アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の分類で魚類という枠がありました。
魚には、成長すると名前が変化する出世魚と呼ばれる魚がいます。
有名な処では、ハマチ→メジ→ブリが代表的な出世魚と言えるかもしれません。
セイゴ→フッコ→スズキも、クイズには良く出る出世魚の例でしょう。
又、魚の名前を表す漢字もクイズの定番ですね。
魚編に弱いと書いて「鰯」。魚編に里と書いて「鯉」のように魚の名前は大体魚編が付いています。
このような魚の問題で一味変わった問題が、第⒕回のタヒチで出題されています。
問・「シラウオ」「シロウオ」「シラス」このうち成長すると名前が変わる魚は?
答・シラス
解説 シラスはイワシ、アユ、ウナギなどの稚魚を総称した名前です。
つまり、成長するとそれぞれの名前で食卓に上がる魚の稚魚なのですね。
これに対して、シラウオはシラウオ科。シロウオはハゼ科の魚で、良く混同されますが出世魚ではありません。
この様に、魚の名前は混同し易い分野なので、クイズ問題にはなり易いのです。
でも、我々が特に留意したのは魚は地方によって、呼び方が変わる場合が多いのです。
学名が何であれ、実際に地方で使われている言葉を問題にする場合には、細心の注意を払わないと正解に対してクレームが付きます。
答の正誤に疑問符が付くクイズは、例え面白い問題と言えども、採用は出来ないというのが我々の姿勢でした。
神経質に成り過ぎ、という批判が出るかも知れませんが、視聴者の信用は一度失ったら回復するのは大変です。
番組が長寿になるにつれ、責任が重くのしかかる、それがスタッフ全員の運命でした。
問題用紙には必ず補足が記入されていたようですが、実際にクイズの進行中に挑戦者の方から『なぜですか?』みたいな疑問に対するフォローはあったのでしょうか?
挑戦者には自信家が多いので、その様な人も時々いましたね。
彼らが納得しなければ、クイズは続けられませんから、正確な裏取りが必要だったのです。
問題担当としては当然の配慮でした。