アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は森羅万象の中から、興味の持てる事柄を選んで創っていました。
良い問題を創るためには、常に大衆の求めるニーズをリサーチし、それに応えなければなりません。
商売の戦略と良く似ていますね。
大衆の好みは時代によって変化しますが、何時の時代にも「冠」「権威」が大好きという傾向は変わりません。
例えばグルメが人気ですが、ミシュランの★が幾つ付いたというだけで、大勢の人達が押し寄せるというのは世界的な傾向と言えるでしょう。
権威が大好きな証ですね。
また、世界遺産に登録されたという「冠」が付くと昨日までは閑散としていた観光地に、多数の人達が押し寄せ駐車場が何時間待ち、という珍現象が起こります。
同様な意味では「国宝」と呼ばれる冠も興味を惹く大きな力を持っているのです。
第11回のカンクーンで、次のような問題が出されていました。
問・京都の広隆寺にある国宝第1号の仏像は何?
答・弥勒菩薩(みろくぼさつ)
解説 国宝とは読んで字の如く、国の宝物です。
建築物、美術工芸品、古文書などの文化財の内、特に優れたものを保護するために与えられる資格です。
また、人間では重要無形文化財として人間国宝としての資格が与えられる事もあります。
これは1950年に制定された文化財保護法によって、守られており、それ以前のものは旧国宝とよばれ、価値の高いものは再登録されています。
問題の仏像第1号とは、1951年の6月に登録された台帳の1番目に登録されたという意味で、同じ日に仏像は幾つか登録されています。
では、何故この仏像が第1号になったのか?
これには「国宝第1号広隆寺の弥勒菩薩はどこから来たのか?」との文庫本が出ているくらいで、奥の深い事情があるようです。
いずれにしても大衆は「冠」と「権威」で引き寄せられるという事ですね。
各国が、世界遺産登録に国を挙げて懸命になっているのが良く理解出来ました。