改めて知る知識の面白さ

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題には、知っているようで意外と知らない知識の盲点を突いた問題がありました。

身の回りの知識を考えると、クイズ問題の定番にお金に関する問題があります。

日本の貨幣の歴史を見れば、和同開珎(わどうかいちん)に始まって、大判、小判の金貨を始め、銀貨、銅貨の3貨制度を経て、紙幣の時代に移行して来ました。

その間に様々な貨幣の単位が登場、その細部がクイズ問題になり易かったですね。

また、紙幣に関しても、肖像画と単位を当てる問題はどのクイズ番組でも定番中の定番と言えるでしょう。

中には、紙幣に描かれた動物を問う問題等、工夫を凝らした問題も時々登場します。

でも、この中にも抜け落ちた盲点は無いものか? という疑問から創られた問題がありました。

第11回のニュージャージの準決勝で、次のような問題が出されています。

問・現在の1万円札は福沢諭吉ですが、お札の人物やデザインを決定するのは誰?

答・大蔵大臣

解説 現在は省庁が再編されていますが、昭和62年の番組放送当時は、大蔵大臣の仕事でした。

更に言えば、現在の1万円札福沢諭吉の人物とデザインを決定したのは、当時の大蔵大臣・竹下登氏でした。

「竹下登」の画像検索結果

彼は後の87年に総理大臣に就任、「ふるさと創生」を掲げ、全国にお金をバラマキ物議を醸しました。

89年には、消費税導入を果たしましたが、リクルート事件に関連し辞任という波乱の道を歩んでいます。

いずれにしても、お金にまみれた総理大臣の印象はぬぐえませんね。

あの、お金に関連の深い竹下元総理が、現在の1万円札の生みの親だった、本日の一言知識のご紹介でした。

世界共通のマーク?

 

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、一般に常識と思われている事象を覆す狙いもありました。

所謂、常識の盲点を突いた問題で、正解を聞いた視聴者が「へー、そうだったの」と新たな知識を得るのが狙いでした。

例えば、世界中の誰でもが知っている赤十字のマーク、これって世界共通なの? との疑問です。

第15回のエルパソで、次のような問題が出題されていました。

問・国際赤十字のマーク。イスラム圏で「十字」の代わりに用いられているのはどんなマーク?

答・三日月(赤新月)

解説 我々が親しんでいる赤十字は、十の字がキリスト教を連想させるとの理由で反対する国もありました。

キリスト教に対立する、イスラム教国では十字の代わりに赤新月のマークを使用しています。

「赤新月」の画像検索結果

また、①戦時傷病者は敵味方の区別なく看護する。②看護にあたる人員、資材、施設は中立として保護する。

など、目的は同じなので国際赤十字赤新月社連盟が設立され、合同の標章を使用している国もあります。

「赤新月」の画像検索結果

世界平和のための赤十字のマーク。これも国によって異なるとの新しい知識、知って得するクイズ問題でした。

元祖、日本のイケメン男は?

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を振り返ると日本の歴史が様々と解ってきます。

昔から日本を代表する美女と言えば、小野小町と相場が決まっていました。

近頃は、美女よりも美男を称して、イケメンという言葉が大流行ですね。

ハンサム、男前、色男など美男を形容する言葉も、時代と共に変化を遂げてきました。

現在ではイケメンが、世の中で大モテの時代になっています。

処で日本を代表する美男と言えば、誰なのでしょう?

昭和の中頃には、当時の人気スター、「鶴田浩二か錦之助、それよりずっと良い男」の流行語も生まれました。

当時の売れっ子噺家、柳亭痴楽師匠の当たりネタで流行語になりました。

勿論、時代によって美男美女の評価は変化するのは当たり前です。

歴史的に日本を代表するいい男を求める問題が、第2回のレイク・タホで出題されていました。

問・日本古来から美女を代表するのは小野小町。では美男の代表とされる歌人は?

