クイズ問題に対するプレッシャーの凄さ

メリカ横断!ウルトラクイズの最初の盛り上がりは、東京ドームでの○×クイズでしょう。
あの大勢の挑戦者が、運命を託して×のどちらかを選ぶ。
それを決めるまでの迷い、自信と不安、決断、しかし又迷ったり、他人の意見に左右されたり、その辺が視聴者にとっても、なんともワクワクする要素でした。
まり、日頃の知識によってだけでは簡単に正解が導き出せない問題が採用されるわけで、このような問題を創るのは易しいようで、結構難しいのです。
った人間にしてみれば、自分のアイディアでこれだけの人間が迷っていると思うと、体中が快感でしびれ、最高の気分を味わえるのです。
すが、問題制作の責任者であった私には、あの東京ドームほどプレッシャーのかかる日はありませんでした。
何故なら、例え1問と言えども問題に誤りがあれば、番組そのものが成立しなくなるのです。
正解が不正解で、不正解が正解となれば、負けた人達が勝ち組であり、勝った人達が負け組みに逆転するわけですからね。
となれば、その後の進行は形式的に成立しません。
あのマスゲームは、そのように恐ろしい性格を持っていたのです。
ましてや、そんな事が後で判明したら、莫大な費用をかけて作っても放送する事は出来ないでしょうね。
んな事を想像すると、どんなに自信がある問題でも、出題される度に「絶対に大丈夫」と心に確認しながらプレッシャーに押し潰されそうでした。
論、問題のチェックは3重4重に行ないました。
えば
「オッパイの大きな女性はレントゲンの映りが悪い」○か×かという問題がありました。
興味を引く問題ですし、答えが知りたくなります。
因みにこの問題は○が正解でした。
ェックは、まずAという大学の放射線科で確認をとります。
すると担当の医師が、当たり前の事を聞くな、といった調子で「当然そうなります」と答えてくれました。
でも、それで満足してはいけません。
別の調査マンがBという専門医に、そしてまたまた別の人間がCという専門家に確認を取ります。
更に、「新しい機械で、映りに差のない新機種が出ていませんか?」
といったように、角度を変えてチェックを取ります。
それで大丈夫、と確認されてようやく採用となるのです。
に動物、植物に関する問題は、念には念を入れて確認しなければなりません。
というのはAという専門家は肯定しても、別の意見を述べる専門家がいる場合が多いのです。
えば「バナナには種のある種類がある」
という問題がありました。
調べた所、ほとんどの専門家がそんなバナナは聞いたことがないとのことでしたが、或る学者に聞いたところ「ありますよ」とのこと。

一寸忘れましたが、○○という植物は果物では無いが、ババナの仲間で種があります、という返事でした。
このように、専門家の意見が対立するような問題は当然避けなければなりません。
って、実は面白い問題も沢山あったのですが、調査で不採用になったものも相当数にのぼったのです。

「クイズ問題に対するプレッシャーの凄さ」への2件のフィードバック

  1. SECRET: 0
    PASS:
    厳しい指摘を有難うございました。
    第4回の問題は、私の手元に資料が残っておりませんので、お応えできません。
    お許しください。
    実は長門本も道蔦本も、読んでおりませんでしたので、初めて聞く話です。

  2. SECRET: 0
    PASS:
    放送ではカットされましたが、間違えてた○×クイズ(第4回「日本の頭の真上の太陽」問題)ありましたよね。
    道蔦本、長戸本でも暴露されてましたし。

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