海底早押しクイズの真実?

アメリカ横断ウルトラクイズは放送当時小学生の視聴者も沢山いたようです。

最近、コメントを戴く方達も小学生時代に夢中になって視ていたという方が多いのに驚きます。

我々はターゲットを老若男女家族すべてが楽しめる番組という狙いで制作していましたが、実際に小学生には難し過ぎる、という問題も沢山ありました。

でも、クイズ大好きな小学生は、背伸びをして知識も早熟なのか、結構番組を楽しんでくださっていたようです。

その様な当時の子供の疑問として次のような質問がありました。

『第8回のバハマの海底早押しクイズは、世界で初めての試みという説明でした。挑戦者が酸素マスクを被って海底に並び、クイズに答えていたのです。誤答をすると30秒間酸素を止められるというルールでした。僕も30秒間息を止めて見ていましたが、とても苦しかったです。若しかすると死んでしまうかも知れないと思いましたが、実際に酸素を止めたのでしょうか? 多分ジョークだと思いますが、未だに疑問に思っています』

との事でした。

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奥の深い日本の文化

アメリカ横断ウルトラクイズのクイズ問題は、答えを聞いた人が「へー!」と驚いたり「ホー!」と感心したり、新しい知識を増やす役目もありました。

その様な視線でクイズ問題を考えると、クイズ問題作者自身が疑問に思うような事を調査して、問題に仕上げるのが理想です。

例えば南極や北極に棲む動物は、寒い中で霜焼けにならないのかなあ? という疑問から

「ペンギンも霜焼けになる」○か×か、というようなクイズの名作が誕生しました。

クイズは知識を競い合うゲームですから、広い視野で知識を蓄えた人が強いのは言うまでもありません。

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数学の天才マヤ文明

アメリカ横断ウルトラクイズでは、クイズ会場を求めてアメリカ各地を歩きまわりました。

テレビ番組ですから、珍しい風景や建物なども会場選考の重要な要素になるのは言うまでもありません。

第11回でメキシコのユカタン半島を訪れた時、マヤ文明の遺跡チチェンイツァを訪ねました。

チチェンイツァ

マヤ文明は数学天文学に優れていて、金星の観測から作った暦は一年の誤差が何と5分という精密さで後世の学者達を驚かせています。

そのマヤ人が、ユカタン半島のジャングル地帯には絶対にありえない巨大な石を積み上げて、ピラミッドを作ったのがチチェンイツァです。

何処からどのような手段で石を運んだのか、謎が謎を呼ぶロマンの世界がそこにあったのです。

この地ではマヤ文明に敬意を表して、クイズ問題も数字が答えになる問題ばかりを集めて行いました。

題して「ピラミッド駆け上り数字クイズ」です。

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統計発表は問題の源

アメリカ横断ウルトラクイズで、毎日クイズ問題を作った経験でお話すると新聞記事を読んでいて、クイズ問題になる記事が時々載っている事に気が付きます。

それは、各省庁から発表される統計の数字です。

グラフ

例えば、長生き日本一の都道府県は○○県で、平均寿命は○×歳というような発表があったとします。

この様な最新の数字はその年のクイズ問題として採用されやすいのです。

何故なら、一番新しい確かな情報ですし、挑戦者も視聴者も知識として興味が持てる場合が多いからです。

またこうした数字は、その年にしか通用しない数字なので、翌年には状況も変化してしまいます。

つまり、旬の問題として我々が何時も欲していた問題だったのです。

月日が流れると、こうした統計の数字も当然変化して来ます。

我々のウルトラクイズが放送されていた80年代、世界の人口は50億人と記憶していました。

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文学の問題

アメリカ横断ウルトラクイズのクイズ問題の分類で「文学」というジャンルがありました。

クイズ問題作者もこのジャンルの問題は沢山作ㇼましたが、作品名と作者を単に結びつけるような問題は採用される確率が低いのです。

例えば、「坊ちゃんの作者は誰?」 夏目漱石! ピンポーン。

これではクイズとしての面白味が全くありません。

問題会議でこの様な問題が出されれば「どこが面白いの?」と一蹴されるのが目に見えています。

夏目漱石は日本を代表する文学者ですからクイズ問題に取り上げるには格好の題材ですが、それならば作品の中味に触れた問題なり、漱石の足跡を絡めて問題を作るなり、少しは工夫が必要でしょう。

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