思わぬ災難!

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、諺に関する問題がありました。

災難に関する諺には「忘れた頃にやって来る」「思わぬ災難」などが有りますが、最近のニュースで世界的な宝飾店ティファニーに関する記事がありました。

ティファニーはニューヨークの五番街にあり、クイズ問題でも関連問題が何問も出題されています。

そのティファニーのCEO(最高経営責任者)が成績不振の責任を取って退任したというニュースがありました。

その理由に上がっているのが、トランプ大統領の登場に関係があるというものです。

ティファニーの本店はトランプ・タワーに隣接した場所にあります。

従って、近隣の警備強化によって客足が鈍ったとの理由が挙げられているようです。

ウルトラクイズの問題では、第14回のタヒチで次のような設問がありました。

問・ピカソの娘を専属デザイナーとして雇っている、ニューヨークの有名な宝石店とは?

答・ティファニー

解説 世界一の有名宝飾店に相応しく、絵画の巨匠ピカソの娘で有名なパロマ・ピカソを専属デザイナーとして契約し話題になりました。

ティファニーはオードリー・ヘップバーンのヒット映画「ティファニーで朝食を」で世界的に名を挙げた宝飾店です。

「ティファニーで...」の画像検索結果

世界中で店舗を展開し、日本各地にも多数のお店があるのは知られています。

客足が鈍ったのは本店だけのお話で、不振はトランプ大統領に原因があるだけではないでしょうね。

高級な贅沢品だけに、世界的な不況など原因は様々考えられます。

この様な事で、トランプ大統領の名前が出されるのは、それこそ「思わぬ災難」と言えるかも知れません。

変化の少ない懸賞金

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を振り返ると、その時代の話題が問題になっています。

「ああ、あの時代にはそんなブームがあったな」との昔を懐かしむ事も出来る、これがウルトラクイズの特徴かも知れません。

第16回は平成4年の番組なので、25年前の放送ですが東京ドームの〇✖問題に次のような設問がありました。

問・勝ち力士がもらう懸賞金。袋の中には現金が入っている。

答・〇

解説 懸賞金の中身に現金が入っているのは比較的知られた噂話でしょうね。

しかし、「一体幾らなのか?」は興味のある情報でしょうね。

今年は、稀勢の里が19年ぶりに日本人横綱として誕生したので、ニュースでは大フィーバーでした。

これで、相撲人気が一気に盛り上がる勢いで、ファンにとっては嬉しい出来事ですね。

さて、相撲の話題で懸賞金の中身は幾らなのか? が細かい解説付きで紹介されていました。

我々が24年前に調べた金額と、中味に関しては全く変わっていないのに驚きました。

当時は、税金の事は抜いていましたが、袋の中身は6万円。

「相撲、懸賞金」の画像検索結果

但し、場内放送料など協会の手数料5,000円と、本人名義の貯金25,000円の計3万円を差し引き、3万円が入っている、との説明でした。

今回の説明も、袋の中身が3万円と金額は全く変化していませんでした。

バブルの時代から、物価の価値観は随分変化しているものの、相撲の懸賞金は6万円と変化が無かったのです。

勿論、懸賞金は給料とは別なので、ボーナスと見て良いのでしょうね。

稼ぐには実力を付ける、スポーツは正に弱肉強食の世界なので、今も昔も若者の憧れですね。

恥ずべき行為

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題には、世の中の常識と言える知識を試す問題がありました。

但し、クイズは学校の試験問題ではないので、何らかの楽しめる要素を盛り込む工夫が必要です。

例えば学校では、他人に迷惑をかけない道徳やモラルを倫理学として教育します。

でも、クイズ番組でお勉強的設問では、視聴者が楽しんで呉れそうもありません。

そこで、問題文のアプローチが大切になってきます。

第14回のレバノンで、次のような設問がありました。

問・反対語。「創業」の反対は「廃業」。では、他人の真似をする「模倣」の反対は?

