間もなく食欲の秋です

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、タイムリー性を重視して出される事が結構ありました。

雨が多いと思えば、突然猛暑がやって来る。その上、台風が次々発生、世界中が異常気象に襲われました。

そんな今年の8月も、余すところあと一日。ようやく実りの季節がやって来ると思うとホッとした気分ですね。

猛暑で食欲が減退するのは当然の心理。そんな時でも、食欲が湧く食べ物に関する問題をご紹介しましょう。

第7回のデスバレーで出された、次の問題です。

問・日本のめん類で最も細いのは何?

答・そうめん

解説 この問題は二択に近いかも知れませんね。暑い時に食べたい麺類といえば「冷や麦」「そうめん」でしょう。

めん類は太さで名前が変わり、太い順に「うどん」「そば」「冷や麦」に次いで「そうめん」となります。

「うどん」と「そば」は太さに関係なく、形状で区別され、太さで名前が変わるのは「冷や麦」と「そうめん」です。

「冷や麦」1.3mm以上 1.7mm未満。これに対して「そうめん」は1.3mm未満で最も細い麺類なのだそうです。

夏休みの家族旅行で、「流しそうめん」を愉しんだご家族も多かった事でしょう。

そう言えば、暑い時の「冷やしラーメン」も食欲を誘うメニューでしたね。

猛暑の8月も間もなく「おさらば」となると、食欲の秋がやって来ます。とは言え食べ過ぎの肥満にはご注意ですよ。

「猛暑で汗をかき、やっと痩せたのに!」と後悔のないよう、リバウンドには最大の注意が必要ですよ~。

詳しい人ほど不利な問題とは?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、森羅万象の中から創られるので、広い分野の知識のある人が有利です。

文学でも音楽でも、学校の試験では「作品名」「作者」が解れば正解との問題が多いですね。

ウルトラクイズの場合は、それだけで正解になるような易しい問題は殆んどありませんでした。

少なくとも文学の場合は「読んでいれば簡単」。主人公や粗筋は勿論、話の舞台などが解ります。

音楽の場合でも、曲が作られた状態、作曲家の個人情報などの知識が加われば完璧と言えるでしょう。

そんな音楽の問題で、作者と作品名を当てるだけの一見易しそうな問題がありました。

第5回のアカプルコで出された問題です。

問・チャイコフスキーが初めて作ったバレエ曲は何?

答・白鳥の湖

解説 問題は易しそうですが、これに正解するにはクラシック音楽の深い知識が必要です。

第一にチャイコフスキーは、バレー曲の巨匠ですが作った作品は三曲しかありません。

「白鳥の湖」(1,876年)「眠れる森の美女」(1,889年)「くるみ割り人形」(1,892年)の三曲だけです。

特に「白鳥の湖」はポピュラーなので、運を天に任せて答えても正解出来たかも知れません。

しかし、全バレー曲を知っている詳しい人だと、初めて作った曲は何だっけ? と迷いが生じます。

つまり、この問題のミソは、詳しい人ほど迷うという点で採用された意地悪問題だったのです。

クイズ番組で、詳しい人ほど不利になるとは「掟破り」といえますが、我々はそんなヘソ曲がりでもあったのです。

本日は、ウルトラ・クイズのスタッフは、へそ曲がり集団だったという裏話でした。

「えッ! そんな事お見通しだったよ」、ヤッパリねえ。制作する側も視聴者も同類だったという結論ですね。安心しました~。

 

問題のチェックのお話

アメリカ横断ウルトラ・クイズ問題の中でも、知識が無くても運が良ければ5割の確率で正解出来る問題がありました。

番組のキャッチフレーズは、知力、体力、時の運とあるように、運が良ければ正解出来るクイズがありました。

第一次予選の東京ドームやグアムの浜辺で行われる名物の○か×かを選ぶ泥んこクイズです。

その中で、我々スタッフが極度に神経を使った問題をご紹介しましょう。

第8回の後楽園球場、第一次予選で出された次の問題でした。

問・バストの大きい人は、胸のレントゲン写真の写りが悪い。〇か✖か?

答・〇

解説 この問題に関しては、大学病院の放射線科の先生に確認し間違いの無い事を確認しました。

とは言え、お医者さんによっては「そんな事は無い」と異論が出る場合が想定されます。

そこで幾つかの病院の専門家に確認をし、いずれも「間違いない」とのお墨付きをもらったのです。

それでも安心出来ないので、医療機器の会社に連絡し「新型でどんな場も写りが良い新機種が出ていないか」を確認。

「脂肪や筋肉が多いと、x線が吸収され、写真にカゲが出来て見ずらくなるのです」との回答を得ました。

そこで、この問題の採用が決まったのです。それでも問題の責任者だった私は手放しで安心出来ません。

本番当日、東京ドームでこの問題が出された瞬間は、心臓がドキドキで血圧も上がった事でしょう。

この問題で、誤答した挑戦者からのクレームもなく、一次予選は無事に終了したのでした。

○×問題の場合、挑戦者に専門家がいて「自分の理解は異なる」とクレームを付ける事があり得るのです。

従って、学者によって意見が異なるような問題は、問題のチェックが厳しく神経を使っていたのです。

テレビで十七年間続いたクイズ番組で、問題に一問も誤りがなかったのは、チェック担当者の努力の賜物と言えるでしょう。

本日は○×問題のチェックに関する裏話でした。

当時は、日本テレビの看板番組だっただけに、スケールが大きくスタッフの数も膨大でした。

その中で、問題を創りそのチェックをする作業は地味な裏方さんです。

敗者が主役のウルトラクイズ、その裏には問題関連の裏方さん達の存在が有った事を忘れないで下さーい!

