アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、時にはクイズ作家に注文を出して創る場合がありました。
新聞や雑誌の記事に頼らず、自分の素朴な疑問を調べて問題に仕上げるのが理想、というお話を良くしていたのです。
問題作者と雑談の中で、日本人が好きな「諺」が話題になった事がありました。
学校のテストであれば、諺の持つ意味を問うのが普通でしょうね。
でも、クイズはテストとは異なり、面白味が無いと視聴者が喜んでくれません。
良く知られた諺の意味を問う以外で、クイズ問題に仕上げる事を宿題にした事があります。
その時に創られた問題が、第7回のグアムの○×問題に出題されています。
問・爪を隠す鷹はいない。
答・○
解説 諺には動物の習性を使った教えが沢山存在します。
「馬の耳に念仏」「猿も木から落ちる」などがその代表的な諺でしょうね。
「能ある鷹は爪を隠す」も良く使われる諺です。
では、この諺は真実なのか? という点に着目した作家が調査して、実態を問題に仕上げたのです。
猫は爪を隠す事が出来るのですが、鷹はその様な動作が出来ない鳥と言う事が判明しました。
能ある鷹が、獲物を狙う時に爪を隠して相手を油断させ、突然襲うという事はないのです。
という事は、この諺は人間が想像で作った教えだったのです。
こうした素朴な疑問を追及する作業は、楽しくもあり、聞いた人にも興味が沸く面白い問題となったのでしょうね。
クイズの問題作者は、ノルマで苦しみながら、一方ネタ探しを楽しんでいたのです。