アメリカ横断ウルトラ・クイズのクイズ問題を振り返って見ると、一つの素材から何問ものクイズが創られている場合があります。
例えば特別天然記念物に指定されている「大山椒魚」という生物がいますね。
この生物を、縦・横・斜めから眺めるとクイズ問題になりそうな謎が数多く含まれている事が解ります。
日本の代表的な作家、井伏鱒二の短編小説「山椒魚」の物語はクイズ問題の定番的な存在です。
又、別名の「ハンザキ」という名称もクイズ・ネタになる伝説があり出題された事がありました。
また、山椒魚の名称も「何故?」という疑問が湧いて来ます。
第12回のグアムの○×クイズで、この問題が出されていました。
問・特別天然記念物の「大山椒魚」は、危険を感じると山椒の香りの液を出す。
答・○
解説 山椒魚は身の危険を感じると、山椒の香りの液を出して外敵から身を守る習性があります。
日本では、平安時代以前から食用とされ、調理の時にも山椒の香りを出し名前の由来になっています。
食通で名高い北大路魯山人の著作でも、この事が記されており、山椒の香りと山椒魚は密接な関連があるようですね。
生命力が強く、身体を半分に裂いても生きているという伝説もあり、ハンザキの別名で呼ばれています。
伝説では半分に裂いて、川に戻すとやがて裂いた部分が復元すると言われていますが、その証明はされた事がありません。
でも、それほど生命力が強いと信じられていたようで伝説になったのでしょう。
一つの素材も、多角的に眺めるとクイズ問題になる謎がいろいろ含まれている例として、山椒魚を取り上げて見ました。
オオサンショウウオが題材となった問題としては、第7回の決勝で出された「現存する最も大きい両生類は何?」というのもありました。
これはYさんが正解し、見事チャンピオンの座を手に入れた問題でもありました。
天然記念物とされているオオサンショウウオではありますが、近年は外来種との交雑が進み、今や純粋な外来種がいなくなる可能性も指摘されているようです。
クイズから様々な現実が垣間見られるというのも、ウルトラクイズの妙味ですね。
クイズの問題には、何か面白い情報が含まれている、その様な基本姿勢で創っていたのが我々の番組でした。これを妙味と評価されると嬉しいです。