アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本人の一般常識を基本に創られていました。
日本の歴史、文化、社会生活、風俗習慣があるように、世界の森羅万象には同じような分野が存在します。
クイズは、知識を競うゲームなので日本の一般常識と同じように世界の一般常識も記憶しなければ勝ち抜いて行けません。
そのために挑戦者は様々な知識を吸収して、この番組に挑戦して来ました。
中でも、番組史上強烈なクイズバトルが行われたのは第13回のボルチモアの準決勝でした。
我々は、クイズの中でも超難問と思われる問題を出していたのですが、四名の挑戦者は競って早押しボタンを押したのです。
その問題とは次のクイズでした。
問・名作「フランダースの犬」で、主人公のネルロが最後に見たのは誰の絵?
答・ルーベンス
解説 この問題は本をシッカリと読んでいれば正解出来るでしょう。でも、筋書きに目を通した程度では正解出来ません。
ネルロは、ルーベンスのような画家になる事を夢に描いて生きていた少年だったのです。
という事は、準決勝の四名は全員名作を読んでおり、記憶していた証拠と言えるでしょう。
因みに、画家のルーベンスという人はどのような人物だったのかご紹介しましょう。
ピーテル・パウル・ルーベンスはベルギー国籍で1,577年に現在のドイツで誕生しています。
若い頃から画家になる事を夢見ていました。修行を兼ねてイタリアへ渡り、古代、近代の巨匠の作品に接し影響を受けました。
イタリアで数々の作品を発表、その活躍に対し政府は外交官に任命したのです。
やがて、スペイン王室への贈答品を届ける外交官としての役を勤め、この地で王室の収集した膨大な名画に接します。
イタリアへ帰国後は、名画の影響を受けながら数々の作品を世に送り出します。
彼の作品は、ヨーロッパの貴族階級や収集家に高く評価され世界の画壇に認められたのです。
彼は画家の他、七ヵ国語を話す外交官、人文主義学者としても有名になりました。
世界には数多くの偉人がいますが、中でもルーベンスはスーパー偉人と呼ぶに相応しい人物と言えるでしょう。
彼は、母国のベルギーで62歳で生涯を閉じています。
本日の裏話は、第13回の準決勝で出題された超難問クイズから、あまり知られていないルーベンス物語でした。
この様な事実が解る「ウルトラクイズ」って楽しい番組でした。自慢高慢馬鹿の内、知っているけれど書いてしまったので~す。