アメリカ横断ウルトラクイズのクイズ問題を作っていて、一番の苦労は問題が正確か否か、の問題チェックの皆さんでした。
特に、東京ドームでの○×問題は神経を使った代表例でしょうでしょうね。
もし、問題に誤りがあったとしたら、本来は負けた人が勝ち組になり、逆に負けた人達が勝ち進む事になるのですから、番組として成立しない事になります。
莫大な費用と手間をかけて作っても、放送出来ない事になってしまいます。
それだけに細心の注意をし、3人の人が別々のルートで3重のチェックをするという手法が取られていました。
特に人間が絡んだ問題には、格段の配慮が必要です。例えば漫画の問題などは、漫画家の事務所の確認だけではダメというルールを作っていました。
事務所がOKと言っても、漫画家のご本人の承認をもらって、そこではじめて完了となるようになっていました。
そうでもしないと事務所の社員の記憶だけでは、ご本人が「違う」と言い出した時に収拾がつかないからです。
その様な中で一番苦労した問題があります。
第14回の東京ドームで出題された問題でした。
問・海部総理大臣は、就任以来、水玉以外のネクタイで国会に登院した事がない。
解説 この問題は、当時新聞などで良く報じられていたので、国民には知られたエピソードでした。
しかし、全ての登院となると、そこまで徹底していたのかが疑問となり、問題として採用されました。
確認作業は国会担当記者、専門家など沢山の方々に聞いて回ったのですが、ほとんどが○のお答えでした。
勿論、総理大臣の事務所で秘書からの確認を取りました。でも、我々はそれでは不十分という判断でした。
やはり、海部総理大臣ご自身が「その通り」と言わない限り、完了とはなりません。
そこで、どのような手を使ったかは解りませんが、総理ご自身の口から「間違いなく○」というご返事を戴き、採用された訳です。
因みにテレビ局には総理番という政治記者もいますので、そのようなルートだったと記憶しています。
当時の資料によると、常に水玉模様で登院し、内閣の撮影や政治家の追悼演説のようなモーニングに黒のネクタイ着用との決まりがある時も例外ではなく、黒とシルバーの水玉模様のネクタイで通したそうです。
問題の正誤に、ここまで神経を使ったのですから、問題を作る人も、チェックをする人も、ロケ隊が出発した時には、「バンザーイ!」と両手を挙げて、開放感に浸ったという話を聞きました。
第13回の第2週ですが、今年、そして今月に関連する問題がそれぞれありましたね。
グァム
問・日本で5年に1度行われる国勢調査を拒否すると、罰せられる。
答・○
モーリー
問・13日が金曜日の月。1日は何曜日?
答・日曜日
グァムでの問題を聞いた時、「あ、今年がそうだ!」と声に出てしまいました。拒否して罰せられたという
話は聞いたことがないですが、きちんと受けなければという気持ちにさせられますね。モーリーでの問題も、
今月がまさにそうです。「これを狙って再放送の日程を決めた?」と思いましたね。違うでしょうけれども。
あ、ゴールドコーストでのtsutomuさん、すごくカッコ良かったですよ!まさに「ナイスミドル」でした。1989年の
放送当時は気に留めていませんでしたが、このブログを通じてコメントで伝えられるのは、とても嬉しい気持ちです。
第4週「ウルトラクイズの舞台裏」でもtsutomuさんが登場されますので、そちらも注目することにしています!
私達は裏方ですから画面に出ないのですが、時々は写る事もあります。でも、視聴者には興味が無い存在なのに気が付いてくださり有難うございました。家族や友人しか興味の無い画面なのですよ。20数年前は私も若かったなあ、それが自分の感想です。又、裏話で登場しますがもう可成りの爺さんになっているので、がっかりしないでください。
この第13回第2週は、回号である「13」に関連した問題が結構あったんですね。モーリーでは他に
映画「13日の金曜日」の殺人鬼はジェイソン。では「エルム街の悪夢」の殺人鬼は?→フレディ
というのもありましたし、グァムの「逆ドロンコクイズ」では
アメリカのアポロシリーズには、不吉な数とされる「13号」は無かった→×
というのありました。また今年はうるう年ではないので、今月も来月も「13日が金曜日の月」なんですよね。
再放送のタイミングも見事なまでに繋がっているものだな、と浜崎さんのコメントを見て感じた次第です。
クイズ問題も確かに13という数字に拘ったことが有りましたね。つなぎ合わせれば様々な偶然が重なって、世の中は動いているので、それも面白い動きに見えるのでしょう。
昨日4日にニッポン放送のラジオ番組「大谷ノブ彦 キキマス!」に福留さんがゲスト出演され、
ウルトラクイズのエピソードを語ったそうです。私はニッポン放送のエリア外に住んでおり
ネットで聴けるラジオ「radiko」もプレミアムには入っておらずリアルタイムでは聴けません
でしたが、番組のpodcastがありそちらから聴くことができました。まだ聴いていない方は、
こちらからダウンロードしてお聴きください。
2月4日(水)「キキマス!」2時台 福留功男がウルトラクイズを語る
http://podcast.1242.com/sound/6741.MP3
また番組のホームページでは、この放送で福留さんが語った内容が箇条書きでまとめられています。
プロにキキマス!(ホームページの下の部分にまとめられています)
http://www.1242.com/program/kikimasu/?cont=pro&date=2015-02-04
皆さんウルトラクイズには関心があるので、その様なラジオ放送まであるのですね。
福留さんは、思い出も多い事でしょうね。ご自身にとって最高にブレークした番組でしたから、思い入れも半端ではないと思いますよ。
こんばんは。
海部総理の問題については、マル秘証言集でもお話されていましたね。「そこまで問題の裏取りをしていたとは!」とびっくりしました。
「目玉の親父」の問題でも、水木しげる先生に直接ご確認したというエピソードがあって、こちらも仰天!
海部総理も水木先生も、言うなれば、番組の製作に協力された方。現職の総理大臣まで巻き込んでしまう(!)ウルトラクイズは、前代未聞のとんでもないクイズ番組だったということが分かります(笑)
有難いお褒めの言葉、そんな番組に関われた事は私の埃でした。
tsutomuさん、「誇り」でしょw
埃になったら掃除機で吸い込まれてしまいますよw!
埃は静かに沈下させるのが、よいですね。
だから私は静かに暮らしていますよ。
確かこの問題が出題された第14回の直前に、第13回のとある挑戦者の方が出版された著書の中で『たった1つの反する事象があれば答えは×になる。だから答えが○となる問題を作成するには相当な確認作業が必要になるだろう。』といった趣旨の発言がされていたのを読んだ記憶があります。
ですので素人の考えでは、こういった確認作業が難しい問題だと×になる事象が見つかったから問題になったのでは…と考える人もいたかも知れませんね。
この問題のように完璧なまでの確認作業をされた上で問題として採用されるまでに費やした人員や時間などを考えると、今ではそのような問題を出題されるクイズにはもう巡りあえないように思えますね。
そう考えると、国内第1次予選の段階ですらスケールの大きな番組だった事を改めて思い知らされる感じがしますね。
我々スタッフと挑戦者の思惑の戦い、それがウルトラクイズでした。
お互いに騙し、騙されまいと、楽しんで戦った気分です。今から思うとクイズの戦友だったかも知れません。