業界の専門用語の面白さ

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、普通の人は知らなくても何ら問題の無い知識が、時々登場する事があります。

知らなくても日常生活に支障がない、でも知っていると「物知りだね」と周囲の人が一目置く、との雑学の類ですね。

この種の問題は、特定の専門職の業界用語に多く、知って面白い場合が結構多いのです。

第8回のダコタで、その典型とも言える問題がありました。

問・大工道具で「閻魔(えんま)」と言えば何?

答・くぎ抜き

解説 日本人にとっては「閻魔様」と言えば地獄の大王で、悪人にとっては最も恐ろしい存在です。

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その昔の大工さん達は、どんな理由でそんな名前を付けたのでしょう? これは知っておきたい雑学と言えるでしょう。

我々も、名前の由来が面白かったので、クイズ問題として採用したのです。実は、閻魔様は生前に嘘をついた悪人の舌を抜き取る、との俗説があります。

くぎ抜きも、錆び付いて抜けない釘でも簡単に抜くので、そのように呼んだのだそうです。

昔の職人さんらしい頓智(とんち)の利いた命名ですね。

嘘つきと言えば昨年の事、「日本一の嘘つき」と呼ばれた人がいましたね。財務省の国会答弁で「記録の資料は破棄した」と答えた人です。

森友学園、加計学園問題での追及で、国民の関心が高かったあの時期に、堂々と嘘をつき続けた心臓の強さには敬服します。

その方が、その嘘の巧さを評価され、何と国税庁の長官に大出世したのですから、恐らく閻魔様も仰天なさった事でしょう。

真面目に税金を払っている国民は、長官殿が嘘を平気でつく税務署には、税金を払いたくない気持ちになるのではないでしょうか?

若し、長官殿がこの語源を知ったなら、「くぎ抜き」を見る度に恐れおののく事でしょう。

でも、お役人様で大出世した方ですから、ガチガチの現実主義者で、あの世に地獄があるなどの俗説は信じていないのでしょうね。

本日は語源の面白さを示す、クイズ問題の裏話のご紹介でした。

時代の変遷は面白い。

 

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を振り返ると、時代の流れが良く解り世の中の変化に目をみはるような事があります。

第16回は今から26年前のクイズ問題ですが、キャメロンパークで次のような問題がありました。

問・「自由が丘1号」「今治1号」「難波1号」などの種類があるコンピュータの敵といえば何?

答・コンピュータ・ウイルス

解説 コンピュータの敵がウイルスである事は解りますが、当時はその種類毎に名前が付けられていたのですね。

最近は名前を覚えるまでも無く、ウイルスには気を配り、それぞれが対策を練っているというのが現状でしょう。

現代では、多くの人々がコンピュータを所有し使用しているので、ウイルス対策も行われ、感染を防ぐ事に神経を使っています。

そもそも、ウイルスとの名前が示すように、悪い病原菌のように他人のコンピュータに感染する性質があります。

悪戯目的のウイルスと、犯罪目的で作られたウイルスがあり、共に迷惑千番な存在ですが、犯罪目的は被害が莫大になる危険性があります。

このため、世界的にサイバー犯罪取り締まりの専門家が活躍し、犯罪防止の策を練っていますが、まだまだ数は増えています。

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中にはスパイ映画のように、国家の秘密を覗き見る国も存在すると伝えられ、事実は小説よりも奇なり、の言葉が現実的になっています。

世界中には100万とも1,000万とも言われるコンピュータ・ウイルスが存在して悪事を企んでいるのが現実です。

わずか、30年~40年でコンピュータがこれほど進歩するとは、昔の人には想像も出来ない世の中と言えるでしょう。

古いクイズ問題を振り返ると、世の中の移り変わりが手に取るように見え、これもクイズの楽しみ方の一つかも知れません。

過去のクイズ問題集を眺めると、この様な楽しみが数多くありますよ。クイズ愛好者へのお勧めです。

日本の古い風習を知ろう

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を振り返ると、日本人の常識問題が多数出題されています。

常識と言えば、一般の人々が知っている知識と解釈するべきですが、時には度忘れしたり、瞬間的に思い出せない事もあるでしょう。

そんな知識の隙間を縫って、クイズの問題は作られていました。

第6回のサイパンで、その典型的な問題がありました。

問・神主さんが神前にあげる祈りの言葉を何という?

