アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本語の意味や語源等の常識を問う設問が多数ありました。
これ等の問題は、日本人の常識ですから正解率は高く易しい問題なので、挑戦者が困難な状況の時に出されます。
第11回のパームスプリングスで行われた「強風駆け込み大声クイズ」と題した、思考力が働かない状況で出された問題です。
問・大急ぎの状態を武士の様子に例えて俗に何刀という?
答・押っ取り刀
解説 急場の時、刀を腰に差す暇もなく、手に持ったまま飛び出して行く様子から、この表現が生まれました。
昔の武士は、主家に何事か異変が起きた場合、何があろうと一番に駆けつけるのが忠臣と心得ていました。
その意味では、「押っ取り刀」の武士の姿は目に浮かぶ、上手い表現ですね。
しかし、「おっとり」とは、本来の日本語では人柄や態度が落ち着いて、ゆったりしているとの意味です。
従って「おっとり」した人は周囲の誰からも愛され、尊敬される性格と言えるでしょう。
処が、緊急の場合は「刀」と組み合わせて、取るものも取りあえず、と意味が真反対になってしまいます。
日本語を学ぶ外国人が「難しい」と悩むのは、このような言葉の変化かも知れません。
我々日本人は「おっとり」の意味も、「押っ取り刀」の緊急の様子も、共に単語として理解しています。
単語の語源に関しては、辞典を調べれば解る事なので、興味のある方は個々にお調べください。
本日の裏話は、超易しい日本語の問題から、日本語の難解な成り立ちに話が進んでしまいました。
それにしても、日常生活では「押っ取り刀」で駆けつけるような出来事には直面したくありません。
一般庶民の日常は、平々凡々が一番の幸せですよね~。