アメリカ横断ウルトラクイズの企画会議では、時として無理難題としか思えないような課題が出される事があります。
普通の常識では考えられないアイディアが喜ばれる風潮があり、構成作家に対して、ディレクターがイメージで注文を出す事が多いのです。
そのような中で、
「泥んこクイズで、泥のプールに飛び込んだ人が喜ぶ場面を作りたい」
という、まるで普段の逆のパターンを考えてくれと言うのです。
確かに、視聴者にすれば、泥んこに飛び込んで、喜ぶ姿は奇妙だが、 面白い場面かもしれません。
正に常識を裏切る場面で、「そのような事があっても良いのかなあ」といった考えが一瞬の間、頭を横切ります。
でも、ウルトラ・クイズの視聴者は、泥んこになった人が悔しがる姿が面白い、という人が圧倒的に多いので、「そんなの無理!」と我々構成者は拒否の態度を示しました。
それでも諦めないディレクターが、執念深く会議の度に同じ注文を出すので、我々も考えました。
通常のクイズでは無理だが、若しかして、敗者復活なら許されるかもしれない、と妥協案を出したのです。
ご存知のように、ウルトラ・クイズのグアム名物になった○×泥んこクイズは、正解者、誤答者が何人になるのか予想が付きません。
しかし、次のチェック・ポイントに進める人数は最初から決められていて、その数になるまで現場で調整のクイズが行われているのです。
この模様は編集でカットされる事もありましたが、敗者復活戦という形で放送される事も度々ありました。
だから、その中で試しにやってみようという案で納得させたのです。
それは第13回のグアムで実現しました。
機内400問ペーパー・クイズに挑戦したのはジャンケンに勝った人と敗者復活した55名。
その内15名がグアムの地を踏む事も無く即日帰国の運命になっていました。
だから、○×泥んこクイズに挑戦したのは40名の皆さんでした。
このうち、グアムを通過して次に進めるのは25人です。
予定では15人が、泥んこになれば計算通りなのですが、実際は18人が泥まみれになってしまったのです。
そこで、敗者復活戦で3人を救う事になり、ディレクターが希望する「敗者復活、逆泥んこクイズ」が実現したのでした。
仕掛けは次のような進行になりました。
最初に負けて、泥まみれになった人間が、○×のパネルに飛び込み、正解すると泥沼にドボーン!
逆にマットに救われた人が不正解でアウトという結果です。
このため、泥に飛び込んだ人間が飛び上がって喜び、逆にマットで救われた人間が涙を流して悔しがる、そのような奇妙な場面が実現しました。
人間の自然の心情に逆らった形式で、言い出しっぺのディレクターは満足していましたが、今考えてもこの人って、単なる「ひねくれ者」でしょ。
でも、我がウルトラ・クイズのスタッフって、そのような人が多かったのです。
私も含めてですがね。
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>マル51さん
いつもながら、細かい分析を有難うございます。忘れてしまった事も多く、すべてにお答え出来ないのが残念です。
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恒例を覆すという意味でいえば、
11回のハワイでは、マラソンQが罰ゲームに使われたり、
14回のソルトレイクでは、列車タイムショックで敗者枠が定員オーバーになった為、敗者決定戦でバラマキQを行ったことも、そういう意図でやっていたのですか?
やりたかったなぁと思った挑戦者もいたのでは…。
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>マル51さん
腕組みの原因は、きちんと礼儀の解った演出家がいないからです。そのような社会的な常識が欠如している人間が、番組を作ってはいけませんよね。
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>お役にたてれば…さん
第10回でナイアガラまで進んだOさんとオーランドまで進んだMさんは、次の
第11回でも映っていましたね。Mさんは敗者が成田から飛び立つ前、徳光さんが
「俺達が勝者だ!もう貰ったような物だ!」と叫んでいた時に。そしてOさんは
小牧のパチンコ店「ニューヨーク」での敗者復活戦終了の時に、一瞬ですが映って
いましたね。第10回に続いて第一次予選を突破していた事に、驚いた記憶があります。
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ありがとうございます。「クイズ王の本」インターネット版を見て確認しました。第10回で
抱いていた疑問がようやく解決して、ほっとした気持ちです。この「クイズ王の本」の中にある
「スタッフが語る、ウルトラクイズ秘話」の項目は、当ブログ内にも書かれている内容が結構
あって驚きました。25年以上も前に、すでに舞台裏を暴露していたんですね。文章を読む
限り、この「ウルトラクイズ秘話」を話したのはtsutomuさんなのでは?と思ってしまいました。
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>tsutomuさん
クイズに限らず、今の一般参加番組って、何故、出場者全員が「腕組み」している演出ばかりなんでしょうか?
全く無いとは言えないけれども、ウルトラでは、こんなワンパターンを挑戦者にさせたりする事は、ほとんど見かけなかったです。
こんな、エラそうな「腕組み」だらけばかり見せられても、対戦相手じゃなく視聴者に挑発しているのか?と思ってしまいます。
これが、今のひねくれ者のいない、横並びの現状なのでしょうか?
