アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中で、「言葉」という分類がありました。
日本語の意味、成り立ち、語源などの中から、知って得する話題を探してクイズ問題に仕上げていました。
我々は、普段に良く使う言葉でありながら、何故その様な言い方をするのか不思議に思う表現がありますね。
例えば、最近では花火大会や、海水浴場など人が沢山集まった時の表現で、「芋を洗うような混雑ぶり」という言葉があります。
何故イモを洗う様子に例えるのでしょう? この様な素朴な疑問こそ、調べて見る価値があるのです。
第5回のサイパンで、その疑問を問題にしたものが出題されています。
問・人が混み合っている様子を「芋を洗う様」と言いますが、この芋とは何芋の事?
答・里芋
解説 芋には、ジャガイモ、サツマイモ、里芋など数多くありますが、何故その中から里芋なのでしょう?
最近は余り見ないようになりましたが、昭和の時代には八百屋さんの店頭で、オジさんが大きな樽にサトイモを入れ、棒でかき回しながら洗っていました。
里芋同士がこすれ合って、次第に皮がむけて白いイモに変化して行きます。
その、里芋の動く様が混雑した人混みに似ているところから、誰が言うことなく自然発生的に生まれた言葉のようです。
所謂、生活習慣の知恵から生まれたもので、正に言葉の原点と言えるものでしょうね。
ところで、何故か八百屋さんの店頭で洗う野菜は里芋くらいで、その他の野菜は生産者の段階で洗われ出荷されていました。
里芋は、手慣れて洗う姿が見世物になる要素があり、買い物客の奥さんや子供達が熱心に見物していました。
と、言う事は自然発生した店頭でのデモンストレーションだったのかも知れません。
昭和の商店街の懐かしい風景の一つでした。