アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、その時代の流行や出来事を中心に作られたものが、大半でした。
何故なら「何故、今その問題なの?」がクイズ会議で論議されるので、今との関連を持たせた知識を問題化するように作家諸氏に注文していたからです。
とは言え、クイズは森羅万象、知識の競い合いですから、過去、現在、未来と時代を超えた範囲で面白い情報を探し、問題が作られるのは当然です。
第7回のジャスパーで、次のような問題が出されています。
問・デジタル時計のデジタルとは、どんな意味?
答・数字(数字式)
解説 digital は英語で指の、という意味があります。昔は指を折って数字を数えところから転じて数字を意味する言葉にもなっています。
辞書によれば、デジタルは物質、システムなどの状態を、離散的な数字・文字などの信号によって表現する方式と出ています。
つまり、この頃からコンピューター万能の時代に入ってIT時代が到来したという事ですね。
ついでにITとは、インフォメーション・テクノロジーの略で、情報処理の総称と解説されています。
それまでの時計は、基本的に長針と短針で時刻を知らせるというシステムでしたが、ウルトラクイズの時代から、デジタル時計が出現した事が解りますね。
この時代から、IT時代が始まっています。
デジタルの対義語はアナログで、現代ではアナログ人間は時代遅れの化石の様に扱われています。
私も家族からは化石人間のように思われており、携帯電話も最近スマホからガラ携に替えてしまいました。
閑話休題。
クイズは「今」も大切ですが、未来を予測して問題を作る場合もあり、デジタルの意味は当時としてはIT時代の到来を予測した問題だったような気がします。
これは時代を先取りした問題! 手前味噌ですかね。
同じくジャスパーで「マイクロコンピュータを使って文書の編集、校正、複製などをする機械は何?」(答えはワードプロセッサー、またはワープロ)という問題が出されています。
この問題は後にナイアガラまで進出されるIさんが答え勝ち抜けを決めた(そしてこのチェックポイントで最後に出題された)問題でもありました。
まあワープロ自体はパソコンやタブレット端末などの台頭で「死語」になった感がありますが、当時としては最先端の最先端だったかもしれません。
いずれにせよ、常に流行のアンテナを張り巡らしているスタッフの皆様方には頭が下がりますね。
問題を詳しく分析なさっているので、びっくりします。
あなたのような方が番組の視聴者だったのですから、我々も気を引き締めて問題を創るアンテナをしっかりと張り巡らせていたのです。
クイズ番組とはいえ、手を抜かないのが当時のスタッフの姿勢でした。