アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、語源に関する知って面白い問題が、時々ありました。
中には「えっ、そうだったの?」と驚くような意外性のある語源があったりします。
そのような面白い語源は、普通は「話のネタ」「雑学辞典」など既成の書物からの引用が多いようです。
しかし、ウルトラ・クイズではそうした引用は避けるようにしていました。
何故なら、クイズの問題作家は、出典を明記する事が義務付けられており、雑学本からの引き写しは禁じられていたのです。
従って面白い問題は、自分で発想した問題に多く、出典も「発想」と明記しなければなりません。
クイズ問題作家が、疑問に感じた事を調査し、その中から面白い情報を拾い上げて、問題にしていたのです。
第13回のロサンゼルスで、次の問題が出されていました。
問・中国で人間のいけにえの代用品として作られたといわれる食べ物は?
答・まんじゅう
解説 饅頭の中でも、肉まんじゅうを生贄の代用品として作り、川に流したのが始まりと言われます。
「三国志」によれば西暦225年、諸葛孔明が南蛮を平定し、引き揚げる旅で濾水(ろすい)という大河にさしかかった。
すると河が荒れ狂い、渡れない状況になったのです。
土地の伝説では、この河には荒神がいて49個の人の首を捧げなければ静まらないという。
孔明は合戦で、多くの兵が死んだ。これ以上の死者は出せないと考え、料理人を呼び出したのです。
小麦粉をこねて、人間の頭の形を作らせ中に牛や馬の肉を詰め、饅頭を作らせたのです。
これを河に供えたところ、氾濫は鎮まり軍勢は河を渡る事が出来た、と三国志に記されていたそうです。
これから寒くなって、ホカホカ湯気の立つ肉まんじゅう。まさか元をただすと、生贄の人間の頭だったとは意外性は抜群!
この辺が、語源としては面白いですね。
本日の裏話は、みんなが大好きな肉まんの思わぬ語源のお話でした。今後は中身の肉をしっかりと噛みしめましょう。ヒヒヒ……。