アメリカ横断ウルトラクイズのクイズ問題を作ってくれたクイズ作家に、私はクイズの作り方を良く説明していました。
その中で、毎年決まって話すのは、面白い問題の作り方でした。
一口に面白い問題と言っても、書物の中に面白い問題はそうそう転がっている訳では有りません。
一番手早く面白い問題を作るのは、自分が普段感じている事柄の中から、答えを調べる方法でしょうね。
例えば我々は寒い冬に良く「霜焼け」になるけれど、寒い地方に棲んでいる動物はどうなのだろう? という疑問を持った人がいました。
それが「南極に棲むペンギンもシモヤケになる」 ○か×か というウルトラクイズ問題史上に残るような名作を作ったのです。
街を歩いている時でも、建物や看板、商店などの中にも、
「クイズのヒントが転がっているのだ」
という話をした翌週に出来上がった問題がありました。
それは第11回のデビルスタワーで出題されました。
問・
浅草・赤坂・青山。ローマ字で書くと、逆から読んでも同じ読みになるのは?
解説
この様な問題は机に座って考えても思いつくようなものではありません。たまたま作者が地下鉄に乗っていた時に、電車の中から駅の看板を見ていたのでしょう。
多分、暇なのでローマ字で書かれた文字を左から読んで見たのでしょう。
まだ、暇なので、次に右から読んで、どちらも同じ「赤坂」と読めたのでびっくり仰天した筈です。
後は地下鉄「銀座線」にある、同様の駅名を並べて、クイズ問題に仕上げた努力の跡がうかがえます。
因みに並べて見るとハッキリと証明できますね。
Asakusa Akasaka Aoyama
クイズを作る仕事は、日常の生活も油断なく周囲に注意を向ける、そのような心構えで生活していた時代が懐かしく思い出されます。
これも楽しみながら生活すると、やがて習慣となり結構 楽しい発見 に出会えるのでした。
この問題が、バラマキの死闘に決着をつける運命となるとは、作成者もそこまで重要になるとは思いもよらなかったでしょうね!
他に街で見かけるモノでは、最新のニュースで取り上げられたマンホール、丸い形なのは落下防止の為というのは知られてますが、これが義務付けられているのかは疑問を持ちますね。
そこで、13回のグアムで11代Q王・稲川さんにぶつけたのが「マンホールの蓋は丸でなくてもよい」
2年前にメガネをかけたまま飛び込み、正解はしたもののエビ反りで腰を痛め「泥んこ恐怖症」と言ってた稲川さんは×のパネルへ…哀れ泥まみれに!
実際、排水口を兼ねた四角い蓋もあるので答えは○、雑学の裏をかく問題であり、しかも歴代Q王が撃沈するなんて、作成者はしてやったりのお手柄だったでしょうね! あっぱれ!!
ウルトラクイズの歴史だけでなく、クイズ番組全般に亘って詳しいのですね。細部にこれ程まで詳しいと、恐れ入るばかりです。現在のクイズ番組にも、質的向上を目指して積極的に発言してください。
ウルトラクイズが始まって間もない1978年に発売されたとある
クイズ本に、これに関連した問題があったのでご紹介します。
問.犯人のアジトが示されている録音テープが発見された。しかし、何度聴いても「アスカサ」と言うばかり。
そこに現れた名探偵、テープを聴くとすぐに飛び出していった。果たして、犯人のアジトの場所とは…?
答.浅草
上記のアルファベット表記を見ればおわかりですね。録音テープは、逆回転させていたのです。
録音テープでは、浅草「ASAKUSA」は逆回転するとアスカサ「ASUKASA」となるのです。
青山「AOYAMA」も、逆回転するとアマヨア「AMAYOA」になるというわけなんですよね。
この理屈を知って、逆から聴くと別の言葉になる遊びをカセットテープで当時よくやりました。
その様な遊びは、頭の訓練に役立ちますね。ボケ防止にも最適のようです。
テープ逆回転の問題は、ウルトラクイズでもありましたね。
第3回第一次予選(後楽園球場)
問・「バカ」とテープに吹き込んで逆回しにすると、「カバ」と聞こえる。○か×か?
答・×
浜崎さんの説明を読んだ上でなら、この問題は×だとすぐにわかりますよね。
バカ「BAKA」の逆回しなので、アカブ「AKAB」と聞こえることになります。
テープの逆回転の問題は、放送当時結構な反響を戴き、良い問題の典型的なお手本になっていました。そのような昔の事を良く記憶していましたね。
こんにちは。
この「Akasaka」ですが、このデビルスタワーのオンエアを見たとき、「あ、これ知ってる!」と即座に思いました。
というのも、「駅名トリビア」とでもいうべき本に載っていたのです。
だから鉄道マニア(の中で駅に詳しい方)な方々ならすぐわかったかもしれません。