「ヤマ勘」で勝負もある

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本人の一般常識を基本に創られていました。

一般常識は、日本に限らず世界の常識も知識として記憶するのが、クイズで勝ち抜くためには必要です。

世界の常識でも、難問と言われるクイズは決勝戦に近い場所で出されるのが、我々のパターンでした。

第14回のタヒチで、その難問が出されたのでご紹介しましょう。

問・人間の内的矛盾を追及し続けた、トルストイと並ぶロシアの文豪は?

答・ドストエフスキー

解説 「罪と罰」で有名なドフトエフスキーは、「空想的社会主義」でしたが、政治犯として流刑されて「人道主義」に変更。

 

 

 

 

その様な経歴を知らなくても、ロシアの文豪と言えばトルストイトとドフトエフスキーと言われ、勘でも正解出来る問題でした。

クイズ問題の中には、正しく理解していないまでも「ヤマ勘」で当てる問題も含まれています。

勿論「ヤマ勘」は誤答する危険もあるので、ヤマ勘を繰り返すと脱落する確率も高まりますので、注意が必要なのは当然です。

本日の裏話は、ロシアの文豪の問題から「ヤマ勘」で正解する場合もある、との勝負のコツのお話でした。

「ヤマ勘」という言葉は、当てずっぽうという意味で「いい加減」と同義語です。

「いい加減」は無責任ですから、これを繰り返すと人間的に信用を失う事になります。

そこで結論! クイズでは「ヤマ勘」もありますが、実生活ではその手はいけません。どうも説教臭くなって、ごめんなさ~い。

 

古都も内乱で大被害を受けた

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本人の一般常識を基本に創られていました。

一般常識の中でも、子供でも知っている常識から、高等教育を受けた知識人なら知っている常識まで幅が広いのは当然です。

問題の難解さでは、易しくもなく、逆に難しくもない「中程度」の問題をご紹介しましょう。

第13回のモーリーで出された日本史の問題です。多分、中学か高校の教科書で学習した出来事です。

問・足利氏が政権を握っていた室町幕府が衰退していくきっかけになった事件とは何の乱?

答・応仁の乱

解説 応仁の乱は1,467年に発生し、1,477年まで実に11年間に亘って継続した内乱です。

原因は室町幕府の重鎮である二名の家督争いから、有力大名を巻き込んで東西に分かれ、大乱に発展したのです。

 

 

 

この戦いで、京都の街は焼け野原と化して伝統的な寺院なども多く消失してしまいました。

この復興には長年の年月を要し、現代の美しい街が残された訳ですね。その後も戦国時代を迎え、内乱は各地で発生しています。

でも、伝統的な市街地を焼き払った内乱は「応仁の乱」が最大と言えるでしょう。

東軍、西軍の陣地の後も「西陣織の発生の地」として有名です。でも、現在は西陣の地名は残されていないそうです。

折角知名度が高いのに、区画整理で町名が改まるのはどの市町村でもある事で、惜しい話と言えるでしょう。

本日の裏話は、室町幕府の衰退を招いた「内乱」の問題から京都の甚大な損害を振り返って見ました。

京都は歴史的に天皇の御所が置かれ、長いこと日本の首都と見られていました。

国際的には首都とは「元首」の住む地なので、京都が首都なのは当然ですね。

明治維新で、御所が旧江戸城に移った時点で「江戸」改め「東京」が首都に定まったという事ですね。

その東京も世界大戦では焼け野が原になり、短期間で世界の大都市に生まれ変わりました。

人間の進歩は本当に凄い!これを破戒する戦争は愚行ですね~。

 

 

 

 

懐かしい歌の効用です

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本人の一般常識を基本に創られていました。

一般常識と言うからには、誰でも知っている知識なので、子供からお爺ちゃんお婆ちゃんまでが知っている常識です。

そんな年齢層の幅に関係なく、誰でも正解出来る問題は「易しい問題」と区分けされていて各地で冒頭に出されていました。

第11回のパームスプリングスで、この易しい部類の問題があったのでご紹介しましょう。

問・♬母さんお肩をたたきましょう~で始まる童謡の中で子供が見つけたのは母さんの何?

答・白髪

解説 ♬母さん白髪がありますね。タントンタントンタントントン♬と歌われています。

誰でも子供の頃に歌った経験のある歌ですね。この歌は西條八十・作詞、中山晋平・作曲で1923年に発表されました。

大正12年の事ですから随分昔の事で、歌の寿命としては永いヒット作と言えるでしょう。

 

 

 

 

