アメリカ横断ウルトラクイズの問題の中には、表面的な知識に加え、更に深い知識を求める問題がありました。
例えば、文学や絵画・彫刻など芸術作品に関する問題の場合、作品と作者名を結びつけるだけの表面的な問題はありません。
文学の場合は、少なくても作品を読んでいれば必ず正解出来ますが、単に作品名を知っているだけではダメという姿勢でした。
絵画や彫刻でも、作品の歴史や作られた経緯、作者のエピソードなどの知識が加れば有利になります。
第14回のタヒチで次のような問題がありました。
問・ロダンの作品で、発表当時「詩人」という題名だった彫刻といったら何?
答・考える人
解説 ロダンの彫刻と言えば「考える人」が有名で、義務教育の美術の時間に学習しているはずです。
従って、勘で答えても正解出来るでしょうが「まさかあの名作の名称が変わるはずが無い」と躊躇した人もいるでしょう。
こうした挑戦者の微妙な心理を読んで、この問題は成立したのでした。
この作品はパリの装飾美術博物館の「地獄門」の上にロダンによって作られ、当初は「詩人」との名前でした。
ロダンの没後、この像をブロンズ像に鋳造した時に、職人によって「考える人」に改名されたという歴史がありました。
最初は「地獄門」の扉の上で、見下ろしている像だったのですね。
この像を拡大して独立させ、銅像として世界に知られる「考える人」として有名になったと記されています。
世界的に知名度の高い芸術作品には、様々な歴史が憑いてまわる事があります。
その辺のエピソードは、知って得するクイズ問題の素材として宝庫と言えるかも知れません。
第13回のあの激烈な準決勝で「ベートーベンの交響曲第3番「英雄」に元々付けられていた原題は?」(答え:ボナパルト交響曲)が出題されていましたね。オペラでも作曲家のエピソードがたくさんあります。
芸術作品の周囲には、面白いエピソードが沢山あるものですね。
深い教養のある皆さんは、こうしたエピソードを自分の知識に加えているので、凡人に尊敬されるのでしょう。大人の知識人とはその様な人達を表するのでしょう。
こんにちは。ロダンといえば弟子であるカミーユ・クローデルとの愛人関係です。パリのオルセー美術館に行くたびに、必ずこのことを考えます。