アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題には、日本語の知識を試す問題が多数ありました。
日本人なら当然理解している一般常識、やや難解な知識、更に専門家しか知らない高度の知識とレベルは分かれています。
高度の知識は、準決勝、決勝戦のようなクイズに強い人達の戦いで出されましたが、普通は一般常識の問題で争いました。
日本語には、昔から伝わる決まり事があり、その中でも義務教育で学習するものに、数の数え方があります。
第8回のサンフランシスコで、数え方の間違い易い典型的な問題がありました。
問・習字に使う墨の数え方は?
答・一丁二丁
解説 数の数え方は、昔からローソクのように長い形のものは「丁」で数えていました。
また、豆腐も一丁、二丁と数えていますが、若しかすると昔は形も長かったのかもしれませんね。
但し例外もあって、刀は長くても「丁」ではなく「振り」と数えていました。
これは振り下ろして切り口をつける事から「口」の漢字を使いますが「ふり」と読むのが一般的だったそうです。
一方、鉄砲も長いので「丁」ですが、漢字は「挺」と書くように区別されているのです。
数の数え方、箪笥は「一 棹」、これは長持ちなどの数え方に由来するもので、昔は同類と考えられていたのでしょう。
動物の数え方もそれぞれで、ウサギは鳥と同じで一羽二羽、牛や馬は「頭」、犬や猫、キツネ、狸は「匹」。
では、同じ四本足の鹿は? 頭なのか、匹なのか判然としないので迷ってしまいます。
長い歴史の中で作られた、数の数え方。これを正しく使うのは結構大変で、日本語って難しいですね。
本日の裏話は、ややこしい日本語の中でも、若者が混乱しそうな数の数え方の常識でした。
熟年の皆さんは、若者が間違えても非常識!などと攻めずに優しく教えてあげましょう。無駄に生きてた訳でない証拠として……。