クイズ問題の先にある興味

アメリカ横断ウルトラクイズで沢山のクイズ問題を作ってきましたが、クイズ・マニアと呼ばれる方達の中には、問題の答えを聞いただけでは満足できず、更にその先を知ろうという興味が沸いてくる方がいます。

例えば第16回のレイクパウエルで、次のような問題がありました。

・数々の名曲を残したのにも関わらず、共同墓地に埋葬されたというオーストリアの大作曲家と言えば誰?

モーツァルト

・モーツアルト

解説  モーツアルトはベートーベンやブラームス、バッハ、チャイコフスキーなどと並ぶ世界を代表する大作曲家である事は、音楽を知らない人でも小学校で習ったので知っています。

世界的な偉人なのに、その様な偉い人が何故、共同墓地に埋葬されているのだろう、と言った知的好奇心が湧いて来ます。

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記録ラッシュの日本水泳界

アメリカ横断ウルトラクイズの放送されていた時代、スポーツの記録もクイズ問題に沢山採用されていました。

あの時代には、世界記録もそれほど多くは無かったのですが、今では事情も大きく変わっています。

例えば、先日行われた「パンパシフィック水泳選手権」では、日本人選手が多数大活躍し、金メダル・ラッシュになりました。

勿論、世界新記録も量産ですから、これらを記憶するのも一苦労でしょう。

クイズで、スポーツの記録保持者を問題にするのも、そろそろ限界に来ているような昨今です。

ウルトラのあった時代には、ボクシングの世界チャンピオンでも、野球のメジャー選手でも、数が限られていたのでクイズマニアは、それらを暗記していたのでしょうが、今では数が多すぎて、新鮮な問題も作り難い環境になっています。

さて、パンパシフィック、つまり太平洋の面した国の大会という意味で言えば、そもそも「太平洋」という名称は何時生まれたのでしょう。

また、名付け親は誰なのか?

そのような疑問も湧いて来ます。

実は第4回のハワイで出題されていました。

問・

有名な旅行家で、太平洋の名付け親となったのは誰?

Ferdinand_Magellan

答・

マゼラン

解説

中世ヨーロッパでは、限られた土地を離れてインドやアジアへの植民地獲得の動きが盛んになりました。7つの海を征服しようという冒険家も現れ、インド航路を発見したバスコ・ダ・ガマや史上初の世界一周航海を実現したマゼランなどの冒険家が活躍しました。航海で名を挙げたのは前記の2人の他、アメリカ大陸を発見した、コロンブスが有名ですね。15世紀中ごろから17世紀にかけて大航海時代と呼ばれ、ヨーロッパ人が日本へやって来たのもこの時代の事でした。マゼランは1521年に最初の太平洋航海をした時に、「シケ」が多かった大西洋に比べ平穏なこの海を「太平洋」と名付けたと伝えられています。

マゼランの業績は、タヒチ、フェゴ島などで何回もクイズ問題になっていました。

或る種、クイズ問題のレギュラー陣と言えるかもしれません。

世界の偉人ですからね。

 

グァムと泥んこの深い縁

アメリカ横断ウルトラクイズの代名詞にもなっているクイズ形式に、グアムの「泥んこクイズ」がありました。

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これは後日偶然に知った事なのですが、グアムの原住民チャモロ族には、我々の先祖は泥人形だったという伝説があったのです。

それによるとグアム島の南西にフハ湾という静かな入り江があります。

ここに岩がぽっかりと浮かんでいて、その岩の名はフナ岩と呼ばれています。

この岩こそグアムの最初の住人フナの変身した姿だと伝えられているのです。

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ナレーションの大切さ

アメリカ横断ウルトラクイズが人気番組だった要素は沢山ありますが、私が担当した番組構成者の仕事では、ナレーション作りという仕事がありました。

これは番組の流れを説明するもので、目立ち過ぎず、控えめでありながらシッカリと流れを理解させる役目があります。

私達構成者は心地よい言葉の流れとして、七五調で演歌、或は講談のような文脈で文章を書きました。

例えば第9回に決勝の地をニューヨークからパリへ移した事がありました。

Eiffel_Tower,_Paris_25_July_2005

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子孫に伝えたい日本の慣習

アメリカ横断ウルトラクイズでは、様々な分野からクイズ問題を作成していました。

クイズは積み重ねた知識を競い合うゲームですから、知識の中には学校で習ったもの、新聞で読んだもの、雑誌で見たもの、などすべてが含まれます。

中でも親から伝えられた日本の良き習慣、風習、伝説などもクイズ問題に採用されています。

しかし、最近の社会的な出来事を見ていると「一体親は子供にどのような躾をしているのか!」と怒りを覚える様な事件が多発しています。

でも、反面「子供は親の言う事など聞きはしない」といった投げやりな意見もあります。

子供の教育は親の責任、いや、学校でしっかり教育するべきだ、と責任のなすり合いがテレビで論議されたりしています。

もっとも、これは今に始まった事ではなく、何時の時代にも、年寄りは若者達の行動に批判的であり、若者は年長者の意見を「古臭い!」と寄せ付けないのは世の習いだと言われています。

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