アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は日本人の常識の範囲で造られていました。
常識は、時代の変化によって変わるもので、現代の常識は10年後20年後になると全く通じなくなる事があるかも知れません。
その様な典型的な問題が、第14回のグランドテイトンで出されていました。
問・ラジオCMが六月から解禁になり、来年一月にはテレビのスポットCMも解禁になる、おかたい業界は?
答・銀行
解説 当時はスポットCMだけで、番組提供の広告は行わないものとし、実施後、状況を見て見直しを行うとの事でした。
今から三十二年前のクイズ問題で、その頃は景気が良かったのかテレビやラジオのCM で宣伝したい企業が多かったのです。
また、メディアの側も強気で企業の質を厳選し、問題の起こりそうな業種のCMは幾らお金を積んでも了承しませんでした。
具体的に挙げるなら、健康食品、美容整形のように結果が明瞭に判断出来ない業種のCMは不可能に近かったのです。
処が、現代のテレビのコマーシャルを思い起こしてください。健康食品のオンパレードといっても過言ではありません。
朝のワイドショーから、夜中の深夜番組まで、大小健康食品メーカーの通販のCMで溢れています。
昔は、お堅い職業の銀行でさえCMを流せなかったのですから、クレジット会社など無理なのは当然でした。
しかし、令和の現代では「各種のカード会社」のCMも上位にランクされるほど目立つ存在ですね。
メディアは国の認可事業ですから、細かな規則の上に成り立っていて、思い付きで勝手な事は出来ません。
更に、放送倫理番組向上機構(BPO)との組織がNHKと民放連の加盟各社によって組織、不当な発言や番組を監視しています。
従って、番組の制作者は好き勝手に番組を造る事は出来ません。一部のお笑い芸人が、勝手に遊んでいるような番組もあります。
しかし、収録時は兎も角、編集でカットするので、放送上の問題は起こらないように気を配っているのです。
昔のように思い切った番組が無いのは、こうした事情があるからなのです。
その点、ウルトラ・クイズの名物「罰ゲーム」などは現代では絶対に許されないでしょうね。
テレビ番組が、自由に面白かった時代が懐かしいです。
本日の裏話は、メディアのCM事情に付いてのクイズ問題から、古き良き時代の番組を懐かしく思い出す話になってしまいました。
最近は「コロナ騒動」で、昔の番組が再放送されています。この際、良い時代の番組をじっくりと楽しみましょう。