アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、何時までも記憶に残る問題がありました。
これ等の問題は、出典を見ると「発想」が多く、クイズ問題作家が、自らの素朴な疑問を調査して創った問題でした。
クイズ問題は、新聞や週刊誌、書籍などの面白い記事から引用して創るのが一般的です。
でも、その様な問題に比べ素朴な疑問から創られた問題は、作家のオリジナルであり面白さの点で優れた問題が多かったと言えます。
第11回の後楽園、第一次予選で次のような○×問題がありました。
問・「旅ガラス」の言葉通りカラスの中には渡り鳥も居る。○か×か?
答・○
解説 「旅烏」は本来「鳥」のカラスの意味では無く、定まった住居が無く、旅をしながら暮らす渡世人の事を卑しめていう言葉です。
そこで、鳥のカラスの中にも「渡り鳥」が居るのか? との素朴な疑問を持った作者が調べました。
結果、その様な種類のカラスが居たのですね。
渡鴉(ワタリカラス)は日本では、シベリア、カムチャッカ、サハリンなどで繁殖し、冬に北海道にやって来て越冬します。
体長は60cm、翼長100~120cmで、日本の一般的なカラスに較べ一回り大きいのが特徴です。
カラスは鳥の中でも頭が良いと言われていますが、特にこのワタリカラスは群を抜いているとの事。
チンパンジーに近い頭脳を持っているとの研究発表も有るくらいです。
時代劇でお馴染みの「旅烏」から発想した旅カラスの問題、日本語の妙と言えるかもしれません。