アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、易しい問題、難易度の高い問題など強弱を付けて出題されていました。
これはクイズに強い人、普通の人、全員が同時に問題に参加出来るのが目的の配慮だったのです。
しかし、時には問題の難易度など全く関係なく進行するクイズ形式があったので、本日はこの特殊な形式を振り返って見たいと思います。
第14回で訪れた南太平洋の楽園タヒチでの事でした。
第1次クイズが終了。挑戦者には次のクイズまで、南太平洋の絶景を楽しんで欲しいと告知されました。
喜んだ17名が、プールサイドや浜辺でのんびり楽しもうとくつろいだ瞬間、何やら不吉なチャイムが鳴り響いたのです。
「只今よりクイズを行います。早押し機のセットされた浜辺に集合、早い順に並んでお待ちください」
そうと成ったら一番乗り、とばかり脱兎のごとく走り出した挑戦者。彼らに告げられたのは「奇襲! ゲリラになった私」との厳しい形式。
ルールは単純明快。最初に並んだ2人が1対1のクイズで勝負、勝者はそのまま明日の午後まで自由行動が許されたのです。
次のアメリカ大陸上陸が約束され、最高の気分で、タヒチの夜を過ごせるのでした。
一方、最初の敗者はゲリラに変身、どこでも好きな場所で対戦相手を選び勝負を仕掛ける事が出来るのです。
となれば、自分より強い相手は避け、勝てると思う相手を探すのが当然の心理でしょう。
選ばれた相手は「俺をなめてるな!」と腹を立て返り討ちを狙うはずです。選んだ方も「申し訳ない」と内心謝りながらの対戦です。
視聴者は、お互いの気持ちが予想出来るので、これまた楽しみが増えるという3つの愉しみが出来る形式でした。
また、強い挑戦者にはクイズのチャンスが回って来ません。イライラ、ドキドキ、溜まるのはストレスばかり。
この底意地の悪い形式を考えるとは、ウルトラのスタフは根性が悪い集団なのですね。
それを喜んだ視聴者の皆さんも同類でした。
本日の結論! ウルトラ・クイズとはそうした番組だったのです。