飛行機でアチコチ飛び回っていると、いろんな出来事に出会います。
こちらにも知恵が付いて、時には災難を免れる事もあったりします。
今日はそんな出来事の1つをご紹介しましょう。
あれはブラジルの各地をロケハンしていた時のことでした。
直行便なら良かったのですが、途中でクリチバという街を経由する便に乗ったのです。
クリチバで降りる人、新たに乗る人がいたりして一時間位の時間が経過した時の事です。
なかなか出発しないなぁと思っていたら、機内放送がありました。
「情報によると、イグアスに積乱雲が発生。雷雨で着陸が出来ない場合は、当地に引き返す可能性があります。それを避けるため、ご希望があれば、飛行を翌日に変更なさってください。今夜のホテル代は当社が負担いたします」
という内容の放送でした。
という内容の放送でした。
すると乗客が1人2人と立ち上がって、降りはじめたのです。
間もなくこの波はぞろぞろに変わり、結局機内には10数人しか残っていません。
我々はスケジュールの関係で、是非とも今夜中にイグアスに行かなければならない状況です。
どうするか迷っていると、隣の席のK氏が耳元で囁きました。
「こいつは怪しい!」
「何で?」
と私。
と私。
「さっき、通路で客とスチュワーデスが揉めていたでしょ?」
そう言えば、確かに客が2人とスチュワーデスが、揉めていたようだったのを思い出しました。
「僕はトイレに行く振りをして、彼らの話を聞いていたんです。それによるとどうやら席がダブルブッキングされていたらしく、互いに譲らないんですよ」
「なるほど。機内は満席だし、それで困った航空会社が雷雨などと言うガセネタをでっち上げ、1人か2人降ろそうと仕掛けたわけだ」
「それに決まってますよ」。
我々の意見は一致し、そのままイグアスに向かって飛行したのです。
その結果、イグアス空港に着陸すると、何と雲一つない満天の星空で、予想は見事にピンポーンでした。
それにしても航空会社は、わずかなミスのお蔭で、ホテル代が大損だったのは間違いありません。