アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本人の一般常識を基本に創られていました。
一口に一般常識と表現しますが、その幅は広く歴史、経済、社会習慣など広範囲に広がります。
映画、演劇、文学なども含め知識の量は膨大になるので、知識人或はインテリと呼ばれる人が含まれます。
そんな知識の豊富な人はクイズに勝ち残り、毎回決勝戦に近くなると難解な問題が多数出題されます。
第11回のニューヨーク決勝戦の問題を見て見ましょう。世界の演劇、日本の文学を併せ持った問題が出されていました。
問・喜劇「十二夜」を書いたのはシェークスピア。では「十三夜」を書いた明治の女流作家は誰?
答・樋口一葉
解説 樋口一葉(1,872~1,896)は、東京で生まれた明治時代を代表する女流作家です。
「たけくらべ」「にごりえ」等の秀作を発表し、文壇から絶賛されました。
わずか一年半でこれらの作品を世に送り出した後、わずか二四歳六ヵ月で肺結核のため世を去ってしまったのです。
昔から肺結核は「不治の病」と評された恐ろしい病気で、生まれた時代が早過ぎた「運命」としか言えません。
もし、現代に生まれていたならば、まだまだ多くの素晴らしい作品を書けたであろうと想像出来ますね。
「十三夜」は「にごりえ」「たけくらべ」と並んで一葉三部作の一つとして知られています。
処で、現代は長寿社会で長生きする人が多くなりました。八十歳はまだはなたれ小僧、九十歳、百歳で元気なお年寄りもいます。
昔は「美人薄命」、長生きは「憎まれっ子世にはばかる」との言葉があり惜しまれる人は短命、逆に長生きは憎まれ役でした。
でも、現代は長寿社会です。長生きが憎まれ役だと日本中、そんな人が溢れてしまいます。
という事は「憎まれっ子世にはばかる」は、日本語の中で「死語」にした方が良いようです。
本日の裏話は、近代日初の女流作家のクイズ問題から、短命と長寿社会の話に発展してしまいました。
結論として、長寿社会はこれからも続きます。問題はどのような生き方をしたか? 胸に手を当て考えましょう。
善人だったのか? 否・悪人だったのか? 自己採点が必要かも知れません。「えっ、気が付くのが遅すぎたトホホ……」。