憲法について考える

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題には、日本の法律に関する知識も時々出題されていました。

法律の中でも、最も重要なのは、憲法に関する知識でしょうね。

自衛隊は合憲か? はたまた憲法違反か? 永く論じられてきた問題ですが、決着は付きません。

最近は、憲法改正の議論が盛んで、オリンピックの年までに改正する、など国会の動きが連日ニュースになっています。

ウルトラ・クイズでは、憲法の基本的な問題が第7回のボストンで出題されていました。

問・日本国憲法を、公布した時の総理大臣はだれ?

答・吉田茂

解説 5月3日は憲法記念日。毎年、記念日に報じられている基礎的知識は、以下の通りです。

昭和21年11月3日に交付、翌22年5月3日に施行。時の総理大臣は吉田茂です。

彼は終戦の翌年、21年5月に第1次吉田内閣を組織、前後5期7年2カ月にわたり、戦後の復興に貢献しました。

エピソードは豊富で、ワンマン宰相「バカヤロー解散」など数えきれない足跡を残しています。

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戦後の日本を代表する政治家で、89歳で没した際には政治家で「国葬」となった初の人物でした。

さて、戦後の憲法は占領軍マッカーサー元帥の思惑で創られ、米国の「押し付け憲法」と評されていました。

従って、憲法改正の動きは何度となく起こりましたが、国会の承認が難しく、挫折を繰り返しています。

しかし、現在は与党の力が強いので、この機に改正へ突き進もうと躍起になっているようですが、結果は? はてなマークです。

選挙が絡んだ、議員センセイの綱引き!

「手の平音頭」がお得意芸の、議員センセイ、今度はどの方向に踊るのでしょうか?

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さあ、勝つのは右寄りか、左寄りか、勝負の行方は? 日本国民の楽しみの一つ国会劇場」の開幕です。

子供にとって怖い時代です

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を振り返ると、時代の流れが解る事に気が付きます。

時代によって、世の中の風潮が変化するのは、当然の流れですが、それにしても子供を巻き込んだ事件がこれほど増えたのは、近年の特徴と言えるでしょうね。

第16回、今から25年前の「今世紀最後のウルトラクイズ」で、次のような問題がありました。

問・児童・生徒の父母と教師とが協力して、教育効果を高める事を目的とした組織を何という?

答・PTA

解説 PTAは父母と教師が対等の資格で、家庭、学校、地域社会における子供の幸福の増進に協力する団体と定義されています。

父母、教師、団体の英語の頭文字を取って、名付けられたもので、子供にとっては頼りになる団体のはずです。

しかし、最近ではそんな事も言っていられないような事件が多発しています。

教師による、破廉恥な事件が全国で多発しており、極め付きはPTA会長による児童殺人事件でした。

千葉県の松戸市で発生した、ベトナム国籍の9歳の少女殺人事件です。

犯人を捕まえて見れば、何と少女の通う小学校のPTA会長だったのですから、防ぎようがありません。

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子供の誘拐や、悪戯を防ぐために「知らない人に話しかけられても返事をしない」との教育が一般的でした。

でも、PTAの会長は「知らないオジサン」ではありません。従って、こうした「躾」は効果が無くなってしまうでしょう。

また、各地で教職員(T)の犯罪も増えているので、子供達から見て、PもTも頼りになる存在ではなくなりつつあります。

以前は、PTA は子供にとって頼りになる存在でした。クイズの説明文も、そのような組織と解説していました。

でも、現代では通用しないでしょうね。

時代によって、PTAの説明文も変えなければならないようです。さて、何て説明するべきか? 悩ましい!

 

 

 

究極の豪邸拝見!

アメリカ横断ウルトラ・クイズのロケハンは、珍しい場所、滅多に見られない景色など、アメリカの紹介を兼ねて各地を歩きました。

その中で、有名な豪邸も見て回りましたが、桁外れの凄さだったのが一つありました。

残念ながら、この場所でのロケはパスになったものの、ここで創られたクイズ問題があります。

第6回のニューオリンズで出題された問題でした。

問・オーソン・ウエルズの代表作、「市民ケーン」でケーンが経営していたのは、何の会社?

答・新聞社

解説 「市民ケーン」は新聞王として有名なウイリアム・ハーストがモデルの映画史に残る名作です。

オーソン・ウエルズの脚本、監督、主演で、実際の出来事ベースに描かれたもので、メディアの裏側を追及した問題作でした。

現代のトランプ大統領が抱える、メディアとの戦いに共通するものを感じますね。

因みにハーストは、新聞社、ラジオ局、映画会社をはじめ多数の会社を経営。政治家、経営者として常に話題の人物でした。

カリフォルニア州のサンシメオンに動物園付きの大農場を作り、豪華絢爛な城(ハースト・キャッスル)を建設しました。

この城は、ヨーロッパの有名な城を買い集め、部分的に組み立てたもので、悪趣味との評判でもありました。

彼はこの城に、世界の重要な政治家、芸能人などを招待し、映画の試写会を行うのが趣味でした。

チャップリンやクラーク・ゲーブルを招き「風と共に去りぬ」の世界初の試写会が行われたと伝えられます。

この城に招かれてこそ、世界の一流人と認められ、当時の大物が競って順番を待っていた、の伝説も有ります。

そんなハーストも、晩年は妻や子供達と分かれ、この城で1人で暮らしたそうで、現在もその様子が展示されていました。

晩年は孤独な、大権力者の典型的な人物だったのでしょうね。

国の内外に、大権力者は多数いますが、孤独な晩年を迎えないように気を配りましょう。(余計なお世話!)

