言葉の妙?

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、語源と名付けられた分類がありました。

語源には、日本古来のもの、外来語など範囲が広いので、中には思わぬ面白いエピソードが隠されたものなどがあります。

そんな中から、記憶に残る傑作な問題をご紹介しましょう。第15回のグアムで行われた「突撃〇✖泥んこクイズ」での問題です。

問・ズボンは、足を「ズボン」と入れるところから、この名が付いた。〇か✖か?

答・✖

解説 一般の日本人がズボンを履くようになったのは、明治時代になってからです。従って、語源は外来語と考えるのが普通ですね。

そこまでは正しく、フランス語でペティコートを表す「ジュボン」が訛って「ズボン」になったようです。

「ジーンズパンツ」の画像検索結果

最近の若者は「パンツ」と呼んでいるようですね。ジーンズパンツ、「ジーパン」からこの呼び名になったという説が有力です。

言葉は時代によって変化する、そうした性格を持っているようで、古い言い回しをすると、「トシだねえ」とからかわれたりします。

その意味で考えると、ズボンもやがて「死語」になる運命かも知れません。まだ20~30年は大丈夫でしょうがね。

本日はクイズ問題から発して「語源の妙」についてのお話でした。

 

漢字は面白い

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には日本語に関する問題が数多く出されていました。

日本語は漢字、平仮名、カタカナなど、文字の種類も多く、世界的にも難しい言語の中に入るようです。

特に難しいのが「漢字」の読み方で、音読み、訓読み、重箱読みなどを正確に使い分けるのは大変です。

「漢字検定」の画像検索結果

従って、毎年「漢字検定試験」が有り、能力によって資格が取得出来ます。一般人でもこの位関心が高いのですが、国会議員の先生は如何でしょう?

日本の政治家センセイでも時々失敗をして、話題になる事がありますね。最近では官房長官が大阪の枚方市を読み間違えてニュースになりました。

又、財務大臣殿も、「未曽有」「思惑」「順風満帆」など中学生の国語の試験に出る様な漢字を間違えて読み、漢字の読めない大臣の印象があります。

さて、難しい日本語の話に戻ります。

普段使い慣れている言葉は、「スッ!」と頭に浮かびますが、反対に日頃使わない言葉は咄嗟に頭に浮かびません。

そんな代表的な言葉の問題が、第5回のサイパンで出されていました。鳥に関する問題です。

問・季節によって棲む場所を変える鳥は渡り鳥。では、一年中同じ場所に棲む鳥は?

答・留鳥(りゅうちょう)

解説 渡り鳥は普段よく使う言葉ですが、留鳥はほとんど使われない表現かもしれません。

キジ、カラス、スズメ、オナガなど、留鳥の数は多いのですが、それだけに注目する事も少なく、使われない日本語の部類に入るでしょう。

ウルトラ・クイズの問題が面白いと評価されていたのは、クイズ作家の皆さんが、こうした常識の盲点を探して作っていたからなのです。

本日の裏話は、日本語は難しい。でも奥が深くて面白い、これが結論です。

 

 

日本初の女医さんは?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を振り返ると、日本の様々な歴史が解ってきます。

そんな中で、私自身が気になる問題を発見したので、本日はこの問題に関して説明したいと思います。

第6回のサイパンで、次のような問題が出されました。

問・シーボルトの娘、オランダおいねは、今でいう何科の先生?

答・産婦人科

解説 ドイツ人医師シーボルトとその愛人其扇(そのぎ)の間に出来た娘がおいねです。

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彼女は父の跡を継いで医学を学び、日本初の産婦人科医になりました。ところが、日本初の女医は荻野吟子と楠本イネと2人の名前があります。

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荻野吟子は、日本初の医師試験に合格した女性である事は良く知られた事実です。それなのに、何故二人の名前があるのでしょう?

