アメリカ横断ウルトラクイズの問題は、世の中の基本的な常識を問う設問が多数ありました。
基本的な常識ですから、何十年も前のクイズ問題でも、現代に通じる事が結構あります。
最近はテレビのドラマで、警察官が主役の「刑事ドラマ」が人気で、各系列局で何本かのレギュラー番組が放送されています。
そうした世の中の事情を考慮、先日は警察組織の詳しい内情を紹介するドラマがありました。
警察官の階級、偉いのはどっち? の様な設問から、警視庁と警察庁の違い、など実際の例を挙げながら解説した番組でした。
本庁の捜査一課VS所轄の役割など、ドラマの中で競い合う場面が多く、何故その様な事が起こるのかも良く理解出来ました。
我々の番組でも32年前の第9回、パリの決勝戦で次のような問題が出されていました。
問・警視庁と警察庁、すべて国家公務員なのはどっち?
答・警察庁
答・警察庁は、全ての職員が国家公務員なのです。
対する警視庁の職員は、警視正以下は地方公務員で警視正以上は国家公務員となります。
先ず、採用の試験ですが、国家公務員試験に合格し、警察官を希望するとキャリアとして、警察庁に入ります。
このルートに乗れば、役職は警部補であり、エリート中のエリートで出世街道を走る事になります。
一方、地方公務員試験に受かり、警察官を希望すると各地方の警察署に配属、ノンキャリアと呼ばれます。
所謂、たたき上げの警察官であり、巡査からスタート、試験や功績で順次階段を登らなければなりません。
因みに階級は、巡査、巡査部長、警部補、警部、警視、警視正、警視長、警視監、警視総監の9階級です。
日本全国には28万人の警察官が居り、ピラミッドのトップが警視総監の階級です。
警察は縦社会と呼ばれていますが、警察庁の長官が、全国警察官の頂点であり、絶大な権力を握っています。
とは言え「警察庁」は事件を捜査する事は無く、日本の各都道府県に存在する「地方警察署」を指導、監督するお役所なのですね。
日本の47都道府県には、県警、道警、府警があり、各地の地方公務員の身分です。(警視庁同様、キャリアは国家公務員です)
警視庁は東京都を守る地方警察の一つで、キャリア以外は東京都の職員と考えるべきでしょう。
他の県警も、キャリアが国家公務員、その他は地方公務員の身分です。
それなら、警視庁も「東京都警」と呼ぶべきでしょうが、東京は首都で国会もあり、警護の範囲が広いので、昔から慣例で警視庁と呼ばれているとの事です。
法律の世界では「慣例」が大切! 流石は官僚のお手本ですね。
「刑事ドラマ」を観る上での参考になればと考え、警察組織のクイズ問題をご紹介しました。