アメリカ横断ウルトラクイズのクイズ問題を読み返して見ると、中には面白いエピソードが含まれている事があります。
例えば第1回のハワイで次のような問題がありました。
問・
「秋田音頭」に謳われているハタハタの卵を何という?
答・
ぶりこ
解説
今では世の中グルメブームで、ハタハタの卵が「ぶりこ」というのは常識に近い知識ですが、35年前の当時は難問の一つと言えたと思います。
しかも、面白いのは、何故この様な名前が付いたのか、語源を調べて見ると、「なるほどねえ」というお話が隠されていました。
語源には諸説ありますが…。
①江戸時代、水戸から秋田に国替えをして移って来た藩主の佐竹候が、鰤の代用にハタハタを食し、卵を「ぶりこ」と呼んで自らを慰めたのでこの名が付いたという説があります。
②同じように藩主の佐竹候がハタハタの乱獲を防ぎ、保護のために禁漁にしたところ、猟師達はそれを守らずに卵だけを取り出して売っていたそうです。役人にそれを咎められると「鰤の卵だよ」と偽って「ぶりこ」と呼ぶようになった。
③噛んだ時に「ぶりっ」と音がするので、そのような名前が付いた。
語源というものの性質上、諸説あるのは一般的ですが、それにしても魚の卵の語源で、この様に幾つも説が出て来るのは、「ぶりこ」にそれだけ価値が有るからなのかもしれません。
食通にとっては忘れられない秋田名物のハタハタにぶりこ。
これからの季節には一杯やりながら、この様な薀蓄を垂れるのも良いですねえ。