ロケハンで気に入っても、クイズ形式や許可関係、周囲の宿泊場所など、様々な条件を総合して決定するので、この地もロケの実現はありませんでした。

ロケ候補地の残念な場所として、心に残る裏話でした。

世界平和の理想郷とは?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題には、世界に共通する知識が多数含まれていました。

有史以来、世界では戦いが行われ、反対に常に世界平和を訴える人々がいました。

人間には欲望が有り、出世欲、権力欲、金銭欲など、どこまで行ってもキリが無いようで、それが本能かも知れません。

昔から、最初の欲望を満たすと次の目標に向かう、この様に進むのが人間の歴史でした。

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戦争は良くない事と解っていながら、指導者達は国を拡げる、権力を高める、この欲望を次々と満たして悲惨な戦いを繰り返して来たのです。

これに対し、戦争に反対する人々が憧れていた理想の世界がありました。

そんな平和な世界は、正に理想の世界であり、第5回のテオティワカンで、これを問う問題がありました。

問・イギリスの政治家トーマス・モアの空想小説に出て来る理想の島の名は?

答・ユートピア

解説 平和で理想の世界? と言えば「ユートピア」を連想するのが世界の常識と言えるでしょう。

トーマス・モアの名を知らない人でも、この言葉は理想郷として一人歩きしています。

因みに「ユートピア」の生みの親、トーマス・モアは政治家、法理学者で作家としても実績を残しています。

また、彼の空想小説を読んだ事の無い人でも、ユートピアの言葉だけは理解しているのも面白い現象です。

因みに、ユートピアは「架空の島」で現実には存在しない理想郷です。

この島は人工的に整備され、住民は美しい清潔な衣装を着け、財産を私有せず、共同の倉庫で保管します。

人々は勤労の義務を有し、日頃は農作業で6時間労働をしなければなりません。

空いた時間は、芸術や科学など趣味の時間に充てる。

悠々自適、理想的な世界に見えるものの、逆に個人に自由は無く、全てが管理された世界なのです。

理想郷とは言え、架空の世界なので、こうした空想の物語をユートピア文学と呼ぶ時代がありました。

「ガリバー旅行記」なども、小人の島に流れ着いた物語で、ユートピア文学の代表と称されていたようです。

科学が発達し、コンピューターが人間を支配する空想的な世界も、人間には自由がありません。

理想と現実のギャップ、人間が一番欲しいのは何と言っても、やはり「自由」ですね。

 

主食のルーツを考える

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、知識を競う訳なので、森羅万象幅の広い分野から出されていました。

世界の人口が増えるにつれ、食糧問題は世界各国の重大な関心事になっています。

日本・米国を中心とした環太平洋地域に於ける経済協力TTPにしても、食糧問題が大きな焦点になっています。

各国の食に関する習慣は異なるので、それぞれ言い分が異なるのは当然でしょうね。

日本人でも、主食が米の時代が永かったものの、現代ではパンという家庭も増え、米と粉のバランスが崩れかけています。

言うまでも無く、日本人の主食は米という時代が続いたので、経済は米を中心に組み立てられていました。

と、なるとクイズの知識としても、米に関する歴史を勉強して置く必要がありそうです。

勿論、日本人なので義務教育の中でも、米の歴史は勉強しているはずですよね。

そんな、歴史の勉強のおさらい的な問題がありました。

第8回のグアムで、「時差ボケ調整・暁の奇襲作戦」で出題された問題です。

問・日本で稲作が始められたのは何時代?

答・弥生時代

解説 弥生時代からお米を食べ出した、日本人の基礎的な知識ですが、瞬時に思い出せない知識でもあります。

夜中にグッスリ眠っているのを、突然叩き起こされクイズが出される、奇襲クイズなので仕方がありません。

寝惚けマナコで、ボーッとしている人には難しい設問でしょう。

歴史的には、数千年続いた縄文時代の後、弥生時代になり、人類に大革命が起こりました。

中国大陸や朝鮮半島との往来が始まり、各種の外国文化が入り込んできたのです。

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稲作農耕もこの時代にやって来て、動物や植物を山の中で追い求めていた人々が、平地に定住し、畑を耕す生活になったのです。

弥生式土器を使用し、文明が少しずつ浸透してきた時代で、1,700年~2,000年前の事でした。

現代では、米も改良に改良を重ね、全国にそれぞれ特色のある米が誕生、味を競い合っています。

クイズに勝ちたい方は、小・中学校で習った歴史、社会科などの教科を軽くおさらいをする事をお勧めします。

ふっと、忘れていた様々な場所や人名、事件、などが絡んでクイズの材料が浮かび上がってきます。

一度は知っていた知識を思い出す、その速さを競うのがクイズというゲームの基本です。