実は明治維新の前から、楠本イネは医師として実際に活動していたのですね。勿論、当時は医師の国家試験などは無かった時代なのです。

そうした時代背景が、2人の女医さんの名前が出た理由でした。

処で、私が荻野吟子さんに興味を持ったのには、個人的な理由が有りました。実は、私の住むマンションの目の前には「荻野吟子旧居跡」との看板があるのです。

つまり、明治時代に彼女が開いた病院の跡地に、私は現在住んでいる訳で、興味を持って彼女の履歴を調べて見ました。

彼女は大変な努力家で、多くの苦難を乗り越え、医師試験に合格した立志伝中の人物だったのでした。

その位ですから、朝ドラのモデルにもなったとの噂もありましたが、番組宣伝の為に流されたデマかも知れません。

本日は、クイズの定番「日本初の…」の女医さん版のお話でした。

困った時の神頼み

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は日本人の知っている知識を基本に作られていました。

更に範囲を広げ、世界の知識に関する問題もありました。

クイズは知識を競うゲームですから、幅広く知識を蓄積した人が有利なのは当然ですね。

但し、普通のクイズ番組と異なるのは、知識だけでなく知力・体力・時の運も加味されるため、運も必要なのが特徴でした。

それは兎も角、日本人の知識で知っておきたいのは、昔からの習慣、伝説など暮らしに関する知識でしょう。

第8回のリノで、そんな歴史的な習慣についての典型的な問題が出されていました。

問・京都三大祭りの一つで毎年七月に行われるのは何祭り?

答・祇園(ぎおん)祭り

解説 本祭を7月17~24日まで行う日本を代表するお祭りです。

因みに三大祭りの残る2つは5月の「葵祭り」10月の「時代祭りで、それぞれ日本中から見物客が集まっています。

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祇園祭りは869年に疫病が流行。これを防ぐ目的で「御霊会」を行ったのが始まりと伝えられています。

元々「祭り」は五穀豊穣を祈ったり、或は疫病の流行を防ぐため、神様にお願いをするのが始まりとの説が多いようです。

人間は古来から、困った時には神様にすがりたい、との気持ちがあったようですね。

諺にも「困った時の神頼み」との言葉があるくらいです。

でも、中には頼む時だけは熱心で、「喉元過ぎれば熱さ忘れる」で、後のフォローを忘れてしまう人も結構いるようです。

お世話になったらお礼参りをする、当たり前の行動ですね。でもこれを忘れる人が多いのです。こうした日頃の行いが人間の価値を決めてしまいます。

無責任な奴、と言われないためには、日頃の行いに十分気を配りましょう。

クイズの裏話がいつの間に説教臭くなってしまいました。これって、年寄りの特徴ですかね。反省の毎日ですが……。

年寄りに不満を言わせない世の中。これが理想の世界と言えるでしょう。

 

新幹線は問題の宝庫

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は「旬の出来事」から作られた設問が良い問題として扱われていました。

その視点で振り返って見ると、30年から40年前の問題が、現代でも通用する場合があります。

要は「歴史は繰り返す」で、昔と現代で同じような出来事が起こり、人々の関心が高まっているという事でしょう。

第7回の後楽園球場の第1次予選で、次のような問題が出されていました。

問・新幹線に踏切りはない。〇か✖か?

答・〇

解説 第7回の前の年、昭和57年に東北新幹線が開通しています。従って当時は新幹線は話題の乗り物で旬の話題でした。

それだけに、新幹線の細部に関する情報は恰好のクイズ問題になっていたのですね。

新幹線には、踏切が在るのか無いのかも当然興味の対象です。

因みに新幹線は旧国鉄時代の昭和39年に、東京~大阪間に開通した「東海道新幹線」が最初で、以後JRに引き継がれた後も全国に次々開通しています。

新幹線は時速250㎞を超すスピードなので、踏切は設置せずに高架か、沿線に高い柵を設置するなど人や車両が侵入出来ない構造になっています。

処が、6月14日九州の小倉駅を出発した東京行き「のぞみ176号」のボンネットが割れ、新下関駅に緊急停車しました。

「のぞみ176号事...」の画像検索結果

点検の結果、人体の1部が車輛の下から発見され、沿線には更に人体や衣類が散乱していたとの事故が発生しています。

未だに、事故か自殺か? 謎のままで人々の関心を呼んでいます。

新幹線は、日本の高度成長期のシンボル的な存在で、我が国が世界に誇れる科学技術の象徴とも言えます。

それなのに、新幹線内での無差別殺傷事件、ガソリンをまいての自殺騒ぎなど事件が多発しています。

一方、オリンピックを控え、テロリストのターゲットになり易いとの説もあります。そのため乗客のチェック方法が検討されています。

大人も子供も大好きな夢の新幹線。

本日の裏話は、クイズ問題の宝庫である新幹線を取り上げました。そして何よりも新幹線の安全神話よ永遠なれ!と願いたいものです。