アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、森羅万象多岐に亘る知識を試す問題があります。
これ等の問題は知っていれば「凄い!」と視聴者が感心し、誤答をしても「無理ないなー」と許される問題と言えるでしょう。
我々はこうした問題を「難問」と仕分けし、時々この難問を出題していました。
狙いは、視聴者が優勝者を予想するための材料になるからです。また、我々もその必要があったのです。
スタジオで、コンピューター予想というコーナーを設けバラエティー色を取り組んでいました。
でも、予想の通りに運ばない事も多々あって、それがまた視聴者の興味を盛り上げていたのです。
クイズ番組は筋書きの無いドラマ、と言われる所以でしょうね。
第6回のサイパンで、次のような難問がありました。
問・バッハが「千回のキスより素晴らしい」と表現した飲み物は何?
答・コーヒー
解説 バッハの嗜好品を知っている、とすれば相当のクラシック音楽通となります。
また、バッハファンであれば、「コーヒーカンタータ」との作品が有り、それを知っている可能性もあります。
作品の中で、コーヒー好きな娘と、それをやめさせようとした父との会話が楽しく描かれています。
問題の設問は、作品の一節だったのですね。同時にバッハ自身もコーヒー愛好家だったと伝えられています。
以上、一般常識の域を離れた、特殊な知識を持ち合わせている人が、挑戦者の中には多く含まれていたのです。
番組が永く愛されたのは、毎年優れた挑戦者が全国から集まり、熱戦を演じたお蔭と我々は思っています。