アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、忘れられた日本語を思い出させる問題がありました。
第4回のイエローストーンで、次のような問題が出されていました。
問・カシ、ナラ、クヌギなどの堅い実のことを何という?
答・どんぐり
解説 どんぐりの事は誰でも知っていますが、改めて問われると「カシの実は何だっけ?」のように各々の実の名前を考えてしまいます。
「どんぐり」が、堅い木の実の総称だったとは、日本語の盲点だったのですね。
どんぐりをテーマにした歌では「どんぐりコロコロ」が多くの子供達に親しまれた童謡です。
また、宮沢賢治の「どんぐりと山猫」も文学ファンには知られた短編と言えるでしょう。
どんぐりの中には、古来から食用になっていた実もありましたが、渋みが強く現代では人間は食べなくなりました。
とは言え、大戦中や戦後の食糧不足の時代には、様々な工夫で食用にしていた時代もあったのです。
現代は、豚などの動物の餌として使われ、特にイベリコ豚は肉の味が美味になるとして、飼料の主力になっているそうです。
また、自然界では熊がどんぐりを食用とし、不作の年には人里に現れ農作物を荒らしてニュースになっていますね。
堅い木の実でも「栗」や「胡桃」はスウィーツの材料として、どんぐりの仲間でありながら別格の食品になっています。
栗や胡桃も、総称では「どんぐり」だったのですね。
その「どんぐり」の個々を比べると甲乙ハッキリと勝負有りで、栗や胡桃は貴重な食材になっています。
と、なると食用にならない「樫」や「椎の実」とは段違いです。従って「どんぐりの背比べ」とはなりません。
本日の裏話は、日本人なら誰でも知っている「どんぐり」の素性のご紹介でした。