答・創造

解説 創造は、人間だけが出来る素晴らしい能力で、発案者には名誉や金銭などの特典が与えられます。

一方、他人の成功を真似するのは恥ずべき行為で、これを防ぐために著作権という法律がありますね。

その他、商標登録など、発案者の権利を守る法律は細部に亘って作られており、これを犯すのは恥ずべき行為と言えます。

処が、昨今偽物ブームといっても良いほど、世間を騒がせている国が有りますね。

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偽ブランド商品、飲食店遊園地まで、外国のヒット商品のそっくりさんを作り、本家の警告にも抵抗したりします。

この問題の狙いは、家族でクイズを楽しんでいる時、正解に対して家族の会話が弾む事にありました。

例えば「発明」「発想」「創造」など、家族で想定する答が出るでしょう。

「創造」が人間にとっていかに大切か、会話の糸口になる素材でもあります。

両親や祖父母が、子供達に道徳やモラルについて語れるきっかけになればとの思いもありました。

家族で愉しめるクイズ問題、問題創りの大テーマだったのです。

 

初ものを探す

アメリカ横断ウルトラ・クイズのクイズ問題は、資料から探す他に、自分たちの発想で創る場合がありました。

自分で考えた素朴な疑問を、調査で答えを探しクイズに仕立てる訳で、出典は自分の発想となります。

視聴者が面白い問題、と評価してくれるのは大体この発想の問題でした。

横浜の名所に外人墓地がありますが、この墓地に最初に埋葬されたのは誰なのか? という疑問を持ったクイズ作者がいました。

開国の頃の、名のある外国人ならば問題が出来ると考え調査をした結果、完成した問題が第12回のグアムの〇✖で採用されていました。

問・横浜の外人墓地に初めて埋葬されたのは、ペリーが率いる黒船の乗組員だった。

答・〇

解説 外人墓地はエキゾチックな横浜の名所ですが、1,800年代に作られた霊園です。

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ペリーの黒船来訪は、近代国家になるきっかけですし、この乗組員が最初の埋葬者ならば、実にタイムリーな話題です。

まさかと思いながら調査をしたところ、これが見事に当たってビンゴだったのです。

第1号の埋葬者は1,854年にペリーの黒船でやって来たロバート・ウイリアムスという船員だったそうです。

黒船が、初めてやって来たのが1,853年ですから、年代的にも符合する話で、知って面白い雑学と言えるでしょうね。

素朴な疑問も、丹念に調査すると思わぬ特ダネに行き当たる犬も歩けば棒に当る見事な実例でした。

 

 

アメリカのスタート点

アメリカ横断ウルトラ・クイズの裏話を書いていますが、トランプ大統領の登場で今や毎日のニュースがアメリカの動きになってきました。

我々は、アメリカに関するクイズ問題でアメリカの多くをご紹介してきました。

コロンブスの大陸発見から、西部開拓時代南北戦争独立戦争など、ゆかりの地を訪ねながらこの国の歴史をクイズ問題を通して学んできました。

その中で、そもそものアメリカの出発点とも言うべき問題が、第7回のボストンで出題されています。

問・メイフラワー号に乗った清教徒達が、上陸した土地は何処?

答・プリマス

解説 1,620年に102名の清教徒が到着したのは、マサチューセッツ州のプリマスという港です。

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トランプ大統領の人種差別的な発言が度々問題になっていますが、アメリカにはWASP(ワスプ)と呼ばれる階層が存在していました。

白人、アングロサクソン系、プロテスタントの頭文字をとって上流階級とされていた人々です。

メイフラワー号でやって来た最初の移民の子孫がこの特権階級だったのですね。

しかし、奴隷解放の歴史を経て、この様な人種差別は無くなったはずでした。

リンカーン、キング牧師、オバマ大統領の登場などの歴史を重ねて現代に至っています。

でも、トランプ大統領は再び昔の差別的な思想を持ち出し、アラブ諸国やメキシコに対し、無理難題を突き付けているように映ります。

我々のウルトラクイズの時代には、アメリカは憧れの国のチャンピオンでしたが、今後はどうなるのでしょう。

これ以上、がっかりさせる事が起こらないように願いたいものです。

アメリカで長年テレビ番組を作ったスタッフとして、あの広大で明るいイメージを崩したくないですねー。