この歌が全国的な愛唱歌になったのは、戦後を代表する童謡歌手である川田正子さんのお蔭でしょう。

彼女は、戦後の殺伐とした時代に「みかんの花咲く丘」「里の秋」のヒット曲で活躍した実績があります。

その彼女が「肩たたき」のレコードを出し、「紅白歌合戦」でも唄ったために大流行したという経緯があります。

戦後の何もない時代だけに、子供達はこの歌を唄いながら母親の肩をたたいた経験者も多かった事でしょう。

本日の裏話は、童謡の歌詞に関するクイズ問題から、戦後の童謡歌手の話に及びました。

昭和二十年代の戦後の日本は、各地が焼け野原になり大変な時代でした。家はバラック建て、食糧不足、各地に闇市が乱立です。

それが十年毎に進歩し「神武景気」を経て世界の経済大国と呼ばれるまでに発展したのです。

堅実で努力を惜しまない、日本人の真面目さがこの発展を遂げる原動力だったのでしょう。

「歌は世に連れ……」という言葉がありますが、一つの歌で昔の懐かしい時代を思い出す「癒し薬」の役目もあるようですね。

ところで今の日本は平和で高齢化社会です。反対に人口は減少する一方で若者の結婚願望も少ないとか……。

日本の将来を予想すると、五〇年後、百年後は先進国から脱落するかも知れません。

日本には「大和魂」(やまとだましい)という言葉があります。若者の皆さんは、この言葉で我が国を守って欲しいですね~。

 

 

 

常識も年代差で異なるのです

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本人の一般常識を基本に創られていました。

一口に一般常識と言っても、年代によって異なる事もあり、熟年の皆さんなら通じる常識も若者には理解出来ない事もあります。

その逆で、女子高生の常識的な会話は、大人には全く通じないどころか想像すら出来ない内容もありますね。

特に言葉の問題は、漫画や劇画から流行る場合が多く、若者には通じても親や祖父母にはチンプンカンプンで理解不能です。

言葉は同じ日本人でも、年代で異なる事があり、その典型的な例をご紹介しましょう。

第5回のノックスビルで出された問題です。高齢者ならなら常識的ですが、若者の皆さんは解りますかね?

問・俗に居候を権八、出しゃばりの人を長八、遊び人を忘八という。では、少しぼんやりな長男を何という?

答・甚六(総領のじんろく)

解説 漢字の意味は、甚だしく六(はなはだしくろくでもない)という事で、長男は甘やかされて育つので出来た言葉です。

 

 

 

 

この言葉は、江戸時代に自然発生的に出来たもので、モデルになる「総領」「出しゃばり」が居たのでしょうね。

これ等の言葉は、時代は変わって明治、大正、昭和の時代までは十分に通じた常識的な表現だったのです。

日本語に限らず、言葉は親から子へと伝えられながら覚えるので時代によって「死語」となり、消えて行く言葉もあります。

言葉には標準語と各地の方言があり、クイズ問題としてもネタになり易く、数多く出題されたものでした。

本日の裏話は、古い日本語のクイズ問題から年代によって一般常識も大いに異なる実例のお話でした。

現代はテレビ万能の時代で、ヒット・ドラマやお笑い芸人の台詞が流行語になり、毎年流行語大賞が話題になる時代です。

とは言え、流行語の運命も短く「あっ!」という間に忘れられる言葉も多いですね。

中には毎日嫌というほど聞かされている言葉でも、早く忘れたい言葉もありますね。

「不要不急の外出」「パンデミック」「テレワーク」「緊急事態宣言」毎度聞かされるコロナ関連の単語です。

テレビから、この様な言葉が聞こえない日は来るのでしょうか?否、こんな言葉は放送禁止用語にするべきです。

なーんて事を発言すると「過激な奴」と叩かれませんよね~。

ギリシャ神話は面白い

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本人の一般常識を基本に創られていました。

クイズは知識を競うゲームなので、世界の常識も数多く蓄積した方が有利なのは当然の理屈です。

世界の常識は、普通は中程度と難問の問題があり、難問は決勝戦に近い場所で出されるのが我々のパターンでした。

決勝に近いという事は、クイズの強い挑戦者が残っているので正解する確率が高いからです。

第8回のバハマで、世界の難問が出されていたので、ご紹介しましょう。

問・ヤマタのおろちを退治したのは、スサノオノミコト。では、ギリシャ神話で九つの頭を持つ蛇(パンドラ)を退治したのは誰?

答・ヘラクレス

解説 彼ははギリシャ神話の中で、第一の英雄です。神話の中では十の怪物を退治した後、天に上ったと伝えられています。

 

 

 

ギリシャ神話と日本神話の中に、同じような怪物とそれを退治する英雄が登場するのは偶然の一致とは言え面白いですね。

「神話」そのものが神の世界の物語なので、人間の想像力としては同じような思考になるのでしょう。

古代ギリシャは、エジプトと並び世界で最初の文明国だったので、その頃、日本はまだ縄文時代ですから夢のような話ですね。

本日の裏話は、古代ギリシャの神話のクイズ問題から、古代ギリシャの英雄のお話でした。

日本の歴史は、神武天皇を初代天皇と仰ぎ、歴史が始まりその経緯は日本書紀に記されています。

最も文字が中国から伝来したのは、更に何世紀も過ぎているのでギリシャの歴史とは比べ物になりません。

今年はギリシャで始まったオリンピックが、東京で開催されるので「ギリシャ神話」を取り上げたのもタイムリーでした。

しかし、七月にオリンピックは本当に開催出来るのでしょうか?これも「コロナ騒動次第!」。困った奴ですね、コロナめは~。