クイズ問題の確認作業

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、正確さの点では100%であり、17年間で誤問題は1問もありませんでした。

何故なら、クイズの正解者だけが先へ進める番組のため、誤答した人が先に進んでいたら番組は成立しません。

番組のルール上、誤った問題があってはならないのです。従って問題の裏取りにはルールがありました。

例えば、答えが人物の場合、生存者は必ず本人の証言でなければダメ、の決まりがありました。

作家や漫画家、芸能人など著名人の場合、事務所や助手の証言は認められません。

このルールで、苦労した最大の問題が2問ありました。その1は現職の総理大臣の問題でした。

海部俊樹総理が誕生したのは平成元年。総理は国会へ出る時は必ず水玉模様のネクタイを締める、との話が有名でした。

これは、各新聞で報じられていたし、世の中の人が承知していた常識でした。

とは言え、新聞記事に出ていたでは正解の証明にはなりません。総理の事務所に連絡しても面会の許可は下りないのです。

困り果てた我々は、日本テレビ政治部の総理番記者を通じて、総理本人の口から証言を取り、問題が採用されたのです。

苦労した問題、その2は第14回の東京ドーム1次予選、2問目の問題でした。

問・自由の女神の誕生日は、1,886年(明治19)10月25日。この同じ日に生まれた日本人は、現在1人も生存していない。〇か×か?

答・×

解説 なんと当時お元気な女性がたった1人だけいたのです。兵庫県西脇市の中埜まささん(104歳)でした。

我々は、クイズ問題に使わせて頂く許可を得て、前日夜まで確認作業をしていました。とは言え本番当日は?の不安が残ります。

当日はドームの会場から、私自身が確認の電話をいれました。

すると「お婆ちゃんは元気過ぎ!朝食も沢山食べてます」と同時に、ご本人の高らかな笑い声が聞こえてきたのです。

これで、問題責任者の私も安心して、2問目の問題として採用する事が出来たのです。

毎回、創られたクイズ問題は1万問以上。17回ですからその数は膨大です。

本日の裏話は、クイズ問題の裏付け調査で記憶に残る2つの問題をご紹介しました。

 

 

クイズ番組が人気の理由は?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題には、日本人の知っているべき古い習慣や伝統を問う問題がありました。

この種の知識は、親から子へと伝えられるのが一般的ですが、近年はそうした伝統も薄れているとの話もあります。

そんな、日本の古い習慣を問う問題が、第13回のゴールド・コーストで出されていました。

問・俗に、人が死んで7日目に渡るといわれる「三途の川」の渡し賃はいくら?

答・6文

解説 現代の若者は「三途の川」「渡し賃・6文」をどの程度理解しているのか? 興味がありますね。

「三途の川」は仏教の教えで、現世とあの世の境目にある川として存在するのだそうです。

この川の「渡し賃は6文」と決められていて、戦国武将、真田家の家紋となっています。

6文とは現代の価値で300円。何故、真田家はこの6文銭を家紋にしたのでしょう?

戦いに臨む時は「いつ命を落としても良いように、6文銭を身に付けて置け」との家訓です。

常に、命がけで戦うべし! 川中島の戦いでも、この家訓が生かされていたのでしょう。

一つのクイズ問題も、その奥を探ると様々な習慣や歴史が解り、知識欲を満足さてくれます。

これがクイズ番組の特徴であり、魅力なのですね。

因みに、現代では6文銭は存在しないので、柩には印刷された紙が入れられているようです。

本日の裏話は、日本の古い風習を再確認するお話でした。

 

 

第1回・ウルトラクイズ復活準備委員会、報告

アメリカ横断ウルトラ・クイズを復活させたい、との目的で準備委員を募ったところ、実に170名の皆さんが応募してくださいました。

昨日、9月22日(土)東京の四ツ谷で第1回目の会議を開催、28名の皆様が参加くださいました。

仙台から車で往復運転して来た方、新幹線で水上から上京、其の後1時間も運転して高山まで帰られる方、本当に有難うございました。

第1回の会議にはゲストで、ウルトラクイズのロケに参加した4名をご招待しました。

日本テレビのディレクターで、ウルトラクイズの総合演出を長年担当した加藤就一氏。チーフ・カメラマンの金子二三夫氏、VEの久米田氏、番組企画の創設メンバーで放送作家の松井尚氏(高校生クイズCAMEYO社長)などロケに参加したメンバーです。

