昔を懐かしむ

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を振り返ると、思わぬ事を知らされ「へー!そうだったの」と驚く事があります。

第11回の後楽園球場、第1次予選の歴代チャンピオン・エキビジション・クイズで次のような問題がありました。

問・東京六大学の中で唯一校歌のない大学はどこ?

答・東京大学

解説 一般的には、学校には校歌があるのは当然と考えられています。

そんな常識の中で、大学のトップ・クラスと評価される東京大学に校歌が無いとは意外性という点では抜群ですね。

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東京大学には一校時代の、寮歌・応援歌・学生歌は残っていますが、校歌はありません。

その代り、運動会の歌「大空」を東京大学の歌と位置付けているとの事だそうです。

と、いうことは東京大学の卒業生にも、校歌に匹敵する思い出の歌が存在するという事ですね。

大学に限らず、一般的に校歌は学生当時を思い出す貴重な題材です。同窓会では、昔を懐かしんでみんなで合唱をする事もあるでしょう。

幾つになっても、昔の気分を友人と共に味わえる同窓会。毎回、幹事の苦労は大変でしょうが、労を惜しまず何年に一度は行って欲しいものです。

昔を懐かしむ! こうした話題を取り上げるのは、私も高齢者になった証拠かもしれません。

本日の裏話は、学生時代を思い出すクイズ問題のご紹介でした。

 

 

 

クイズのだいご味を考える

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を振り返ると、日本の伝統や昔の人の暮らしを思い出される事があります。

中には、すでに死語になっている言葉があり、それも又、ご先祖さまの暮らしぶりを偲ばせてくれる知識です。

その典型的な問題が、第7回のジャスパーで出されていました。

問・日本のことわざで、商人(あきんど)の子が目を覚ますのは何の音を聞いて?

答・そろばんの音

解説 この諺を知らなくても、商人の音でそろばんを想像する事が出来ます。

「そろばん」そのものは、現在では活躍の場が減って計算機に取って代わられています。

でも、そろばんは計算のために必要な「脳」の訓練には欠かせない道具で、現在でも習得している児童が多いのが現実です。

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わずか1問のクイズ問題ながら、昔の商人の暮らしぶり、そろばんの存在、現代でも役に立っている道具、など3点の知識が含まれていました。

クイズが多くの人に愛されるのは、脳の活性化に役立ち、強いては「呆け防止」の効果が期待される事もあるようです。

私も呆け防止のため、そろばんの稽古でもしましょうかね。本日は昔の問題で、自己反省が出来ました。

豪華列車の元祖を辿ると?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を振り返ると、永い事忘れていた懐かしい知識を思い出す事があります。

子供に時代・小中学生の頃に教科書で習った知識は、現在の生活に関係がない限り、思い出す事もなく自然に忘れ去られてしまうのが普通です。

そうした知識の盲点を狙った問題は数多いのですが、設問の文章によって、咄嗟に思い出せない事があります。

第5回のサイパンで次の問題がありました。

問・世界で初めて客車として蒸気機関車を走らせたのは誰?

答・スチーブンソン

解説 この問題のミソは「客車として」の言葉で、頭が混乱をするようです。

単に蒸気機関車の発明者は? これなら大抵の方が思い出すでしょう。しかし客車で世界初は誰だっけ? と考えが「方向違い」に向いてしまうのです。

事実、クイズ問題の選考会議でこの問題を読み上げた時、日頃クイズに強いスタッフが「えー、最初の客車はどこの国だ?」と迷った発言をしたのです。

「イギリスだろ?」「否、フランスのような気がする」など、違う方向へ思考してしまったのでした。

結果、この問題は採用されたのでした。

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スチーブンソンが発明した蒸気機関車は、1,825年イギリス北部の街ストックトン~ダーリントン間に61kmの鉄道が完成。

この鉄道で、蒸気機関車ロコモーション号による鉄道の営業が開始され、主に荷物を運ぶ貨車が主力でした。一方旅客で最初の営業は以下の通りです。

世界初の旅客鉄道は、リバプール&マンチェスター鉄道で、特にリバプールはビートルズを生んだ街なので、歌も多数あり音楽ファンにはお馴染みです。

現在でも、鉄道ファンがこの鉄道に乗るため世界中から集まる人気路線なのだそうです。

鉄道は、旅と豪華列車への憧れで、小説やドラマの舞台になり易いですね。

その代表は、同じイギリス生まれの作家アガサ・クリスティーを除いては語れません。

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彼女の代表作「オリエント急行の殺人」は、過去何度も映画化されその都度世界中の人々の関心を呼びました。

