は比較的答えられますが、下は専門的な知識で難解です。

運良く専門家なら誰でも正解出来るでしょう。しかし、門外漢には難しい問題でその様な例をご紹介しましょう。

第3回のワシントンDCで行われた準決勝での問題でした。

問・なまぐさ坊主たちの隠語で、酒のことを俗に何と呼んだ?

答・般若湯(はんにゃとう)

解説 仏教で「般若」とは、どのような意味があるのでしょう?辞書によれば、人間が真実の生命に目覚めた時の状態。

根源的な叡知で、世界の究極的な心理を知る事と説明されています。と言う事は酒は究極的な楽しみと言えるかも知れません。

宗教には、さまざまな禁止事項があり若しかすると仏教では飲酒は禁じられているのかも知れません。

という事は、究極的な楽しみの「酒」の言葉を避けて別の名称で呼ぼうとの知恵者が「般若の湯」との隠語を考えたのでしょう。

僧侶の中で、掟を破ったり道楽に走るお坊さんを「なまぐさ坊主」と呼ぶのは、日本人の一般常識となっています。

クイズ問題の中で「なまぐさ坊主」が…、とわざわざ表現したのはその様な僧侶と交流のある方は正解出来た問題と言えます。

本日の裏話は、仏教の専門用語のクイズ問題から「なまぐさ坊主」の好きなお酒のお話でした。

世界中の宗教には、それぞれ禁止事項がありますね。妻帯は禁止、牛肉は食べない、女性は顔を布で隠すなど様々です。

とは言え、現代は国際化時代で人間の「自由」が認められているので、宗教と言えども極端な禁止事項はゆるむ傾向にあります。

特に我が国は、憲法二〇条で「信教の自由」とあり、何人に対してもこれを保障すると定められています。

難しい話は兎も角、酒は百薬の長との言葉があります。これは適度の飲酒はどんな薬にも勝って効験があるとの意味です。

お酒が好きな人は、職業、身分に囚われず飲んだ後には「酒は百薬の長」という言い訳が使えます。

そこで結論! 現在はコロナ騒動の真っ最中です。飲むならば…小さな声で、少人数で、コッソリと飲みましょう。

大声で乾杯、思いっきりカラオケ、酒の楽しみはコロナの後にどうぞ。その楽しみは何時になるのでしょうね~、教えて~。

 

 

易しい問題の存在価値です

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本人の一般常識を基本に創られていました。

一般常識の中には、知っているようで実は詳しく知らない場合も有るように、知らないようで実は知っていた問題もあります。

要は、言葉の流れで考え方が混乱するような事象は、慌てた場合に間違えやすく、我々はそうした問題も創っていました。

第9回の「ハワイ・ジャポン、わいらキキ一髪クイズ」で瞬間の判断力を問う問題がありました。

因みにこの形式は、1対1の知恵比べ。船首から海上に突き出た二枚の板の上に挑戦者は海に背を向けて座ります。

最初は水平に保たれている板が、誤答・お手付きで板が三〇度海に向かって傾く。二度の失敗で海へドボンと落ちる訳です。

そんな緊張感を持った中で出された問題はこれでした。

問・挑戦者同士、だいぶ仲良くなったと思いますが、さて問題。俗に、今日の友が敵だったのはいつ?

答・昨日

解説 昨日まで敵だったのが事情が変化して、今日は味方どうしなので、落ち付いて考えれば昨日なのは誰でも正解出来ます。

我々の番組では「○×泥んこクイズ」「ばら撒きクイズ」のように挑戦者が緊張して思考力が落ちた時に、超易しい問題を出しその慌てぶりを描いたのです。

挑戦者にとっては「意地悪!」と怒りたい気分でしょう。でもこれは罰ゲームと共に視聴者が楽しめる重要な要素だったのです。

知力・体力・時の運が売りの番組。運が良いだけで只でアメリカ旅行が出来るなんて、との羨望(せんぼう)もあって喜ぶのでしょうね。

「他人の不幸は蜜の味」との格言があるように、人は不幸に同情する反面、それを面白がる意識もあり人間の心理は難解です。

本日の裏話は、超が付くほど易しい問題の存在に付いて、我々の狙いをご紹介しました。

挑戦者の皆さんに当時の思い出を訊ねると、多くの方が「罰ゲームが大変だったけれど、一番の思い出だった」と語っています。

ウルトラ・クイズは、昔の番組でありながら、今なお懐かしがられているのは、挑戦者と視聴者が共に楽しめたからでしょう。

現代では考えられないような膨大な費用をかけ、夢のように外国を走り回る桁外れな番組でした。

日本の高度成長期だからこそ実現出来た「徒花(あだばな)」で別の表現では「狂い咲」とも言える笑える番組でしたね~。