アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、毎年40人から50人のクイズ問題作家に依頼して制作されていました。
その他に、プロデューサー、ディレクター、構成作家も参加して面白い話、珍しい出来事などのアンテナを張って、クイズ問題になりそうなネタを探していました。
私はクイズ問題の責任者をしていたので、作家を集めて時々テーマを与えるなどの作業をしていたのです。
或る時、フッと「世界の首都」をテーマに面白い情報を探そうと思いついたのです。
例えばアメリカの首都ワシントンを調べただけで、数多くのエピソードが上がってきます。
当然の事として、クイズのコースに含まれている場合には、ご当地問題としてその地のクイズ問題が何問か出題されます。
ワシントンでクイズが行われた時には、数多くのご当地問題が準備されたのは言うまでもありません。
でも、コースに入らない世界の首都に目を向ければ、きっと面白いエピソードが出て来ると思い、その様な提案をしたのでした。
第16回の東京ドームの○×問題で出題されたのが、その時に創られたクイズでした。
問・オランダの首都、アムステルダムは、アムステル川という川にダムが造られたためにこの名がついた。
答・○
解説 ○×のクイズ問題には「そんな訳無いだろう!」という嘘っぽい要素が含まれています。
この問題も、当然嘘っぽい要素が充分に含まれていますので、迷ってウロウロする人が数人居ました。
迷える子羊という、視聴者にとっては笑える、ご本人には気の毒な状況が演出出来ます。
果たしてその真相は?
アムステルダムは、13世紀に漁村として築かれたと言われています。
伝説では2人の猟師が犬を連れてボートでアムステル川の河畔に上陸、村が出来上ったのだそうです。
その後、ダムが造られDam in de Amstel(アムステルのダム)が街の名前になったと言われています。
「嘘から出たまこと」という諺がありますが、正にそのような印象のある問題でした。
テーマを設けて面白そうな問題を創る、これもウルトラクイズの問題創りのノウハウの一つだったのです。
九分九厘ジャンケンなのに『もしかしたら?』という挑戦者皆さんの期待を見え隠れさせる演出が好きでした。
やはりドーム・成田・機内・グアムは定番でないと観てる側はしっくりとこなかったでしょうね。
テレビで定番は楽のように見えますが、それを裏切らずに面白く見せるのは結構大変なのです。
アイデア勝負なので、スタッフは死苦八苦していました。
内容と関係ないのですが質問させてください。
成田のジャンケン本選前の『ジャンケン撤廃』とか『全員通過』とかの流れ(お約束)は毎年どのように決めていたのですか?
私は9回の「続いて第3次予選」っていうのが大好きです
成田の第2次予選を盛り上げるために毎年スタッフが考えた遊びだとお考えください。
挑戦者はジャンケンがやりたくて東京ドームを戦ってきたのですから、ジャンケン無しは納得しないでしょうね。
テレビの視聴者も、今年はどの様な遊びがあるのか、期待していたお決まりの構成案なのでした。
第10回の腕相撲や11回のクイズ神社も観てる側としては面白かったです(^^)
あの手のアイディアを毎回検討して楽しみながら番組作りをしていました。
スタッフが楽しめないと視聴者も楽しめないですからね。