この作品の影響か? 日本を初め、世界各国で豪華列車が競って誕生。列車の旅がブームになっています。

中には、高額料金なのに「何カ月前に申し込み」のように、加熱気味の列車もあるなど、バブル時代の再来を思わせる状況になっています。

本日は、昔のクイズ問題からさかのぼって、豪華列車の歴史を簡単に覗いて見ました。鉄道マニアの皆さんなら、百も承知の情報でしたね。

 

 

法律は時代と共に変化する

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を振り返って見ると、考えさせる問題が時々登場します。

最近は著名人夫婦の離婚、別居、不貞問題などがテレビで話題になり、昔に比べてオープンに語られています。

しかし、昭和の時代には人々の考え方も保守的で、夫婦間の問題はなるべく秘密裏にされていました。

現代では通用しない考えが、クイズ問題になっていた典型的な例があったのでご紹介しましょう。

第6回の後楽園球場、1次予選での問題です。

問・日本の法律では、夫婦は同居しなければならない。〇か✖か?

答・〇

解説 今から36年前の問題なので、当時は〇が正解でした。でも、現代では✖を実践している夫婦もあり、これを〇にしたら大変な騒ぎになったでしょう。

当時の〇の根拠は、民法752条に同居の義務がうたわれていたのです。

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この法律は夫婦の同居義務、協力義務、扶助義務についての規定であり、法律的には同居しなければ、義務違反になりました。

民法上は明記されてないが、夫婦間の基本的な義務として貞操義務もあると解されていました。

貞操義務違反( 姦通、不貞行為)は離婚原因を構成し、不法行為にもなる。 同居義務違反があった場合、同居請求がなしうるだったのです。

現代では ……

夫婦間の合意がある場合は別居も許され、また、一方の暴力行為があるなど別居に正当な理由が認められる場合もある。

時代と共に、夫婦間の法律も次第に解釈が変化し、話し合いで別居も許されるように変化してきたのです。

最近では、男性国会議員の不貞、女性議員の地方在住の弁護士との不貞などがTVのワイドショーで話題になりました。

しかし、この程度のスキャンダルには有権者も麻痺して、選挙には影響が無いようです。

昔から欧米人は愛情の表現がオープンでしたが、時代と共に欧米化したのでしょうかね。

昭和生まれは古い! 本日の裏話は、こんな声が聞こえそうなお話でした。

生物の世界は厳しいけれど…

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を振り返ると、人々に考えさせる良い機会を与える問題が時々あります。

中でも、言葉の意味を問う問題の中には「語源」と呼ばれる枠があり、真の意味、成り立ちなどを知る事によって新たな発見があります。

第7回のナイアガラで、次の問題がありました。

問・アリとアリマキ、ヤドカリとイソギンチャク、これ等の関係は生物学的には何?

答・共生

解説 言葉の意味は、2種類の生物が,一方あるいは双方が利益を受けながら,密接な関係をもって生活することをいう、と説明されています

ヤドカリ(宿借)はその名の示すように、貝殻に住み付き外敵のタコやタイから身を護ります。そのために、イソギンチャクに接近して貝殻に背負うのです。

また、イソギンチャクも自らヤドカリを探し、貝殻に飛び乗るのだそうです。

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何故かと言えばイソギンチャクの触手には毒があるのです。タコやタイは毒が怖くて、イソギンチャクを襲う事が出来ないのです。

ヤドカリもイソギンチャクも、共に天敵から身を護る事が出来ます。両者共に得をして生きるので共生と呼ばれるのです。

また、サメ(鮫)とコバンザメの共生も知られています。

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コバンザメはサメにピッタリと吸い付き、大きな魚から身を護っています。また、サメの食べ残したおこぼれをもらっているチャッカリ者なのです。

一方のサメは、コバンザメから利益も害も受けていないので、これを片方だけが利益を呼ぶので、片利共生と呼んでいます。

自然界の生物の中には、異なる動物が共に利用しながら生きていく、不思議な世界が創られているのですね。

これに対し共生の反対は「天敵」で、弱肉強食の世界と呼ばれています。

人間は動物の「共生」を真似れば平和な世の中になるのでしょう。弱肉強食は野生動物に任せ、共生の世の中を創って欲しいもの。

人間は考える葦ですから、平和な世の中を目指そう!これが一問のクイズ問題から得た本日の結論です。