ご当地問題の理想形

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題には、クイズ会場となる場所に因んだ「ご当地問題」というジャンルがありました。

クイズの場所を移動しながら行う番組なので、視聴者にその地を理解して頂くための、重要な狙いでもあります。

その様な理由で、ご当地問題が数多く創られ、紹介されたのが第9回のニューヨークでした。

ニューヨークは決勝の地ですから、毎年必ずご当地に関する問題は出されていました。

でも、第9回は事情が異なっていたのです。決勝は大西洋を越えて、パリだったのです。

では、ニューヨークのクイズ会場は? これが現代では考えられない、とんでもない企画でした。

セントラル・パークを出発地に、エンパイア・ステートビルまで、目抜き通りを乗っ取ってマラソンクイズをしようという案です。

日本の一テレビ番組が、ニューヨークの目抜き通りを一時ストップさせて、撮影するなど無茶苦茶な企画案です。

ですがこの企画をN・Y市に申し込んだ処「面白そうだ!」とあっさり許可が下りてしまったのです。

毎年アメリカ各地を紹介していた当番組を評価してくれ、その結果だと思います。

ニューヨークの目抜き通りと言えば、あの有名な5番街があります。

トランプ大統領の住むトランプ・タワーも当然その地に存在していました。

この中で、問題のハイライトは有名な宝石店ティファニーの前に差し掛かった時に出された問題でした。

問・「ティファニーで朝食を」という映画で、主演した女優は誰?

答・オードリー・ヘップバーン

解説 ヘップバーンの代表作でもある、この映画の共演はケーリー・グラントでした。

マラソン・クイズは走りながらの出題です。

五番街にはティファニー、ロックフェラー・センターもありその前で関連問題を出す計画でした。

「ティファニーで...」の画像検索結果

問題担当の私は、建物の前で問題を出すよう、解答者の走る速度を見て、クイズ問題を差し替えタイミングを計っていました。

ティファニーの前を通過、この問題が読まれた時には「やったー!」と内心ホッとしたものです。

カメラは映画でお馴染みのティファニーのショー・ウインドーをアップで抑えていたはずです。

ご当地問題は、毎回多数出題されましたが、理想のタイミングはこの時がNO1だったと思います。

このニューヨークの5番街、昨年はトランプ氏がアメリカ大統領に選ばれた為、ニュースで世界中に映像が流されました。

我々は約30年前とはいえ、あの通りを一時ストップして番組を作った、無茶なスタッフでした。

日本人の観光客、今年はニューヨークへ行かれる方をも多いでしょうが、五番街へ行かれたら、この話を思い出して下さると嬉しいです。

 

 

 

「ご当地問題の理想形」への10件のフィードバック

  1. 昨日のニュースで、このティファニーの経営トップであるキュメナルCEOが辞任したというニュースが
    流れていましたね。隣のトランプタワーの警備が厳しくなり、客足が遠のいて売り上げが落ちた責任を
    とっての辞任とみられています。こんな影響も受けているとは、なんだか考えさせられますね。うーん…

    1. この件に関しては来週の水曜日のブログで意見を書きました。
      お楽しみにして下さい。
      トランプさんの影響はいろんなところで洗われていますね。

  2. 動画サイトで改めてこの回のニューヨークを見ました。本当に素晴らしいです。また、5番街に入ってからは、走る速度が速く感じました。かなりきつかったと思います。
    一つ質問がございます。私も1度はパリ~ニューヨーク間など大西洋を横断する飛行機に乗ってみたいと思っています。機内食やまた時差ぼけはどうだったですか。私はヨーロッパに行く時はあまり時差ぼけはありません。アメリカに行く時のほうが、疲れを感じます。大西洋を横断する気持ちはどうだったですか。

    1. ご返事です。太平洋を渡ってアメリカへ向かうと確かの時差ボケに悩む事がありますね。帰って来た時も一日は呆けた感じがしました。
      でも、これは通常の話で、ウルトラのロケの時は時差ボケなどしている暇がないのです。
      アメリカに到着した瞬間からロケの機材運び、打ち合わせと連続で働いているので、スタッフは全員緊張状態が持続するようです。だから、帰国した時にはドッと疲れが出ていましたね。やっぱり我々も普通の人間なのです。
      大西洋を渡った時も、時差ボケの思い出は特にありませんでした。

      1. ご回答ありがとうございました。緊張が持続して、疲れの有無が感じなくなるのでしょうか。いずれにしても、私はこれからも旅行を楽しみたいです。

  3. こんにちは。ティファニー本店の隣がトランプタワーですね。職場でクイズの司会をやる機会があり、グーグルストリートビューで調べました。

  4. 当時,小学校6年生でした。子供ながらに「こんなところ走れるんだ,凄いな」と感じたことを思い出します。

    番組自体は第6回から見始めましたが,本格的な番組の虜になったのは第9回のニューヨークがきっかけだったかもしれません。そして,翌年の南北分離でトドメをさされ「将来はウルトラクイズで優勝する」ということが夢になりました。

    実際に参加できたのは,18歳になったときの第16回だけでしたが(笑)

    1. 少年時代からの夢に、この番組がなった事は、スタッフとしてとても嬉しいです。
      テレビは人々に夢を与える使命があるので、我々の仕事がテレビの力を十分に発揮できたので、喜びを感じます。

      1. このことをいつ書こうかと思っていたのですが、昨年末に、長戸勇人さんのイベントが京都でありました。この時に飲み会があり、参加者のほとんどがウルトラクイズの影響を受けていました。中にはウルトラクイズのように、素晴らしい海外を伝える仕事をしようと旅行会社に就職した人もいました。

        1. 長戸勇人さんのイベントは楽しいでしょうね。
          彼の周囲にはウルトラの出場者が沢山集まっているようで、情報網もすごいですよ。私は年賀状だけの連絡ですが、2年前に「ファミリー劇場」の収録で20年ぶりに再会し、打ち上げで飲み会を楽しみました。
          教師をしているようですが、若い頃と変わらず素晴らしい男に成長していました。

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