しかし、ひねくれ過ぎても、すぐにクレームが殺到するのが、今の世の中なんですよね。
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>HIDEさん
確かに勝っても負けても泥んこはインパクトがありました。
人が泥まみれになるのは面白い、人間はみんな意地悪なのかもしれませんね。
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>マル51さん
人数の帳尻合わせは、こうした番組では当たり前の作業です。その方法を番組で露出する、しないは、中身の面白さによってです。
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>まささん
ウルトラ・クイズを良くご理解頂き、有難いことです。確かに今あるクイズ番組は、我々が避けていた事ばかりのオンパレードですね。
へそ曲がりが居ないのですよ。
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こんばんは。
第13回の逆ドロンコは敗者復活だから成せた形式ですね。
翌年の台風直撃の変則ドロンコは最初からドロンコで勝ち抜けでしたけど(笑)。
これほどまで見た目のインパクトがあるクイズは後にも先にもドロンコしかないですね。
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ひねくれてなければ、ウルトラクイズ事態が生まれませんよ(^-^)
ジャンケン、機内のペーパークイズ、ダイビングクイズ、そっくりさんなどが登場した、ゲストクイズ、バラマキ、神経衰弱、大声、マラソン、通せんぼクイズ・・・
常識を外したクイズはウルトラクイズの名物ばかりですよ(^-^)
なかなか勝ち抜けできず、悪戦苦闘する挑戦者を応援し、大人になったら自分もウルトラに挑戦して、ニューヨークまで行ってみようと思ったんです。
最近のクイズ番組は、参考書を暗記すれば勝つことが出来たり、不正解を楽しむような番組がばかりで、回答者を応援したくなる番組がほとんどなくなってる気がします。
ウルトラみたいにとはいわなくとも、挑戦者を応援したくなる番組が復活して欲しいな
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やっぱり、泥んこQは、敗者復活(またはサドンデス)の放送あるなし関わらず、定員通りに決まらないですよね? 実際、ピッタリ決まったのが放送上14回だけですから。(ドームでも7問で100名ピッタリ決まった。)
放送のなかった所では、10回が定員割れで2名復活、12回が逆に定員オーバーで3名が勝者から敗者へ、つまり泥んこに落とされることに。そして、記事にある13回も、泥んこQで定員割れ→逆泥んこQで定員オーバーなので、○×の札上げで3名の復活を決めた。
知っている範囲はこんなもんですかね? 他の回がどうだったのだろうか? もしかして敗者復活廃止したはずの15回も、実は名義を変えてやっていたのかも…。
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>hmzkさん
手がかりはないかと探してみました。第10回グァムの勝ち抜け人数は28名でしたが、
泥んこクイズでの勝者は26名。敗者復活の2名は「札上げ○×クイズ」で決まったそう
です。1人はご指摘の通り第10回の優勝者・Mさん、もう1人はナイアガラまで進んだ
Oさんだそうです。1987年に日本テレビから発行された「クイズ王の本」の中で、
Mさんがコメントされています。第2回の優勝者・Kさんのホームページ内にある
「クイズ王の本」インターネット版からも、その文章を読むことができますよ。
http://www.kitagawa.tv/quiz/quizou/quizou00.htm
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ひねくれてなければ、ウルトラクイズ事態が生まれませんよ
ジャンケン、機内ペーパークイズ、ドロンコ、そっくりさんが登場するゲストクイズ、バラマキ、双子神経衰弱、大声、マラソンクイズ、通せんぼクイズ・・
ウルトラ名物ばかりですよ(^-^)
我々視聴者は、ひねくれた形式のオンパレードに悪戦苦闘する挑戦者を応援し、大人になったら、ウルトラに挑戦して、アメリカに行ってみようと思ったんです。
最近のクイズ番組は、参考書を暗記すれば勝てるものや、忘れかけた知識を問い、外したら司会者にバカにされるのが多く、回答者を応援したくなる番組がほとんどなくなってる気がします。
ウルトラの様に、挑戦者を応援したくなる番組が出来ることを願うこの頃です。
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>月舟さん
ひねくれ者は一般社会では嫌われますが、業界によっては重宝される事もあるようです。
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>しぃくんさん
記憶力がすごいですね。
泥んこで復活して活躍した人は結構沢山いたように記憶しています。
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>hmzkさん
視聴者の皆さんに、そのような疑問を残す編集は、番組としてまずいですね。その時の敗者復活がどの様な形式だったか、忘れてしまいました。ゴメンなさい。
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>ういんちゃんさん
ご指摘のような事は起こるかもしれません。だから、当然その様な準備はなされていたはずです。というか、ある枚数は事前に用意しておき、無印のパネルに現場で補足して帳尻を合わせていたと思います。
プロの集団ですから、その辺は抜かりは無かったのです。
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第7回の成田でも機械にジャンケンで『負けた方が勝ち』に選択されるというのがありましたね。
あれもジャンケンには勝っているのに勝負に負けてどんな顔したらいいのか…って表情が笑えて、とてもよかったですね。
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毎回ブログを楽しみに拝見させていただいています。
13回の逆どろんこクイズは覚えてます!
その回でクイズ王になる長戸さんはこの逆どろんこクイズで敗者復活されたんですよね(笑)
確か11回クイズ王の稲川さんもこの回ではグァムまでのこりましたよね
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「この模様は編集でカットされる事もありましたが」とありますが、その中で一番気になったのが
第10回のグァムです。万歳三唱のあと留さんが「海に入って頭でも冷やしてこい」というまでの
場面に映っていた敗者のMさんが翌週放送のハワイに出ていて、その後激戦を勝ち抜き優勝したの
です。つまりグァムの敗者復活戦で生き残りハワイに進めたのだな、ということはわかりましたが、
放送ではカットされた第10回グァムの敗者復活戦はどんな形式だったのか…すごく気になります。
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tsutomuさん
いつも楽しくブログ拝見しております。
ご質問なんですが、名物「どろんこクイズ」では、正解だと思う「○」「×」のパネルを挑戦者が突き破る仕組みですが、仮に、挑戦者40名全員が「○」と解答する場合も想定できますよね?
となれば、「○」のパネルを40枚用意しないといけない、さらに「×」の分も40枚用意しないといけない思うのですが、かなり膨大な量だったと思うのですが、如何でしょうか?
あの巨大なパネルはホームセンターでも売っているので、ふと思い出します。