アメリカ横断ウルトラクイズの問題の中には、昔の日本人の生活ぶりが分かる問題がありました。
昔の日本人の履物と言えば、下駄か草履、旅へ出る時は草鞋(わらじ)というのが一般庶民のパターンですね。
中でも、諺などに良く使われる履物は下駄でしょう。
「下駄を預ける」「下駄を履かせる」などがその代表例です。
第8回、グアムのパートⅡ「暁の奇襲作戦」で、次のような問題がありました。
問・ことわざで、相手にすべてを一任するとき、あずけるの履物は何?
答・下駄
解説 普通なら超易しい問題です。
但し、クイズ形式がグッスリ眠っているところを叩き起こされ、夢か現実か寝惚け眼で、思考が停止状態です。
視聴者にとっては「可哀想」の同情派と「只で海外旅行を楽しんでいるのだ当然派」が半々。
いずれにしても、寝惚けた状態を見て、大いに笑っています。他人の不幸は蜜の味、といったところでしょう。
「下駄を預ける」と何処へも行かれなくなる、相手を信じてすべてを任せる、との意味です。
一切の決断を、相手に一任する意味で、悪い人間にこの様な権利を与えると、地獄を見る結果になります。
現代では、他人にこんな事を委任する人はいないでしょう。
でも、こうした言葉が一般に使われていた訳で、昔の日本は平和な社会だった事が良く理解出来ます。
一方、江戸では「生き馬の目を抜く」と言うほど、油断の出来ない街、との表現もあります。
結論として……。
何時の時代も人間の考えは同じだという事ですかね。