音声

大空での体験が小説に!

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題には、文学とのジャンルがあり、日本に限らず世界の文学もクイズになっていました。

世界の文学となると、全編を読破するのも大変です。そのため粗筋だけを紹介する書籍で知識を吸収した方もいるでしょう。

ウルトラ・クイズでは、その位の知識で正解出来る問題を用意し、挑戦者の士気を高めていたのです。

前置きはさて置き、世界の文学としては比較的全編を読まれている人気作品の問題がありました。

第16回のキャメロンパークで、出題された問題です。

問・「星の王子さま」の作者、サン・テグジュペリのもう一つの職業とは何?

答・飛行士(飛行家でも可)

解説 1,920年、彼は兵役で航空隊に入り、除隊後は民間の航空会社に入社しました。

彼は自らの飛行経験を基に「夜間飛行」「南方郵便機」などの作品を発表、中でも「星の王子様」は大ベスト・セラーでした。

日本でも、噺家の先代三遊亭円楽さんが自らを「星の王子さま」と名乗り、流行語になりましたね。

飛行機のパイロットは、大空を飛び回り多数の乗客の生命を預かっており責任も重大です。

その間に様々な思い、空想などが頭の中に浮かぶ事でしょう。

そうした体験を、小説にして作家デビューした方が日本にも居ました。

元・全日空の機長で「航空ミステリー作家」と呼ばれた内田幹樹さんです。

彼は全日空を退社後、自らの体験を基に書いた小説「パイロト・イン・コマンド」が第14回サントリー・ミステリー大賞を受賞。

その後、「機長からアナウンス」「操縦不能」「拒絶空港」などの作品を残しています。

彼は、多くの読者に期待されながら、2,006年66歳の若さで亡くなられています。

大空を飛びながらも、多数の乗客の生命を預かる責任感。パイロットは憧れの仕事とはいえ大変な日常と言えます。

そんな経験者が書いた小説だけに、人々の心に訴える力があるのでしょうね。

本日の裏話は「星の王子さま」の問題から、体験から生まれた世界の小説家の発想の原点を想像するお話でした。

 

 

おめでとうございます

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の裏話を書き始めて、5度目の新年を迎えました。

このブログは、月、水、金曜日と週に3回公開しているので、1年に162話、5年で810話以上書いて来ました。

この先、どの位の思い出話があるのか?

記憶力も減退気味なので不安もありますが、先ずは出来る限り書いて行きたいので、宜しくお願いいたします。

さて、平成の年号は昨日までで、本日から新しい時代に入ります。天皇陛下が譲位、今年は新しい年号になります。

ウルトラ・クイズでも年号や皇室に関する問題は、時々出ていましたが、その中から印象深い問題を選んでみました。

第11回のデビルスタワーで、次の問題がありました。

問・聖徳太子が皇太子だった時の日本初の女帝は誰?

答・推古天皇

解説 推古天皇の即位と共に、太子は皇太子となり摂政として国政に当りました。

聖徳太子に関しては、馬小屋で生まれ厩戸(うまやど)の皇子と呼ばれました。

遣隋使を派遣するなど中国の文化、制度を学び日本初の17条憲法を作成。中央集権国家の基礎を築いた人です。

仏教を取り入れ、神道と共に信仰の大切さを全国に広めた、など様々な伝説が残されていますね。

上記は日本人の一般常識ですが、近代の歴史学者はこれらは伝説であり、太子は実在していなかったとの説も有力です。

その理由として、聖徳太子の名称は没後129年も後に付けられたもので、古事記や日本書紀にも記されているとの事です。

とは言え、モデルになった人物は確かにいるが、功績に関してはその時代の知恵者との合作であろうとの推測です。

となると、聖徳太子が建立したとされる大阪の四天王寺、奈良の法隆寺などはどの様な扱いになるのでしょうか?

クイズ・マニアとしては気になりますが、今では聖徳太子は架空の人物とする書物が多数出版されているのです。

歴史的に日本で最高の偉人とされていた、あの聖徳太子は架空の人物と言われても、今更まともに信じる事は難しい!

最高の人物だから、最高の金額壱萬円札にもなっているのです。それが一般の心情でしょうね。

一般の日本人は、歴史上で日本一の偉人と言えばで,聖徳太子と相場が決まっています。

第一、壱万円札さまを嫌いな人なんて、この世に存在しません。だから聖徳太子が架空の人物などの寝言は聞きたくない!

新年初の裏話は、聖徳太子は歴史上日本最高の偉人である、との再確認を提案した次第です。

 

 

人気スターの宿命

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を振り返って見ると、今年のクイズ問題でも良いと思える設問がありました。

クイズの問題は、常に旬の話題が理想であり、その条件に符合する問題が、30年以上前の第11回で出されていたのです。

風力発電の多数ある事で知られるパームスプリングスで、出された問題でした。

問・♬人は誰もただ一人旅に出て~で始まる「風」。歌っていたのは、どんなグループ?

答・シューベルツ(はしだのりひことシューベルツ)

解説 はしだのりひこさんは、今月2日72歳で亡くなり、彼の偉業が数々紹介され、年末の時の人とも言えます。

「はしだのりひこ...」の画像検索結果

はしださんと言えば、フォーククルセイダーズの「帰って来たヨッパライ」で一躍スターになりました。

この時のメンバーは、はしださんの他、作詞の北山修加藤和彦さんと3人組で記憶に残っている人も多いはず。

この曲はオリコン史上初と言われるミリオンセラーになり、デビューと同時に脚光を浴び、スターになりました。

しかし、ヒット曲の「風」は学生時代のグループ、シューベルツ時代の曲だったのですね。

しかも、作詞が北山修、作曲・はしだのりひこ、だったのでフォーククルセイダーズの曲と思われる方も多いはず。

はしださんは、シューベルツの他、フォーククルセイダーズ等幾つものグループでリーダーとして活動していました。

従って、はしだのりひこと「グループ名」が入れば,  いずれも正解と我々は考えていました。

理由は自分で作ったヒット曲は、当然どのグループでも歌うのでグループ名より、はしださんの印象が強く残ります。

正解のシューベルツも、その典型的な例でしょうね。

当時はグループサンズが大ブームで、数多くの有名グループが活動しましたが、今では懐かしのご対面番組でしか見る機会がありません。

今年も余すところ僅かとなりました。年末になると今年亡くなった著名人のお名前がリストで上がります。

華やかなスターも、何時かは亡くなりファンを淋しい気持ちにします。

年末には、毎年亡くなった皆さんの活躍していた時代の映像を流し、当時を忍ぶ番組が恒例です。

今年亡くなった皆さんのご冥福をお祈りします。                ー合掌ー