答・在原業平

解説 在原業平は平安時代の歌人で六歌仙の一人に数えられる歌人です。

その業平を主人公にした「伊勢物語」は彼の自由奔放な愛の交情を綴った話で、今でいうプレイボーイ物語と言えるでしょう。

「六歌仙、業平」の画像検索結果

即ち、当時のモテモテ男で、それなりに男ぶりも良かったと伝えられています。

時代が違うので、写真や肖像画で較べる事も出来ませんが、彼が日本初の良い男の称号を与えられた訳です。

今年のイケメンNO1は? 年末にはこうしたランキングが出されますが、細分化が進んでいます。

メガネが似合う人、ジーパンが似合う人、それぞれ業界の宣伝材料で、商魂丸出し!なーんて批判もあります。

これって、イケメンに対するひがみ根性ですかね。

 

 

遊び方の変化

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、世の中の変化をクイズ問題にしたものが、結構ありました。

古い出来事や習慣・文化などの知識を測るのは、クイズ問題の常道ですね。

とは言え、正解を聞いた人が「へー、そうなの?」との興味や関心を持たない知識を、探っても面白い番組とはなりません。

みんなが知っていそうで、直ぐには思い出せない、この辺が視聴者を参加させるQ問題のコツだったのです。

昔の子供たちが良く遊んだゲームに関する設問が、第3回のグランド・キャニオンで出題されていました。

問・「竹屋が焼けた」「確かに貸した」など、上から読んでも下から読んでも同じ文を何という?

答・回文

解説 子供たちの遊びは、時代の流行によって変化するのは当然の成り行きです。

昭和の時代には、子供達も外へ出て、身体を使って遊んでいた時代でした。

それよりもズーっと前、物資が不足していた頃には、頭を使って遊んでいた時代もありました。

皆さんのお爺さんお婆さんの時代には、この遊びの体験者も結構いた筈です。

日本の伝統文化、言葉の遊びだったのです。

回文で遊んだのは子供だけではありませんでした。

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大人達も同好の士が集まって、和歌、連歌、俳句などで下から詠んでも、上から詠んでも同じ作品を競った遊びがあったのです。

回文歌、回文連歌、回文俳諧との名称と共に、愛好者の数も結構あったのです。

日本人は昔から頭を使うのが好き、だった人種なのですね。おまけに勤勉だったので、その結果、世界の文明国としての現在があります。

ノーベル賞の授賞者の数を見ても、アジアでは他を抜いて断トツの位置にあります。

外国人観光客が益々増加しているのも、日本への憧れが高まっている証でしょう。

周囲には中国、韓国、北朝鮮と問題を抱える国がある中で、現代こそ日本の出番です。

昔から、頭を使うのが好きな民族ですから、平和国家を世界にアピールする絶好の時代なったようです。

 

機内ペーパーQの重要性

アメリカ横断ウルトクイズの挑戦者が自分の知識量を最も発揮出来るのが、機内ペーパー・テストでした。

歴代のチャンピオンは、ほとんどがこのテストで上位を占めた人達だったのです。

機内テストのクイズ問題は、番組内では数問を簡単に紹介するだけでしたが、実は本当の知識量を計る基礎的問題が多かったのです。

400問を1問に付き、4-5秒の速さで解いていかなければ全問に答える事は出来ません。

この短い時間内に、知識を全開して答える訳ですから過酷なクイズと言えます。

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本日は、その1問をご紹介してみましょう。

第4回の131番目の問題です。

問・次の時代のうち、最も長く続いた時代は?      ①奈良時代  ②平安時代  ③室町時代

答 ②

解説 日本の歴史年表が頭に叩き込んである人には簡単な問題でしょうね。

平安時代は794~1185までの391年で、3者択一の中では一番長い時代でした。

因みに奈良時代は710~784の74年間。室町時代は1338~1573までの235年間。

日本史の時代年表は、中学生時代から嫌というほど勉強してきた科目ですが、試験と共に綺麗サッパリ忘れてしまうのが普通の人でしょう。

でも、記憶力の強い人は「あっ!」という間に思い出して正解。クイズに勝ち抜いていくのですね。

機内のペーパー・テストは、狭い機内の座席で、時間に追われながら解いていかなければなりません。

問題は3者拓一なので、不明の場合は適当に選んで答えても、3分の1は正解出来る確率です。

挑戦者をそんなに虐めて、との批判もありましたが、実はスタッフの方が更に過酷な状況だったのです。

テストの終わった後には採点という作業があります。撮影班以外の全スタッフが総動員で採点します。

その後は、1位から順番に成績表を作らなければなりません。

現在と異なり、パソコンもワープロも存在しない時代ですから、カーボン紙で同じ表を作成し、司会、デレクター、カメラマン、審査員等に配ります。

この様な作業も、同じ機内にいる挑戦者には秘密裏に行わなければなりません。

普通なら会議室で喧々諤々行う作業ですが、それも出来ない状況です。

狭い座席で、ヒソヒソ声で打ち合わせしながら、進行したので漫画的で笑える状況でした。

番組の裏側を紹介する、別番組を作るとすれば、機内のスタッフの動きは、正にハイライトになる場面でした。