アメリカ横断ウルトラ・クイズのクイズ問題を作るクイズ作家の皆さんに良く注文していた事があります。
それは日本に古くから伝わる習慣、言葉、食べ物など、日本の伝統的な事柄から問題を考えて欲しい、という事でした。
つまり、日本人なら当然知っていて欲しい常識問題が、欲しかったのです。
昔の日本人は、子供の頃に両親やお爺ちゃん、お婆ちゃんにいろんな話を聞かされ、一般常識を身に付けていました。
しかし、戦後の何時の頃からか、常識は学校の先生に任せて、家庭での教育がおろそかになるような傾向がありました。
その結果、非常識な人間が増え、社会問題になるような事が多くなり、マスコミはその都度、学校や教育制度を批判したりして片付ようとしていました。
別に、社会批判をする訳では有りませんが、我々は日本人なら最低知っていて欲しい常識をクイズ問題として取り上げたかったのです。
この種の問題は、家族でテレビを見ていると、お爺ちゃんやお婆ちゃんが、積極的に参加出来るし、「お婆ちゃんすごいね」と、若い者にお年寄りを見直させるきっかけになります。
ウルトラクイズの視聴者対象は、老若男女全てですから、家族全員が参加出来る問題を作る必要があったのです。
例えば第14回の問題から、幾つか選んでご紹介しましょう。
問・諺の問題。「情けは人の為ならず」。ではこの情けは誰のため?
答・自分
解説
この問題は、誤解されて解釈される代表的な諺となっています。情けをかけると、その人のためにならないと新解釈が正しいと思っている人が多いのだそうです。しかし、本来の諺は、かけた情けが巡り巡って自分に戻って来るという意味で、日本人なら正しい解釈を知るべきでしょう。
また、同じ14回にこのような問題が有りました。
問・スルメは「スル」というのを嫌って「アタリメ」と言いますが、同じ発想から「有の実」と呼ばれる果物は?
答・梨
解説
梨は「無し」に通ずるというので嫌われました。「有の実」という表現の起源は古く、平安時代の女房言葉にも出てくるのだそうです。日本人に古くから伝わった知恵ですね。
こうした知識こそ、本来のクイズ問題に相応しいと考え、作家の皆さんに注文していました。
しかし、常識問題は知っている人には「易し過ぎる」という反発もあります。その結果、クイズ問題会議で「没」という非情な罵声を浴びる事もあり、採用されるまでが狭き門だったのも事実でした。
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>まんねん♂さん
確かに総元締めが問題なのは間違いないでしょう。しかし、作家はそれを変えさせる努力をしないといけないのでは?
私はその様に生きてきました。
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>tsutomuさん
生意気言いますが、そこは本当に作り手に関わる人達の気持ち一つじゃないでしょうか。
最近のクイズ番組はもう一つ「奥」の、専門的な知識に近いものを求められてしまっているかのような錯覚を覚えます。
もちろんこれは作家のみなさん云々ではなく、もっと総元の次元の問題なのかもしれません。
数字の即効を求める現在では、非常に厳しいんでしょうね。
寂しいですが…。
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>まんねん♂さん
家族がそれぞれ得意分野を持ちながらクイズ番組を楽しむ姿、実に日本の平和な家庭が想像できますね。これからもその様なテレビ番組が出来ると良いのですが、難しい夢でしょうか?
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>城明日華@TeNYさん
初耳が多いのは若い証拠でしょう。羨ましいです。
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>月舟さん
家族みんなで楽しめるのがテレビの原点でしょうね。我々はクイズ問題も原点に立ち返って作る努力をしたので、多くの方に愛された番組になったと思っています。
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この手の問題はウルトラでは登場してますが、もう答えづらくなってしまってるのかなー?
検索して覚える断片的な知識よりも実際に見たり読んだり、体験して得た知識だと答える時には嬉しいと思います。
この手のドーム予選で思い出すのが
【みかんを激しく揉むと甘くなる○?×?】
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他には「気のおけない間柄」なんてのもありますよね。
元々は「余計な気を使わない相手=特に仲のいい友人」という意味なのが「気を置くことができない=油断ならない人」という解釈になったりしているようです。
昔からある言葉の意味を知るのも、ウルトラでの面白みの1つでしたね。
テレビで見ていて父親は野球に関する事、言葉の問題は母親が強く、当時は子供心に「やっぱり大人は凄い」と思うものでした。
もし現在もウルトラがあったら…今の子供達が同じような目を向けてくれるのか…?
…なんて事は考えないようにしてますけどね(笑)
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初耳
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ウルトラでこのような問題が出題されていたのは承知していましたが、クイズの問題というより広い視聴者の年代層への配慮だったのですね。さすが!
第何回かは忘れてしまいましたが、高校生クイズの準決勝という有名進学校同士が鎬を削るという段階なのに、ことわざや言い回しの問題が全く解答できないことに驚いてしまったことがあります。
世代的なこともあると思いますが、私にとってこのテの問題は日常的に聞いたことがあったりして知っていることが多いのですが、今の子はそれこそクイズの勉強として覚えないと知ることがないようですね。