答・祝詞(のりと)

解説 辞書によれば、神職が神に向かって言上する言葉と説明されています。神職が、とある限り一般の人が神様に祈る場合は祝詞とは言いません。

では、神職が祝詞を挙げている場面を想像してください。普通は初詣で神社を訪れた時、或は節分などで神社を訪れた時に見る機会があります。

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でも、その他の日常生活でも地鎮祭、結婚式、葬場祭、新車のお祓い等、日本人の生活の中には、結構昔から神職が関わっているのですね。

そもそも日本は神様が創った国との、神話の歴史から始まっています。八百万(やおよろず)の神と呼ばれるくらい、昔から多数の神様がいました。

現在では、全国に8万の神社が存在し、小さな村々に至るまで氏神様に守られているというのが日本人の常識です。

但し、信教の自由は憲法で守られているので、どのような宗教を信じようと個人の自由である事は当然です。

世界では宗教の対立で、他国との戦い、中には国内でも争いが続いている国が多数あります。

その点、我が国は八百万の神が守って下されので、永年に亘り平和を維持して来ました。

ウルトラクイズは、クイズ問題の祝詞から始まって平和の意味を考える。こうして眺めると社会的に有意義な番組だったのですね。

これを自己満足と言い、褒められた事ではありませんね。申し訳ない!

語源を辿る面白さ

 

アメリカ横断ウルト・ラクイズの問題を読み返すと、時々面白い知識を思い出す事があります。

第12回のサンフランシスコで、次のような問題が出されていました。

問・本来は「汗をかかせるもの」という意味を持つ編み物は?

答・セーター

解説 この問題は正解を知らなくても、編み物の言葉で、勘を働かせれば正解に辿り着ける問題でした。

そもそも編み物は、有史以来世界の各地で作られていた事は解っています。そして、衣装として身に纏っていたことも事実です。

でも、この衣装をセーターと呼ぶようになったのは、そんなに古い事では無かったのですね。

セーターは英語でsweater,「汗をかく人」を意味します。この言葉が生まれたきっかけが面白いのです。

実は1,891年の事、アメリカのフットボール・チームで汗をかいて減量するために、毛糸で編んだユニホームを採用したのです。

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そこで彼らを「汗をかく人」=セーターと呼ぶようになり、これが転じて着ている編んだユニホームをセーターと呼び、この衣装の名称になったのです。

と、いう事は120~130年の歴史ですが、現在では繊維を編んだ外套をはじめスカーフ、やスカートなど製品も多様化されています。

ファッション業界では、それぞれに洒落た名称が付けられ、各々の道を歩んでいます。

言葉の語源を辿ると、思わぬ場所で誕生し、それがいつしか世界の共通語になって行く、この意外性が面白いですね。

本日の裏話は、セーターの語源から始まった雑学のご紹介でした。

 

原子力発電は何時まで続く?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を現代の視点で眺めると、改めて考えさせられる事があります。

第14回のグランドテイトンで、次のような問題がありました。

問・1,979年3月、重大な事故をおこした原子力発電所がある島は?

答・スリーマイル島

解説 ペンシルベニア州ハリスバーグ市の南東8Kmの洋上に浮かぶ島で、原子力発電所の事故が起きました。

この事故は、世界中の人々の関心を呼びました。と、いうのは?

実は原子力発電所は、1,940年代~50年代にかけて世界各地で開発が始まり、機械の故障や放射能漏れの事故は数多くあったのだそうです。

但し、大きな事故として世界中に知られるような事故としては、スリーマイル島の事故が最初でした。何故でしょう?

実は、この事故は反核をテーマにした映画「チャイナ・シンドローム」の公開から12日後に実際に起きてしまったのです。

映画はジャック・レモンが核の危険性を訴える専門家、それを取材するテレビ局のレポーターがジェーン・フォンダで大ヒットしたのです。

これで、原子力発電所反対の運動は世界中に広がって行きました。

次の大きな事故は1,986年のウクライナで起きたチェルノブイリ原子力発電所事故でした。

日本では2,011年3月の東日本大震災で、東京電力の福島原子力発電所の事故が思い出されます。

いずれにしても、核燃料の汚染水の処理が出来ず、未だに数多くの問題点があり、社会問題は未解決のままです。

最近も、細川・小泉元総理大臣が中心になって原子力発電の絶対反対の運動を始めた事がニュースになりました。

とは言え、日本国政府にはその動きが感じられない、と解説されていました。勿論、野党の皆さんは反核で一致しています。

国民の願いが、政府に届くのは何時の事なのでしょう?

クイズ問題は単なる知識の羅列ではなく、中にはこうした深刻な問題も含まれている、というのが本日の裏話でした。