常識の盲点

アメリカ横断ウルトラクイズでクイズ問題を作っていると、クイズ作者にアドバイスを与える事があります。

その一つに「常識の盲点を突く」という話を良くしました。

誰もが思い込んでいる常識を、そのままクイズ問題にしても、「へー!」と誰も感心してくれません。

「そうだったの!」

と答えを聞いた人が、一つ知識を増やすような問題が喜ばれる問題だ、という事を常々話していました。

言うは易しで、実際にその様な事象を見つけるのは並大抵ではありません。

例えば、誰でも知っている物語でも、勘違いして覚えている事が良くあります。

日本人なら、誰でも知っている「浦島太郎の物語」でも、助けたカメに連れられて、竜宮城へ行ったのは知っていますが、ここで楽しく遊んで帰ってみれば、永い年月が経っていたのは歌で知っています。

うらしまたろう

でも、実際に何年間が過ぎていたのか、その辺を調べて見ると面白い問題になります。

この様な視点で作られた問題が第8回のフェニックスで出題されています。

「アラジンと魔法のランプ」に出て来るアラジンは、何処の国の人?

アラジンと魔法のランプ

答・

中国

解説 

物語の舞台はエジプトですが、アラジンは中国の貧しい仕立て屋の息子なのですね。

アラビアンナイト(千夜一夜物語)の代表的なお話で、中国で母親と貧しい暮らしをしていたアラジンが、魔法使いに唆されて、穴倉に入り魔法のランプを手にしたところから物語ははじまります。

アニメ作品や世界名作童話で、広く知られている物語ですが、後に中国皇帝の姫君と結婚し、皇帝の後を継ぐという冒険物語です。

アラビアンナイトなので、エジプトか、中東のどこかの国の人と勘違いしそうな、クイズとしては引掛け問題と言えるかもしれません。

でも、物語をしっかり知っていれば正解出来る問題だったのです。

「常識の盲点」への2件のフィードバック

  1. こんにちは。

    アラジンの問題は、いざ問われてみると知らないような、まさに常識の盲点を突く問題でした。あるいは、勘違いをして覚えているような問題、ともいえますね。

    物語をきちんと知っていなければ、アラブ諸国の国しか出てこないと思います(少なくとも、正解である「中国」は、まず出てこないでしょう)。

    第8回チャンピオンに輝いた I さんも「エジプト」と見事に誤答してしまいましたから、クイズ作成スタッフさんにとっては、ある意味で、狙い通りの出題だったのかもしれないですね。

    1. クイズ問題は作成者と回答者の心の戦いの傾向もありましたね。引っ掛かって、予想通りの誤答をすると「やったー!」的な気分もありました。お互いのゲーム感覚かもしれません。今だから言えますが。

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