気象予報の進化で分かった事は?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本人として知っているべき常識を基本に創られていました。

常識の中でも、難しい、中程度、易しいと三段階に分かれており易しいと言っても、正解率は五割から七割と言ったところです。

また、年長者にとっては殆んど常識であっても、若い人には難しい部類に入る問題もあります。

家族で番組を見ていた場合、「お婆ちゃん凄い!」と息子や孫が驚く問題は、家族の会話を盛んにします。

我々は、この様な効果も計算に入れ、年長者には易しく、若者には難しい問題も時々出題していました。

今年は猛暑と台風の多い年。そこで海に関する昔の常識だった問題を探したところ、丁度ピッタリの問題がありました。

第15回のロサンゼルスで出された問題です。

問・はるか南方にある台風の影響で、夏に日本の海岸を襲う高波を何という?

答・土用波

解説 夏の土用の頃、風もない晴れた日に突然やって来る高い波を土用波と呼んで、海水浴では要注意!とされていました。

これは、遥か彼方の台風の影響で起きるうねりの事なのですね。

現代では、台風の状況は刻々と伝わるので「土用波に気を付けろ」との言葉も死語になりつつあります。

逆に、サーフィンを愉しむ若者にとっては、土用波を歓迎する傾向にあるかも知れませんね。

言葉にはこのように、時代によって理解のされ方が変化する場合があり、クイズ問題の難易度も変わってきます。

本日の裏話は、気象予報の発達によって、人々の気象関係の知識が高まり、問題創りも苦労が多いようです。

処で、台風は発生前から予測が出来、風の強さや雨の量まで観測出来るので、或る程度被害を防ぐ事が可能です。

これに対して、地震は台風ほど正確に予測出来ません。

気象庁が発表する「南海トラフ地震」で想定される震度や津波の高さは、過去に日本人が体験した事がない数字です。

静岡県から宮崎県にかけての一部では、震度七。津波は関東から九州にかけ、広い地域で10mを超えると想定されています。

正に日本沈没の危機ですが、安心してください。

これは千年に一度以上頻度の低い地震の場合、こうした想定もありますよ、との事だそうです。

南海トラフ地震の場合は、これより被害が少ないとはいえ、相当の準備と覚悟が必要との警鐘でしょう。

何れにしても、日本人の怖いもの第1位は「地震」でした。ご先祖様が伝えた教えは間違いないのでしたね~。

 

令和元年だから考えよう

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は日本人として、絶対に知っているべき常識が数多く出されていました。

一口に日本人の常識と言っても、歴史、生活習慣、言語、風習など範囲が広く限定が難しいのは当然です。

中でも、日本国の元首であり象徴といえば「天皇陛下」。皇室に関する知識は、日本人なら当然知っていなければなりません。

特に今年は元号も変わって「令和元年」。天皇陛下は上皇陛下となり、新天皇が誕生しました。

従って、皇室に関する話題も多く、国民の興味も例年になく高まっています。

そこで、皇室に関する問題を調べたところ、第16回のレイクパウエルで、恰好の問題がありました。

問・皇室の御用邸は日本に三か所あるが、須崎、葉山ともう一つはどこ?

答・那須

解説 那須の御用邸は栃木県の広大な森の中に、1,926年に作られました。

広さは662ヘクタール、東京ドーム141個分に相当すると言われます。毎年夏に、陛下のご家族が静養に訪れていますね。

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「豊かな自然を国民が自然と触れ合う場にしてはどうか?」との陛下のお言葉がありました。

そこで在位20年の節目に、広大な森の半分が宮内庁から環境省に移管されたのです。

10年前の事ですが、ニュースとして騒がれる事もなく、知らなかった人が多かったのではないでしょうか。

常に、国民の事を思う上皇陛下御夫妻の優しいお人柄が滲み出たお話ですね。

現在は「那須平成の森」として整備され、「ふれあいの森」「学びの森」などがあり、一般に公開されています。

今年の夏休みに訪れたご家族も多勢いらっしゃることでしょう。

それにしても、今後は「皇位継承問題」「女性天皇制は?」等の難問が山積しています。

日本は世界一歴史の古い天皇制の国。故に重大な問題です。国民が納得する方法で決着して欲しいものです。

学識経験者、政治家の皆さん、知恵を絞って良い結果を出してくださいね。国民はみーんな期待していますよ~。