真実・昔からの言い伝え

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、正確さが「いのち」と言われるくらい裏取りに重点を置いていました。

正解者が勝ち進み、誤答者が脱落する番組なので、答えの誤りは絶対に許されないのです。

番組が放送された後に「あの答は誤りだ!」と指摘されたら「ゴメンナサイ」では済まされない番組でした。

視聴者の中には、各分野の専門家も沢山居るので、ごまかす事は絶対に不可能です。

従って、クイズ問題の裏取は担当者を変えて3重に行っていたので、17年間で誤りは一度も無かったのです。

そうした中で、第13回のゴールド・コーストで次のような問題がありました。

問・夏には「絵に描いてでも食え」と言われるくらい美味いが、冬になると「枯れすすき」「丸太ん棒」と言われるほど味が落ちる魚は?

答・スズキ

解説 この問題には2通りのアプローチがあります。Aは実際にその様な言い伝えがあるのか?

Bは夏は美味くて、冬は不味い魚は?

AとBどちらの知識があっても、正解する事が出来ます。でも、問題の裏取は、それが真実でなければクイズとして成立しません。

スズキは、海岸近くや河川に生息する大型の肉食魚で、成長につれて呼び名が変わる出世魚です。

「魚類、スズキ」の画像検索結果

関東ではセイゴ、フッコ、更に4~5年で成熟しスズキと呼ばれるようになります。

旬は油の乗っている夏で、秋には産卵するため冬は油が落ちて、昔の人の言い伝え通り不味くなります。

江戸時代には「絵に描いても食え」といわれていたほど庶民に愛されていました。

昔からの言い伝えだけではダメ。現代の料理の常識もしっかり裏を取って、初めて問題が成立するのです。

クイズ問題は、次から次へと出題されますが、その一問毎に綿密な裏取りが行われていた、実に手間の掛かる番組でした。

だからこそ、昔の番組なのに思い出してくれる方が沢山いるのでしょうね。

ウルトラクイズは、お金も掛かるし手間も掛かる、良い時代の贅沢な産物だったのです。

 

 

 

「真実・昔からの言い伝え」への2件のフィードバック

  1. こんばんは、ノリです。
    第13回のゴールドコースト覚えています。
    ビデオレターでメッセージを伝えた後、
    チーム分けが行われたんですね。
    チーム分けは次の通りです。

    ①健全にクイズに取り組んでいるチーム
    ②仕事・学業などが気になっているチーム
    ③遊び気分で参加しているチーム
    ④普通の人々のチーム

    4チームで行うクイズは
    一問多答ライフセーバーのようなクイズでした。
    健全チーム、普通の人々のチームが抜けて、
    最後は遊び気分のチームが勝ち抜けました。
    敗れた仕事チームは敗者復活戦が行われました。
    特に正木君が噓をつくように
    「椎名誠」で抜けたのが印象的でした。
    あの時のゴールドコーストは寒かったなぁと思う。
    それでもチームワークで頑張ったのは
    素晴らしかった。

    1. ゴールドコーストは早春で、確かに寒かった記憶があります。
      細かい進行を良くご記憶ですね。有難うございます。

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