御神籤で運を占う

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズは、知力、体力、時の運をキャッチフレーズにしていた番組でした。

クイズ番組なのに、運で勝負を決められたのでは敵わない!」とクレームが付きそうですが、出場者はそれを承知で参加していました。

クイズに勝ったのにジャンケンで負け、飛行機に乗れなかったという悔しい思いをした人が、毎年50人も居たのです。

自分の「運の悪さ」を悔やむしかありません。

その様な歴史の中で、凶運の中の大凶運の人が居たのでご紹介しましょう。

その方は、第11回に出場したFさん(当時25歳)東京のOLさんでした。

東京ドームで、18,017人の中から数多くの難問をクリアして選ばれた104名の中にいました。

普通なら、次は成田空港でジャンケンに勝てば、憧れのグアムへの切符が手に入る段取りでした。

ところが普通ではない、超へそ曲がりの揃ったウルトラクイズのスタッフは、悪魔の様な落とし穴を考え付いたのです。

埼玉県の人形の街、岩槻市に久伊豆神社と言う名の神様を見つけてしまったのです。(クイズとも読める)

となると、この神社を黙って通過する訳には行きません。

そこで成田空港の前に国内第2次予選をこの久伊豆神社で行う事になったのです。

それも神社なので御神籤を引き、凶を引いた人だけに問題を出すという形式です。

104名中、運に見放された3名が「凶」を引き当てたのでした。

この3名による2ポイント勝ち抜けの早押しクイズ。正解は「今日でお別れ」「背水の陣」厄日」といった縁起の悪い言葉ばかりのオンパレードでした。

この地で散ったFさんは、凶の中の「大凶」という汚名を着せられて、成田へ向かう挑戦者の乗ったバスを1人淋しく見送ったのです。

この瞬間、彼女は「敗者が主役」の主役の座に付いていたのでした。目出度し、メデタシ…。

 

 

「御神籤で運を占う」への6件のフィードバック

  1. 以前にも仰っていましたが、今であればこうした一般の人を見せしめにするような演出はできないかもしれないですね。
    このFさん、敗れた瞬間「家族に何と言い訳しよう…」となどと仰って、近所の子供達に笑われながら一人トボトボと帰路につく後ろ姿も印象に残りました。
    ただ国内であるにも関わらずその存在がクローズアップされ、早押しハットも被ることができ、その後の名古屋での敗者復活でも空港でジャンケン敗者達の出待ちをしている姿も取り上げられていましたね。
    御神籤自体は「大凶」で、またご本人にとってはこうした形で目立つのは不本意だったかもしれませんが、画面に映ることもなく敗れていく人が大多数であることを考えれば、ある意味「大吉」だったのかもしれませんね。

    1. 確かに「大吉」の要素も多く含んだ「大凶」と言えるかもしれません。
      画面に出ないで消えている人が大多数の番組で、主役になったのですからね。

  2. そうかと思えば、11回は成田で敗れたIさんが、パチンコで大当りをして敗者復活となり、最後はチャンピオンになったのですから分からないものですね。
    そこがウルトラクイズらしいんですけど。

    1. そうです。
      ウルトラクイズは、凶と大吉が隣り合っている、正に御神籤みたいな番組だったのです。

    1. 物は考えようです。その様に考えると、「大吉」だったかも知れませんね。
      良い方向に考えると幸せがやって来ると言われます。

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