上には上がいる

 

メリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、森羅万象の知識を競うという番組でした。

例えば、スポーツの記録などは、オリンピックで金メダルを獲得した人が世界一とハッキリ断定できます。

クイズの答えはこの様に断定出来るのが原則です。

でも、勝負の世界では時代が変わると、対戦出来ないのでどちらが強いかは比較出来ません。

もし、モハメッド・アリとマイク・タイソンが対戦したらどちらが勝った? と言っても想像の世界の話で結論が出ないのが普通ですね。

しかし、時代が異なるスポーツでも、記録で比較できる場合はクイズ問題になることもあります。

第14回のグランドテイトンで、次のような問題が出されていました。

問・あまりに強すぎるため、「鉄砲」「張り手」「かんぬき」の3手を、禁じ手にされていた江戸時代の名大関は誰?

答・雷電為右衛門(らいでんためえもん)

解説 国技である大相撲史上、未曽有の最強力士とされているのが、雷電為右衛門です。

「雷電為右衛門」の画像検索結果

禁じ手と言われるハンデを受けても、35場所中26回優勝の成績を残しています。

生涯の成績は254勝10敗で、彼に勝った力士はそれだけで相撲史に名を遺したという伝説上の力士でした。

大相撲も、近年では日本人の横綱が消えて18年になりますね。

99年にハワイ出身の武蔵丸、その後は朝青龍、白鵬、日馬富士、鶴竜とモンゴル出身力士の独占状態です。

国技だけに、相撲人気は相変らず高いです。日本人力士の横綱誕生が期待されますね。

 

時代の流れは流行語で

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を振り返って見ると、放送された時代の、世の中の動きが見えて来る事があります。

例えば、何時の時代でも流行語と言うものがあり、近年では年末に「流行語大賞」が話題になったりしますね。

今では誰でも知っている常識に近い言葉も、デビュー当時はクイズ問題になっていたりします。

第12回ですから、28年前のフェアバンクスで次のような問題がありました。

問・「自分でやってみよう」という合言葉の「DIY]。正しく英語でいうと?

答 Do it   yourself  (ドゥ イット ユアセルフ)

解説 英語のテスト風で、クイズとしては面白味に欠けますが、流行語の意味を問うという点では有りうる問題でしょう。

素人が専門家に依頼せずに、自分で何かを創ったり、修繕したりする事で、日本では日曜大工の言葉で浸透していました。

それが28年前頃から、DIYの言葉で世の中の流行になったようです。

この言葉の元々の発祥は、第2次大戦後のロンドンでした。

廃墟に立った元軍人たちが「何でも自分でやろう」を合言葉に、街の再建を始めた処から生まれた言葉です。

最近では、この「DIY」が主婦の間で流行し、台所をリフォームするなどテレビの話題で取り上げていました。

「女性のdiyブー...」の画像検索結果

昔々の流行語、「戦後女性と靴下が強くなった」と言われましたが、女性が大工仕事にまで進出するとはお釈迦様でもご存知なかったでしょう。

外国では、女性の大統領や総理が続々誕生しています。

今月末に、東京都知事の選挙が行われますが、初の女性知事が誕生するか目が離せない状況です。

知っているようで知らない旗の話

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、知識の盲点を突いた問題が時々出されていました。

例えば、誰でもが良く知っている国旗の問題がありますね。

日本の日の丸は常識ですが、アメリカ、イギリス、フランスなど、お馴染の国の国旗に関しては意味も成り立ち知っている方も多いようです。

最近の話題で、イギリスがEU離脱を国民投票で決め、国が分断するような騒ぎになっています。

この話題で、国旗の成り立ちが解説されていました。

「イギリス 国旗 ...」の画像検索結果

この、イギリスの国旗はユニオンジャックの愛称で知られていました。

解説によるとイングランド、スコットランド、アイルランドのそれぞれの神様の十字架を組み合わせたものだそうです。

それが、もし分裂するとこの国旗は一体どうなってしまうのか? イギリス人でなくても興味が持たれます。

知っているようで知らない国旗の話が、第9回のアトランティックシティで出されていました。

問・国際連合の旗は何処を中心にした地図?

答・北極

解説 北極を中心にした世界地図とオリーブの葉を組み合わせたデザインです。

国際連合の旗

これは1947年10月に開かれた、第2回国連総会の決議によって制定されたものでした。

国連に旗があったこと自体が盲点だったという人も居るかもしれません。

オリンピックを始めとするスポーツのワールド・カップでは、優勝者の表彰で必ず国旗が掲揚されます。

その度に国旗を記憶する機会があるのですが、その成り立ちや意味に関しては見過ごされてしまいます。

でも、その辺りの情報を細心の興味で見落とさないのがクイズ・マニアと呼ばれる人達です。

知識の蓄積は一朝一夕には行かないのですね。

 

発案者を探せ

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、知って得する珍しい話が時々出題されます。

例えば、現在では世の中の常識になっている事柄や習慣も、実は最初に考えた人が居るかもしれないという疑問です。

旅客船が港を出港する時に5色のテープを投げる習慣が世界的な常識になっていますね。

特に、欧米人が好みそうな派手なパフォーマンスで、ニュースや映画のシーンで良く目にする光景です。

実は、この事始めを調べたところ面白い情報が入ってきました。

第12回のグアムの○×泥んこクイズで、次のような問題になりました。

問・船が出港する時に5色のテープを投げる習慣は、日本人が始めたものである。

答・○

解説 外国の映画やニュースでお馴染みの光景ですが、実は日本人の考案したパフォーマンスだったのです。

1915年にサンフランシスコで万国博覧会が開かれた時の事です。

日本の商社が、包装用の5色のテープを出品したところ大量に売れ残ってしまったそうです。

このピンチをチャンスに変えようと、立ち上がった知恵者がいました。

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当時、日系移民だった森野庄吉さんという人物。船出の別れのテープとして売り出したところ大ヒットしたのだそうです。

派手好みの欧米人にバカ受けして、たちまち世界中の港でこの習慣が大流行したのだそうです。

正に、瓢箪から駒のようなラッキーな実話です。アイディアの勝利と言えるお話ですね。

世界的な習慣も、実は日本人の創作だったという知って得する意外性の高い問題でした。

テロの恐怖は他国の話では済まない

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、時の話題から出題される事が多々ありました。

もしも、現代にあの番組があったとすれば、イスラム国や世界各地で勃発するテロの問題は避けて通れないほど、世界中の話題になっています。

日本でも、テロに関する警備と警戒はおろそかに出来ないほど、身近な話題になっていますね。

第12回のワシントン・DCで、日本のテロに関する問題が出されていました。

問・昭和に入ってから、東京駅で狙撃された総理大臣は?

答・浜口雄幸(はまぐち・おさち)

解説 昭和6年11月14日、時の総理が東京駅で右翼の青年によって狙撃された事件が有りました。

同じ東京駅では、平民宰相の名で親しまれた原敬総理が大正10年11月4日に刺殺されていました。

その他、日本では初代総理の伊藤博文が韓国の青年に暗殺された事件がありましたね。

また、1,936年の2・26事件では高橋是清蔵相ら政府高官が暗殺されています。

昨今のテロ事件は、遠い国の出来事のように思われますが、日本の近代史でもテロで命を失った政治家が多数いた事を忘れる訳にはいきません。

「9・11事件」の画像検索結果

人々は、誰もが平穏な世の中を願いながら、それが実現しないのが現実です。

願いは同じなのに、主義や思想が異なると全く逆の方向に進む、人間とは実に厄介な生き物なのですね。