アメリカ本土まで進んだ挑戦者も数人いましたので、久しぶりの対面で昔話にも花が咲きました。

全体的には、番組実現への方法論、資金調達、メディアは? 内容は? 名称は? 等々…。参加者の活発な意見が続出し、熱気あふれる会議になりました。

終了後は、事前に希望者を募っていた中華料理店での懇親会となりました。

希望者26名、全員参加。ゲストの皆様はスケジュールの都合で参加出来ませんでしたが、我々スタッフを加えて30名が飲めや、喋れやで、大盛り上がりでした。

次は番組を実現させ、祝賀パーティーだ! などの声も上がり、愉しい一時でした。

この様子は、後ほどフェースブックでご紹介したいと思います。取り急ぎ、ご報告いたします。

 

法律の盲点?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、法律に関する問題も時々出されていました。

これ等の問題は、日本人として知って欲しい基本的な法律問題でした。

第6回の後楽園球場で行われた、第1次予選で次の問題がありました。

問・日本の法律では、夫婦は同居しなければならない。〇か✖か?

答・〇

解説 現実的には、結婚したのに別居している夫婦もいるので、法律で決められているのはどうかな? と迷った人も居た筈。

しかし、民法752条に「夫婦は同居し、互いに協力し、扶助しなければならない」と定められています。

従って、法律的には同居しなければ違反になります。

但し、例外もあって、夫婦間の合意がある場合は別居も許されるとの条文もあるのです。

夫婦と言えども、個人的には様々な事情を抱えているので、互いに話し合って、合意で解決してくださいとの配慮でしょうね。

近頃は、結婚と言う形式に縛られるのは嫌! との理由で同棲はするけれど飽きたら分かれるとのドライな男女も増えています。

それでいながら子供を造り、シングル・マザーやファーザーも増えているとの傾向もあります。

親の勝手な都合は仕方無いとして、子供の身になればこんな不幸な事はありません。

結婚とは家庭を作る事。出来れば家族を作る、子孫を残す、これが一般的な考え方でした。

でも、古い仕来たりには従いたくない、という若者は何時の時代でも存在します。

話は戻って、子供を作りながら片親で育てるのは、子供の心情を無視した身勝手な振る舞いと言えます。

本日の裏話は、クイズ問題から年寄りの戯言になってしまいました。反省です。

 

総理大臣は誰に?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、その時の「旬」の話題を問う問題が多くありました。

現代で考えると、自民党の総裁選挙が近いので、世の中の人の興味が盛り上がっています。

自民党の総裁は、そのまま日本の総理大臣になる訳ですから、国会議員に限らず、国民全員の注目を集めています。

昔も、今と同じように総理大臣候補に関する注目が集まった時代があり、その時の問題を振り返って見ましょう。

第8回ですから、昭和58年の問題で、グアムの突撃〇×泥んこクイズでの問題です。

問・かつて佐藤内閣の後継者候補で「三角大福」と呼ばれた四人は、その後全員総理大臣になった。〇か✖か?

答・〇

解説 昭和47年田中角栄、49年三木武夫、51年福田赳夫、54年大平正芳の順で総理大臣になっています。

総理就任の時期は異なりますが、それぞれ派閥の領袖で、数の力で頂点を目指すのは自民党の伝統です。

今回の安倍総理VS石破茂議員の一騎打ち、伝統の数の力か? はたまたアッと驚く番狂わせか?

国民の目が離せない、緊迫の瞬間が近付いています。あす9月20日果たして結果はどうなるのでしょう?

本日の裏話は、自民党総裁選の似たような歴史を振り返って見ました。勝つのはどちら?気になりますねえ。